ドイツ、バイエルン州で5月27日〜31日まで開催された5日間のステージレース、バイエルン・ルントファート(UCI2.HC/通称バイエルン一周レース)で、リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チーム・ミルラム)が総合優勝した。また5ステージのうち3ステージのゴールスプリントをアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)が制しステージ3勝を挙げた。

バイエルン地方の風景の中走る集団バイエルン地方の風景の中走る集団 photo:Cor Vos今年で30回目の開催を祝うバイエルン一周。ドーピングスキャンダルの影響でドイツツアーが消失し、複数日開催のステージレースが一気に減少したドイツにあって、ババリア州一周レースとともに貴重なステージレースだ。出場チームはドイツのプロコンチネンタルチームおよびプロツアーチーム5チームの全11チーム。オランダのスキル・シマノからは別府史之(日本)も出場した。各ステージのダイジェストレポートでお届けする。

ゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)ゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) photo:Cor Vos

第1ステージ Kelheim - Mu"hldorf a. Inn 196.3km



第1ステージはケールハイムからミュールドルフまでの196.3km。2級山岳ふたつがあるがが平坦基調のスプリンター向きのコース。序盤から逃げたマルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)とヨナス・シュマイザー(ドイツ、ヘイツォマット・マペイ)が逃げたが、ゴール前10キkmで吸収された。

ゴール前ではチームコロンビアの列車が形成され、アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)がクリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン・スリップストリーム)とファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チーム・ミルラム)を抑えた。グライペルはドイツ人ながらバイエルン一周には初出場だ。

初出場・初優勝をキスで祝福されるアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)初出場・初優勝をキスで祝福されるアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) photo:Cor Vos

第1ステージ結果


1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)4h34'22"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン・スリップストリーム)
3位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム)

25位 別府史之(日本、スキル・シマノ) 

総合成績首位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)4h34'22"


マルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス)が山岳ステージを制するマルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス)が山岳ステージを制する photo:Cor Vos

第2ステージ Mu"hldorf a. Inn - Ruhpolding 173.6km



ミュールドルフ・ア・インからルーポルディングまでの173.6kmで争われた第2ステージは、1級山岳が2つあり、総合成績を狙うには重要なステージ。
リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)、マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)、トーマス・ピーターソン(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)、ラッセ・ボックマン(デンマーク、サクソバンク)、シルヴァン・カルザッティ(フランス、アグリチュベル)、ダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル)、ステファン・デニフル(オーストリア、エルクハウス)、マルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハルス)、の8人が後続に大きな差をつけて逃げ切った。

ステージを制し、イエロージャージを手にしたのはマルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス)。大集団は25分遅れでゴールし、事実上総合争いはこの日集団を離してゴールした8人に絞られることになった。

ステージと総合成績首位を手にしたマルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス)ステージと総合成績首位を手にしたマルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス) photo:Cor Vos

第2ステージ結果


1位 マルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス) 4h11'46" 
2位 ステファン・デニフル(オーストリア、エルクハウス)   +06"
3位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)

46位 別府史之(日本、スキル・シマノ) +25'33"

総合成績首位 マルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス) 8h46'03"


集団先頭をコロンビア・ハイロード列車が固める集団先頭をコロンビア・ハイロード列車が固める photo:CorVos

第3ステージ Bad Aibling - Schrobenhausen 178.2km



バートアイブリングからシュローベンハウゼンまでの178.2キロを走る第3ステージ。序盤からクリストフ・モロー(フランス、アグリチュベル)など20名を含む逃げ集団が形成されるが、アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)で勝利を狙うチームコロンビアがレースを完全にコントロール。
逃げを吸収した後もイエローのハイロード列車が形成され、グライペルがハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)とセバスティアン・シードラー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)をゴールスプリントで抑え込んで2勝目となる勝利を挙げた。

ステージ2勝目を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)ステージ2勝目を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) photo:CorVos

第3ステージ結果


1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) 4h11'37"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
3位 セバスティアン・シードラー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)

83位 別府史之(日本、スキル・シマノ)     

総合成績首位 マルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス) 12h57'40"


トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)が最速タイムをたたき出すトニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)が最速タイムをたたき出す photo:Cor Vos

第4ステージ 26km個人TT Etappe Einzelzeitfahren Friedberg



26キロの個人タイムトライアルはTTスペシャリストのトニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)が30分9秒のタイムで優勝。
25秒遅れの2位はマルティンのチームメイトで2008年世界選手権個人TT覇者のベアト・グラブシュ(ドイツ、チームコロンビア)。
そして総合争いにも変動があった。37秒遅れで3位のリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)がマルクス・アイベガー(オーストリア、エルクハウス)との差を逆転し、イエロージャージを獲得した。

第4ステージ結果


1位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア) 30'09" 
2位 ベアト・グラブシュ(ドイツ、チームコロンビア) +25"
3位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム) +37"

52位 別府史之(日本、スキル・シマノ) +2'39"

総合成績首位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム) 13h28'32"  


第3ステージに続いてハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)を下したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)第3ステージに続いてハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)を下したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) photo:Cor Vos

第5ステージ Friedberg - Gunzenhausen 166.4km



最終第5ステージはロマンチック街道にあるリートベルクからグンツェンハウゼンまでの166.4km。1級山岳と2級山岳がある中級山岳ステージ。
途中逃げグループができるも2級山岳を下ってからは平坦基調のため、総合リーダー要するチームミルラム、そしてハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)で勝利を狙いたいサーヴェロ・テストチームの働きによって逃げはつぶされた。

そしてゴール前に動いたのはまたも黄色いハイロード列車。発射されたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)はハウッスラーを僅差で下し、このレース3ステージあった平坦スプリントステージの全てを制する3勝の快挙を成し遂げた。

個人総合はチームミルラムがアシストするリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)が危なげなく首位を守りきり、母国開催のレースでの嬉しい勝利を挙げ、チームミルラムのステージレースにおけるリーダーの責任を果たした。


第5ステージ結果


1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア) 4h00'33" 
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)  
3位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)

27位 別府史之(日本、スキル・シマノ)  

総合成績 1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)、2位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)、3位 ダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル)総合成績 1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)、2位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)、3位 ダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル) photo:Cor Vos

総合成績


1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)    17h29'05"  
2位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア) +10"
3位 ダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル) +26"
4位 ラッセ・ボックマン(デンマーク、サクソバンク) +45"
5位 マルクス・エイベッガー(オーストラリア、ELKハウス) +1'30"


57位 別府史之(日本、スキル・シマノ) +27'34"