マヴィックSSCチームは、5月28~31日に開催されたツール・ド・熊野から、スバルレガシィとスバルエクシーガの車2台と、2台のスズキスカイウェイブ650ccオートバイの計4台体制で、ニュートラルサービスを開始した。4台体制でのサポートは国内では初めてとなった。

新体制で国内レースをサポートするマヴィックSSCチーム新体制で国内レースをサポートするマヴィックSSCチーム photo:Hideaki.TAKAGI
新型エクシーガのマヴィックカーがツール・ド・熊野に投入された新型エクシーガのマヴィックカーがツール・ド・熊野に投入された photo:Hideaki.TAKAGIツール・ド・熊野2009初日、和歌山県新宮市で、マヴィックの新SSCニュートラルサービス体制の記者発表が行われた。国内でのニュートラルサービスの始まりとその必要性や、主催者を代表してコミッセール担当者とマヴィックSSCチームから新体制の発表があった。

"ニュートラルサービス"とは、パンクや転倒によるメカの破損をコース上で素早く修理してレースに復帰させるために、チームやポジションなどに関係なくニュートラル(中立)な立場で、迅速に選手をサポートするという考えのもと発案された。

日本では富士重工業株式会社の協力のもと1997年からサービスが開始され、マヴィックイエローにカラーリングされた“マヴィックカー”が、ツアー・オブ・ジャパンやジャパンカップから主要ホビーレースまで広く支援してきた。

そして新しくスバル・エクシーガとスズキ株式会社の協力によりスカイウェイブ650の"モトマヴィック”が加わり、充実の体制で“SSCチーム”がサポートを開始する。

「ニュートラルサービスが、日本においてレースのクオリティや選手のレベルの向上に繋がれば」という思いで、これからもマヴィックは日本の大会をサポートしていくことになる。

ニュートラルサービスの重要性を説明する菊池津根徳コミッセールパネルニュートラルサービスの重要性を説明する菊池津根徳コミッセールパネル photo:Hideaki.TAKAGI

UCIコミッセールパネル菊池津根徳氏の談話
~ニュートラルサービスの重要性~



--山岳やゴール前といった、レースで一番重要なところこそニュートラルサービスが大事です。山では、チームカーが選手をサポートすることが困難な場合が多々あります。その時に大切なのが、中立な立場でサポートしてくれるマヴィックカーなんです。

もしゴール手前、単独で逃げている選手がパンクをしてしまったら、チームカーはゴールが近いためサポートできない。しかし、黄色いクルマのおかげで地獄から天国へと引き上げてもらえる。選手にとって、こんなに嬉しいことはないんです。

08年インカレにて、先頭集団にレガシィが、第2集団にバイクが付いている08年インカレにて、先頭集団にレガシィが、第2集団にバイクが付いている photo:Hideaki.TAKAGI残念ながらアジアのレースでは、まだまだニュートラルカーが確立されていないため、勝てる選手がトラブルにより、負けることもある。しかし日本では、近年のヨーロッパレースと同様に、勝つべき選手にトラブル起きても、ニュートラルカーの導入により勝利を掴む選手が増えているということは、とても喜ばしいことです。--

ニュートラルサポートがいかに選手の明暗を左右するか、その重要性を菊池コミッセールパネルは語ってくれた。

edit:綾野 真
photo:高木秀彰