今大会最長の226kmの第12ステージは、序盤に1級山岳2つ、終盤に3級山岳が控える。逃げ集団は2番目の1級山岳の山頂付近までに5名に絞られ、これが終盤まで逃げ切った。ゴールはレース巧者のミラーが制し、英国勢の活躍が目立つ今大会にさらに1勝を加えた。

ステージ優勝のデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)

ペローとのスプリント一騎打ちを制したデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)ペローとのスプリント一騎打ちを制したデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ) photo:Cor Vos(今ツールで英国勢の快進撃について)すごいことだ。英国の外で(オリンピックの)英国チームの構成について考えていた。226kmも走るのだから、考える時間はたくさんあった……これで僕たちの英国チームは今年のツールのステージ優勝者が4人(カヴェンディッシュ、フルーム、ウィギンズ、ミラー)になった——僕たちはオリンピック最強のチームを持つことになる。やらなければならないことが実現するように願いたい。

自身4度目のステージ優勝を飾ったデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)自身4度目のステージ優勝を飾ったデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ) photo:Makoto Ayano現在、自転車競技が英国の人々から注目を浴びていることは見過ごせない。僕たちはそれを誇りに思っている。そして、こういう機会が毎年訪れるわけではないことを、ありがたく思わなければならない。僕らには世界チャンピオン(カヴェンディッシュ)がいる。そしてマイヨジョーヌのブラッド(ウィギンズ)がいる——彼はこのツールを総合優勝するはずだ。そして、ブラッド最大の脅威で、英国人チームメイトのクリス(フルーム)がいる。こんな事態になるなんて10年前のツールで教えてもらっても、きっと僕は信じない——正気じゃないと思ったはずだ。

今日は、これまでの自分のキャリアの中でもいい勝利だと思う。そして、今日はトム・シンプソンの死から45年目の区切りになる日であることが、とくに感慨深い(訳註:1967年7月13日に英国人選手トム・シンプソンがツールの第13ステージのモン・ヴァントゥで死亡した)。ある意味、歴史が一巡したと思う。僕はかつてドーピングに手を染めた。今は僕たちの競技が置かれている状況と、僕たちが改革のために行動してきたことを誇らしく思う。僕たちは過去を忘れてはならない。僕は過ちを犯した人間のひとりだ。だからこそ、今は僕がクリーンだということと、このスポーツが過去とは異なることを知ってもらいたい。僕たちはこのスポーツをもっと誇らしく思うべきだ。

チームのために勝ちたかった。ツールでのショッキングな出来事からチームが立ち直るきっかけを作れたことを誇らしく思う。今日は勝つつもりだった。アラン(ガーミン・シャープのスポーツディレクター、アラン・パイパー)は、この数週間つらい経験をしてきた——僕たち全員もそうだ……僕たちはツールに大きな目的を持ってやってきた。それが一気に崩れ去った。僕たちはこれまで自分たちの個性を発揮してやってきた。これを続けていけばいいのだと思う。

総合1位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

マイヨジョーヌを着て走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着て走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos厳しいステージだった。世界中の人々は(テレビで)ラスト100kmしか見ていないだろうけど、最初の100kmは今までのツール・ド・フランスの各ステージ1つに匹敵するくらいハードだった。今日は本当に過酷なステージだった。ゴール付近ですら一瞬も気を抜けなかった。トリッキーなゴールだった。

メイン集団内でゴールラインを切るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)メイン集団内でゴールラインを切るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto Ayanoデイヴ(ミラー)が不遇な時期の後に勝てた。彼は今年の序盤に鎖骨骨折し、それ以降は復帰に専念しなければならなかっただけに、とても感動した。トム(シンプソン)の命日に勝ったのも素晴らしい。今週、彼は取り残されていると感じ始めているように思えた。だから、今日の彼の勝利はチーム……僕たちオリンピックの英国チームにとっては重要なことだ。数週間のうちに、すべての結果が出るだろう。僕たち(英国チームのツール参加者)は全員がステージ優勝してしまった。輝かしいことだ。

これがツール・ド・フランスだ。誰もがストーリーを作りたがる。でも(僕がクリス・フルームと敵対する)ストーリーはどこにもない。

2つ目の登り(1級山岳のグラニエ峠)で追走したのは、追走集団を単につぶすためだった。(ジェローム)コッペルを逃がしたくなかったからだ。彼は総合で12分しか差がついていないから、山頂で逃げを無効にした。チームを助けたんだ。

ツールで楽な日は一日もない。今日もやはりそうだった。

ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の斜行をアピールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の斜行をアピールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vosビデオを見れば、ゴスが何をしたかわかる。決定するのはレースの審判で、僕じゃない。でも、ビデオを見れば明らかだと思う。ゴスがああしたのは(進路を塞いだのは)、僕たちがマイヨヴェールを狙っているふたりだからだ。彼は僕と競い合う相手だけど、この戦いでは僕が勝つことになると思う。(訳註:この後、ゴスは降格処分となる)

降格処分になったマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

キャリアの中で初めての降格処分だ……処分は少しやり過ぎだと思う。だって30ポイント(の剥奪)だよ。一日中働いてくれたオリカ・グリーンエッジのチームメイトには申し訳ない。

敢闘賞・ステージ5位のロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ)

今日は大変だった。簡単に勝てるステージじゃなかった。逃げに乗ったのは3回目で、その代償を少し払った。ゴールの数km手前でパンクしたし、脚は疲れ切っていた。こういうレースでは、最後に登りがあるほうが好きなんだけど、いずれにせよ満足している。ステージ優勝したいし、それができるチャンスはあと3回ある。

ミラーを祝福するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)

ミラーが今日のツールで勝てて、とても嬉しい。すごく強かった! これで英国のオリンピック代表チームの5人のうち4人が、今年のツールでステージ優勝したことになる!

第7ステージでリタイアしたロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・シャープ)

ミラーが輝かしい仕事をした……彼とチームに大きな祝福を! あの忌々しい最初の1週間が終わって、ミラーがチームに微笑みをもたらしてくれた!

コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。

text:Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI
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