落車したデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)がTTバイクを拾い上げる落車したデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)がTTバイクを拾い上げる photo:CorVos

デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)


(ゴールのとき叫んだのは)このジロの緊張とストレスが全て噴出したんだ。ジロの間中、集中して静かにしていたんだ。そしてフィニッシュした途端にそれが解き放たれた。21日間溜めたストレスと感情だ。放出しなきゃならなかったんだ。

この勝利は格別だ。ブエルタに勝ったとき、もっと冷静だった。これは僕のキャリアの中でもっとも美しい勝利。メディア、観客の注目度。これは百周年のジロだから。

考える時間は無かった。監督車のブロイキンク監督からはすべてOKだという情報をもらっていた。「リスクを冒すな、危ないことはするな、パニックになるな」、と。
(落車前に)総合差で30秒以上あることを知っていたからパニックにはならなかった。ただ新しいバイクに交換してフィニッシュするだけだった。

マリアローザを着て最後の記者会見に臨むデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)マリアローザを着て最後の記者会見に臨むデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) photo:Kei Tsujiたぶんレース(コース)自体は昨年より難しくはなかった。昨年使ったようなギアは使わなかったから。でも百周年ということが選手たちのレベルを本当に本当に高く上げた。でも僕はいい体調、最高のコンディションで来た。

全力を尽くしたと思う。本当に自信があった。僕はここ数年で僕は進化している。グランツールに勝てる適齢期になったんだと思う。今はこの勝利を楽しみたい。ツール・ド・フランスに勝つには幸運が必要だ。

--このジロはポーカーゲーム(心理戦)だった?

ポーカーだったかどうかは分からないけど、確かに言えるのはいい脚をもっていることがもっとも重要だったということ。

アッズーリ・ディタリア賞を獲得したダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)アッズーリ・ディタリア賞を獲得したダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) photo:Kei Tsuji

ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)


その落車のおかげでもし僕が勝っても、それは美しいとはいえないね。デニス(メンショフ)は強かったし、そんなことで勝利するのを妨げられるに値しないよ。
彼を祝福するよ。最後に最も強い男が勝ったんだ。

今日はロードバイクで走った。雨が降ってきたからリスクを冒したくなかった。全力を尽くしたよ。
後悔することは何も無い。アタックできるチャンスではすべてアタックしたし、このジロからは多くのものを得た。2つのステージ勝利と7日間のマリアローザ、そしてマリアチクラミーノだ。このジロには本当に満足だ。

僕はもう今までのキャリアのなかで多くの勝利を挙げた。僕みたいにたくさん勝った男はそんなに多くない。僕はわが道を行くよ。僕は後3、4年はいい状態で走れるだろうから。


驚きのステージ優勝を飾ったイグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、サーヴェロ)驚きのステージ優勝を飾ったイグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、サーヴェロ) photo:Kei Tsuji

イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、サーヴェロ・テストチーム)


タイムトライアルはいつも4時間に渡って行われるから、コンディションはいつも変わるんだ。
ちょっと怖かった。コースを下見したとき、クラッシュしないように注意深く走らなければいけないと思ったんだ。
まさか勝つとは思ってなかった。でもいいタイムだったからトップ10か5に入れるかとは思ったけれど。

今日は悪いコンディションでも、明日はいいコンディションになる。もちろん雨が助けてくれた。それは認めるよ。けど、それだけかどうかは分からないよ。将来を楽しみにしていて欲しいよ。

今日成し遂げたことは信じがたいね。夢に見ていたんだ。でも実現するのが早すぎてまだ実感が沸かない。僕はまだ若い。プロトンの中での僕の役割を探している最中なのに。今日一番の収穫は、今後の自信になるということだね。

これが僕の最初のグランツール。あまり考える余裕は無かった。ジロを走り始めてすぐ、もうたくさんだ、もう走れない...。と思った。最初の週はとくに大変で、第一回目の休息日で休んでから徐々に馴染んできた。


ステージ65位に沈んだ総合4位のカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)ステージ65位に沈んだ総合4位のカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ) photo:Kei Tsuji

カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)


僕はこのジロには総合を狙って来たけど、ちょっとほろ苦い思いで去るよ。モンテ・ペトラーノで勝ったことは重要だった。ヴェスヴィオでバッソの前で勝ったことも。総合を狙うには、僕が思ったようにはうまく行かなかった。


ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン・スリップストリーム)


僕はこのTTをジロ中盤ごろか狙っていた。コースは難しく、ちょっと普通じゃない。今朝下見をして、なんて危険なんだとショックを受けた。
誰にとっても条件は同じだからポジティブに行こうと思った。でもラスト5kmで雨のシャワーが降り出した。それで僕のチャンスはなくなった。
1秒差に泣いたステージ2位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)1秒差に泣いたステージ2位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン) photo:Kei Tsuji

イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)


この後ドーフィネ(リベレ)を走るよ。そして休みを取ってブエルタを目指す。そこでは勝利を狙うよ。


text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos