8月29日夜、オリンピックパーク内のオリンピックスタジアムで開会式が行われ、ロンドンパラリンピックが開幕した。日本チームの様子を現地からお伝えする。

会場ゲートへの道を歩く人たちのワクワク感を高めてくれるフラッグ会場ゲートへの道を歩く人たちのワクワク感を高めてくれるフラッグ (c)Yuko SATOトラック自転車競技会場のベロドロームトラック自転車競技会場のベロドローム (c)Yuko SATO


8月29日現在のJPC(日本パラリンピック委員会)およびIPC(国際パラリンピック委員会)の資料によると、参加国・地域は166、参加選手は4200名あまりで、うち日本選手は134名出場する。大会は9月9日の閉会式までの12日間の予定だ。

自転車競技は、トラックが8月30日~9月1日の4日間、ロンドン東部にあるオリンピックパーク内のベロドロームで行われる。またロードレースは、オリンピックパークから南東に車で70分ほどの距離にあるモーターレースサーキット、ブランズハッチにて9月5~8日の4日間の日程で行われる。

発走機の手前でスタート練習の順番待ち発走機の手前でスタート練習の順番待ち (c)Yuko SATOトレーニング中の石井雅史トレーニング中の石井雅史 (c)Yuko SATO


29日午前中は、30日からの自転車トラック競技にむけ、各チームに割り当てられた最後の公式練習時間が設けられ、日本チームも参加し順調な仕上がりを見せた。

「全員、調子いいよ! 絶好調!」とフレームを肩に現れたのは鬼原積メカニック。伊藤保文パイロットの「自転車は進むし食事はウマいしホンマどうしよ、いう感じで!」と緊張を冗談でくるんだチャーミングなコメントに続き、「調子、いいように見えます? いいですよ」と淡々といつもの落ち着いた口調で語る大城竜之。走りも練習を重ねてだんだん息があってきたと語っていたが、持ち味のバランス的にもなかなかいいコンビとなりつつある様子だ。
今年2月にロサンゼルスで開催されたUCIパラサイクリングトラック世界選手権のときの走りと比べ、大城のフィジカルも伊藤のテクニックも、安定感がぐっと増している。

大城竜之と伊藤保文パイロット大城竜之と伊藤保文パイロット (c)Yuko SATO公式練習中の日本チーム公式練習中の日本チーム (c)Yuko SATO


「調子は、悪くないです。うふふ」と笑顔の石井雅史。ああ大好きな自転車で走れてうれしいなあ、という気持ちを自分の走る原点として語っていた彼らしい表情だ。
「伊豆ベロドロームで練習できるようになったので、やっぱり室内バンクがあると、違いますね。ここに来ても、慣れるのが速いです。ロンドンのほうが少しカント(傾斜)がゆるい感じなので、練習の感触で、コーナーのどこでどう走るか試したり考えたりしています。」

「調子は。いいです。けど、あんまり景気のいいこと言うと、あとで怒られちゃいそうですね…(笑)」と開幕直後30日のレースを前に控え目なコメントは藤田。ほどよい緊張がみなぎった表情で、明日のレースに臨む。

深呼吸してスタートに臨む藤田征樹深呼吸してスタートに臨む藤田征樹 (c)Yuko SATO29日の開会式の花火29日の開会式の花火 (c)Yuko SATO


自転車トラック種目初日、30日の14時(現地時間)からは、藤田征樹〔障害クラス男子C3〕の出場する1kmTT〔男子C1~3〕が行われる。現地の様子はまた随時お伝えします。

Photo&Text Yuko SATO