8月26日、フランスでGPウエストフランス・プルエー2012 が開催され、宮澤崇史が序盤の逃げに乗った。勝負はエドヴァルド・ボアッソンハーゲンが最終盤にアタックを成功させ、独走でゴールへと飛び込んだ。新城幸也は27位に入っている。

225名の選手たちがスタートを切る225名の選手たちがスタートを切る photo:www.grandprix-plouay.comGPウエストフランス・プルエーは、自転車競技が盛んな地方として知られるフランス北西部のブルターニュ地方を舞台に行われる地域最大のワンデーレース。今年で開催70回以上を数える歴史のある大会だ。レースのカテゴリーはUCIワールドツアー。

コースは1周27kmの大きな周回コースを9周する243km。丘陵地帯を多く有するブルターニュ地方らしく1周の間に標高100m弱の3つの起伏が用意され、ゴールに近いコート・ド・ティマレクは平均勾配7%・距離1000mを数えるなど、ピュアスプリンターにはやや厳しいコース設定だ。

序盤に形成された逃げグループ 中央に宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)序盤に形成された逃げグループ 中央に宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク) photo:www.grandprix-plouay.com今年は18のプロツアーチームに加え、ユーロップカー、ブルターニュ・シュレー、コフィディス、ソール・ソジャサン、アルゴス・シマノという5つのプロコンチネンタルチームを加えた全23チーム、225名の選手たちが出場。スタートラインには新城幸也(ユーロップカー)と宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)の日本人選手2名も並んだ。

周回を重ねていくメイン集団周回を重ねていくメイン集団 photo:www.grandprix-plouay.com序盤にはマークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)、アレクサンダー・クチンスキー(ベラルーシ、カチューシャ)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)などを含む強力な逃げグループが形成され、これには宮澤崇史も加わった。

しかし強力なメンバーに警戒を強めるメイン集団は、残り60km地点でタイム差を2分にまで詰めていく。長時間に渡って逃げ続けた宮澤崇史らが集団に吸収され、最後まで粘ったブルグハートとクチンスキーもゴールまで30kmを残して吸収。すると鋭いカウンターアタックでトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)が抜け出しに成功した。

終盤にカウンターアタックをかけるトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)終盤にカウンターアタックをかけるトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:www.grandprix-plouay.com先頭を走るヴォクレールには複数のライダーがブリッジを試み、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)やジェローム・コッペル、ジェレミー・ギャラン(共にフランス、ソール・ソジャサン)が合流。4名となった先頭グループは協力して丘陵地帯を逃げ続けた。

独走勝利をかざったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)独走勝利をかざったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) photo:www.grandprix-plouay.comしかしジャコモ・ニッツォロ(イタリア)のスプリントで勝利を狙うレディオシャック・ニッサン勢がコントロールするメイン集団は残り7kmで逃げる4名を吸収。ペースが上がりきった状態で残り5kmに控えるコート・ド・ティマレクの上りに突入した。

ティマレクでキレのあるアタックを仕掛けたのはルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)。追いすがるサイモン・ジェランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)を振り切って独走を開始する。

10秒弱のリードを持って走るコスタに対し、追う集団は主導権を握るチームが現れず混沌とした状態に。その中から単独でエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が抜け出した。残り2kmでコスタに合流したボアッソンハーゲンは、コスタが後方を確認したタイミングを突いてアタックし、先行。ここが勝負の分かれ目となった。

GPウエストフランス・プルエー2012表彰台GPウエストフランス・プルエー2012表彰台 photo:www.grandprix-plouay.com力強いペダリングで突き進むボアッソンハーゲンの勢いは最後まで衰えず、コスタ、そして迫り来る集団を5秒差で振りきって単独でゴールへと飛び込んだ。遅れながらも粘りを見せたコスタは集団からわずかに先着し2位。コスタとタイム差無しで入った集団の先頭はハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が獲った。

今年のツール・ド・フランスでチームのために献身的なアシストを見せ、6月のノルウェーナショナル選手権に続く勝利を挙げたボアッソンハーゲン。「僕のことをアシストしてくれたトーマス(ロヴクイスト)とクリスティアン(クネース)と共に、今日は集団の中でずっと走っていたんだ。コスタのところへジャンプした時に、調子の良さと勝てるという自信を感じていたんだ。チームは集団を長時間に渡って牽引していたから、良い形でフィニッシュできてとても嬉しいよ。以前の勝利から間隔が空いていたけれど、コンディションの良さを感じることができて良かった。このまま維持していきたい」と語った。

スプリントに絡んだ新城幸也は27位でゴール。序盤の逃げに乗り、長時間エスケープを敢行した宮澤崇史は途中でレースを降りている。

選手コメントはチーム公式サイトより。


GPウエストフランス・プルエー2012 結果
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)5h55'28"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)           +05″
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
4位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ベルソル)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
7位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
8位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
9位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
10位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
27位 新城幸也(ユーロップカー)
DNF 宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)


text:So.Isobe
photo:www.grandprix-plouay.com
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