サンジョルジョ・デル・サンニオ〜フロジノーネの166kmで争われた第9ステージはラスト300mの直角コーナーで落車が発生。ゴス、カヴェンディッシュ、ポッツァートらが落車するなか抜け出たフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が勝利を飾った。

手を組むライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)とイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)手を組むライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)とイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Kei Tsuji昨ステージで最南部へと到達したあと北上を開始するジロは、急ぐように、直線的に、決戦地アルプスとドロミテの山場に向かう。今日も総合争いに関しては決戦地までのいわゆるトランジション(中継ぎ)ステージとなる。
集団スプリントになった場合、優勝の狙える有力スプリンターはカヴェンディッシュ(スカイ)、ゴス(グリーンエッジ)、ハンター(ガーミン)、ベントソ(モビスター)ら。すでにファラー(ガーミン)、フースホフト(BMC)、フェイユ(ヴァカンソレイユ)らはレースを去っている。

逃げるピエール・カゾー(フランス、エウスカルテル)ら3名逃げるピエール・カゾー(フランス、エウスカルテル)ら3名 photo:Kei Tsujiしかし簡単に勝たせてくれないのがジロの平坦ステージ。ゴール地点フロジノーネの手前には細かなアップダウンが詰め込まれており、登りで飛び出すアタッカーにもチャンスが与えられている。ラスト300mには鋭角コーナーがあり、集団の場合は難しいスプリントが強いられる。

スピードを緩めたメイン集団がベネヴェントを駆け抜けるスピードを緩めたメイン集団がベネヴェントを駆け抜ける photo:Kei Tsuji気温14度の肌寒い中走りだす選手たち。スタートからアタックを掛けて抜けだしたのはマルティン・ケイゼル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ブリアン・ブルギャク(オランダ、ロット・ベリソル)、ピエール・カゾー(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)の3人。
集団はこれを容認し、タイム差が広がる。しかし166kmと短い今日のステージでは、差は5分を越えることはなかった。最初の1時間の平均スピードは47.8kmの速さ。

淡々と進む逃げる3人。ゴールまで32kmを残した時点で協調が崩れ、ケイゼルがアタックする形となり独走になる。
ゴール24km手前にある中間スプリントポイントに向けてペースが上がり、カヴェンディッシュが集団の先頭で通過し、ポイントを獲得。マリアロッサ・パッシオーネを着るゴスは興味を示さず。

残り20kmを切るとマリアローザ擁するガーミン・バラクーダ勢が前に集結し引き出す。ラスト10kmからはアップダウンが始まり、丘の上の街フロジノーネへと変化に富んだコースへと様変わりする。今日のレースのスパイスはラスト10kmに凝縮されているのだ。

メイン集団を牽引するオリカ・グリーンエッジやFDJビッグマット、チームスカイメイン集団を牽引するオリカ・グリーンエッジやFDJビッグマット、チームスカイ photo:Kei Tsujiまとまった集団からデニス・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)が飛び出すと集団は一気に活性化する。登り坂でのアタックを狙ってスピードを上げる選手が続くが、アシストを連れてスピードを上げ、急坂で独走に持ち込んだのは総合2位につけるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)! ロドリゲスは加速を続け、ステージ優勝狙って逃げに出る。しかし上りでも集団のペースは上がり、ラスト5kmで捕まった。

鋭角コーナーを抜け、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)らを先頭にスプリント鋭角コーナーを抜け、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)らを先頭にスプリント photo:Kei Tsujiカヴェンディッシュの勝利を狙うチームスカイ、ゴスの勝利を狙うグリーンエッジが前を争って列車を形成。ゴールスプリントに持ち込まれる公算が高くなる。そして問題のラスト300mの鋭角コーナーが現れた。路面はマンホールの蓋などがあり荒れた状態。大きく減速するゴスに、後方からフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)が突っ込み、絡んで連鎖的に落車が発生。マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)、そしてカヴェンディッシュらが次々に巻き込まれて転倒。幸い減速しながらだったためスピードは速くないが、路面に転がる選手が続出した。

ゴールに飛び込むフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)ゴールに飛び込むフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) (c)CorVosカオスをすり抜けた選手によるスプリント争いに入る先頭。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が先行し、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が迫る。しかし一気にジャンプアップしてステージ優勝を飾ったのはフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)だった。
2位にはファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、3位にはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が入った。

2011年ジロ第5ステージでペタッキを下しステージ優勝を挙げているベントソは2年連続の勝利。これでプロ31勝目となる。

総合上位争いは変わらず。ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)がマリアローザを守った。


急コーナーでゴスにポッツァートが追突急コーナーでゴスにポッツァートが追突 TV image路上に転がるゴストポッツァート。レンショーも行き場を失う路上に転がるゴストポッツァート。レンショーも行き場を失う 転んだサクソバンクの選手にカヴェンディッシュも突っ込む転んだサクソバンクの選手にカヴェンディッシュも突っ込む

ステージ優勝を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が表彰台に上がるステージ優勝を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が表彰台に上がる photo:Kei Tsuji危なげなくマリアローザを守ったライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)危なげなくマリアローザを守ったライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) photo:Kei Tsuji

ジロ・デ・イタリア2012第9ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)3h39'15"
2位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
4位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
5位 ダニエル・ショルン(オーストリア、チームネットアップ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+27"
4位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、チームネットアップ)
143位 別府史之(グリーンエッジ)

個人総合成績
1位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)36h02’40”
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+09’
3位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15’
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +35’
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)+35"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+40’
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)+45’
8位 ダリオ・カタルド(イタリア) +46’
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルグ、レディオシャック・ニッサン)+48’
10位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+52’

ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 

山岳賞 マリアアッズーラ 
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)

新人賞 マリアビアンカ
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)

チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール



text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
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