ロベルト・フェラーリの勝利で締めくくられた今大会最長ステージ。第3ステージの落車を引き起こして批判を受けたフェラーリは、インタビューで謝罪と喜びを同時に語り、安堵の表情をみせた。

ステージ優勝のロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
 
ゴールスプリントを制したロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)ゴールスプリントを制したロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) photo:Riccardo Scanferla(第3ステージのことで)批判されて動揺し、僕自身がっかりしていたけれど、ほっとしているよ。ずっと辛い毎日だったんだ。ずっとチェックされていたから、スプリントに加わるのは簡単なことではなかった。今はハッピーだと言えるよ。イタリア人選手にとってジロで勝つのは最高の気分なんだ。

ステージ優勝を飾ったロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)ステージ優勝を飾ったロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) photo:Kei Tsujiジロ・デ・イタリアでは調子の良さを見せたかったんだ。もう一度、第3ステージで僕の動きによって落車を引き起こしてしまったことに対して謝罪したい。ゴール直後に発言した内容についても申し訳なく思っている。僕はアレッサンドロ・ペタッキのようなスプリンターになりたいけれど、彼のようなタレント性は自分には無い。でももちろんベストは尽くしてはいるけどね。

ラスト1kmで、カヴェンディッシュが何か(やめろと言っていること)僕に言おうとしていることがわかった。でも僕だってスプリンターで、僕の仕事は勝つ可能性があるのならスプリントをすることなんだ。デンマークでのクラッシュ以降、幸いなことに集団内には僕に対する悪意のある感情がなかったんだ。皆と話したけれど、あれは故意ではなく、ミスをしただけという認識でいてくれた。

マリアローザのホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がメイン集団内でゴールマリアローザのホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がメイン集団内でゴール photo:Kei Tsujiだから僕はこれからも全力でスプリントに取り組んで行く。クラッシュは選手の失敗によって引き起こされるものなんだ。もちろんコースが危険な場合もあるけどね。


マリア・ローザを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

グランツールで良いパフォーマンスができることを見せたい。このジロ・デ・イタリアで僕が一番強いことを証明したいんだ。本当に調子が良くて、その昔フェンテスがステルヴィオ峠で勝ったような勝利を挙げたいと思っている。

マリアローザを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)マリアローザを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsuji僕は単純にイヴァン・バッソなどよりも強いとは思わないけど、彼は今年落車に巻き込まれていることが多いね。それは少なからずコンディションに影響を与えていると思うし、先週の調子の悪さもそのためだと思うんだ。僕はコンディション良く仕上がっているから、総合優勝を狙って走り続けるよ。


チームスカイ監督のステフェン・デヨンフ

ようやくマリアロッサを手にしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)ようやくマリアロッサを手にしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji終盤では若干のマージンがあった。チームはマーク(カヴェンディッシュ)を勝たせるために登りでもとてもよく働いた。
全てはプラン通りに進めていたし、勝利に向けて仕上げに入ってもある程度余裕をもってレースをコントロールできていた。
でも最後の鋭角コーナーでは、少々焦り過ぎた。マークは追い上げるのに精一杯で、勝利のチャンスはなかった。今日は一日中ジェレミー・ハントが逃げを捕まえるために信じられない集団牽引を見せた。
マークは自身の家からわずか5km距離のゴールで勝てなかったことに落胆していたよ。


集団内でゴールしたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)

46秒を失い、総合優勝が遠のいたフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)46秒を失い、総合優勝が遠のいたフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) photo:Kei Tsuji今日はコースの長さと、ラスト1kmのコース設定がレース内容を決定づけたね。
コースプロフィール上ではとてもシンプルだったけど、それ以上に少し大変な思いをしたよ。最後の4級山岳ではペースが速く、(ダミアーノ)クネゴと僕は先頭付近にポジションを確保するためにペダルを踏んだよ。(ロマン)クロイツィゲルがアタックした時、彼についていけば良かったのかもしれない。


落車し、46秒のタイムを失ったフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

最後、周回コースへと入る前にアレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ)が、チームメイトのクリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ)を前に連れて行こうとしてプッシュしていたんだ。その動きが遅くて、僕は彼にぶつかって転んでしまった。前を追おうとした時には集団はかなり先に行ってしまっていて、さらにクラッシュがあったためにまた止まらざるをえなかったんだ。
普通なら先頭付近にいて回避できた動きだったけど、ラスムッセンの動きで後ろに位置してしまったことが事態を悪くした。貴重なタイムを失ってしまったし、集団に追いつくのは不可能だったよ。


text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Riccardo.scanferla,CorVos