出場停止処分から復帰したばかりのアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)の参戦で、注目度を高めているブエルタ・ア・エスパーニャの総合争い。合計10ステージで登場する頂上ゴールで、コンタドールに挑戦状を叩き付けるオールラウンダーたちをピックアップしてみよう。

ブエルタ総合リーダーの証、マイヨロホ(レッドジャージ)

総合リーダーに授与されるマイヨロホ総合リーダーに授与されるマイヨロホ photo:Kei Tsujiブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉、それがレッドジャージを意味するマイヨ・ロホだ。長年にわたって金色のマイヨ・オロが採用されていたが、ツール主催者ASOがブエルタ主催者Unipublicに資本参入を開始したことを受け、2010年にスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。

ツールのマイヨ・ジョーヌ、ジロのマリア・ローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨ・ロホを着る。つまり最終日にマイヨ・ロホを着る選手がブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。

第1ステージ(チームTT)と第11ステージ(個人TT)を除き、ステージ上位3名(1位12秒、2位8秒、3位4秒)と中間スプリントポイント上位3名(1位6秒、2位4秒、3位2秒)にボーナスタイムが与えられる。序盤ステージではボーナスタイムによるマイヨロホ移動も起こるだろう。

注目は4年ぶり出場のコンタドールとツール総合2位フルーム

久々にレースに戻ってきたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)久々にレースに戻ってきたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) photo:Cor Vos2008年、コンタドールは初出場のブエルタで初総合優勝を果たした。2年間の出場停止処分を受けたコンタドールが、4年ぶりに母国のグランツールに戻ってくる。

出場停止処分中も精力的にトレーニングを続けたコンタドールは、処分明け直後のエネコツアーに出場し、総合4位という成績を残している。まだまだレーススピードに順応するためには時間が掛かると思われるが、コンディション的には上々の様子。そして何より他の選手たちよりフレッシュだ。

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosヘスス・エルナンデスやダニエル・ナバーロ、ベンハミン・ノバルといったアシストたちは、コンタドールを100%ブエルタでサポートするためにツールを欠場。信頼出来る強力なサポートを得て、コンタドールが2度目のブエルタ制覇を目指す。山岳が鍵を握るコースレイアウトはコンタドールに味方するだろう。

最大のライバルと目されているのが、ツール総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)だ。昨年フルームはエースのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)をアシストしながらも、結果的にエースを上回る走りを見せて13秒差の総合2位。イギリス人として、当時グランツール表彰台の最も高い場所に登った。

ファンホセ・コーボ(スペイン、モビスター)ファンホセ・コーボ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji今年のツールでもウィギンズを献身的にアシスト。今度こそエースを総合優勝に導き、自身も総合2位に。直後のロンドンオリンピックでは、個人タイムトライアルで銅メダルを獲得した。

ツール&オリンピック後の回復具合が気になるところだが、フルームにとってはキャリアで初めてエースとして走るグランツールであり、闘志はみなぎっている。アシストの責務から解き放たれたフルームの走りに期待。グランツール連勝を狙うチームスカイは、山岳アシストとしてリッチー・ポルト、セルジオルイス・エナオモントーヤ、そしてジロ新人賞&ロンドンオリンピック銀メダルのリゴベルト・ウランを揃えている。

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Riccardo Scanferlaディフェンディングチャンピオンのファンホセ・コーボ(スペイン)は今年、ジェオックスからモビスターに移籍。開幕地パンプローナはモビスターの本拠地であり、チームとして士気は上がっているはず。

2009年大会覇者のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)はコーボをアシストすると宣言。コロンビアンクライマーのナイロ・クインターナにも注目したい。

イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル) photo:Kei Tsuji強力なメンバーを揃えるのがカチューシャだ。ジロ総合2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン)は、2度の総合優勝者デニス・メンショフ(ロシア)と、良き相棒ダニエル・モレーノ(スペイン)のアシストを受ける。TTの距離が短く、頂上ゴールの数がとにかく多い今年のブエルタはロドリゲス向き。山岳におけるチーム力は最強クラスだ。

バスクチームを率いるイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)は、過去6度ブエルタに出場し、2007年に総合8位。しかしそれ以降は落車などによりチャンスを失ってきた。今年こそブエルタで結果を出したいところ。

2004年のジロ覇者ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)は、グランツールレーサーとしての走りを取り戻しつつある。今年のジロは総合6位。ブエルタの最高位は2004年の総合15位だが、ステージ通算2勝を飾っている。個人TTの距離が短いコースはクネゴに味方する。

今年ツアー・オブ・カリフォルニアで総合優勝したロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は、ツールを第11ステージでリタイア。過去に2度総合トップ10入りしているブエルタで復活を目指す。今年ツールで惜しくも表彰台を逃した(総合4位)ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)や、ジロ総合3位のトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)にも注目したい。

今年ツール・ド・ロマンディで総合2位に入った23歳のアンドリュー・タランスキー(アメリカ)は、ガーミン・シャープのエースとして2年連続ブエルタに出場(昨年79位)。直前のツール・ド・ランでは、スパニッシュクライマーたちを下して総合優勝を果たしている。

ブエルタ歴代総合優勝者
2011年 ファンホセ・コーボ(スペイン)
2010年 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)
2009年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2008年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2007年 デニス・メンショフ(ロシア)
2006年 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)
2005年 デニス・メンショフ(ロシア)
2004年 ロベルト・エラス(スペイン)
2003年 ロベルト・エラス(スペイン)
2002年 アイトール・ゴンザレス(スペイン)
2001年 アンヘル・カセロ(スペイン)
2000年 ロベルト・エラス(スペイン)
1999年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)
1998年 アブラハム・オラーノ(スペイン)
1997年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1996年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1991年 メルチョル・マウリ(スペイン)
1990年 マルコ・ジョヴァネッティ(イタリア)

※ボーナスタイムに関する記述を訂正しました。

text:Kei Tsuji
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