中級山岳で争われたジロ・デ・イタリア第7ステージはスタート直後から別府史之含む4人が逃げた。山頂ゴールを制したのはパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)だった。ティラロンゴにとって2011年ジロ第19ステージでの勝利に続く2勝目だ。

新マリアローザは5秒遅れでゴールしたライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)の手に。
逃げた別府史之(グリーンエッジ)は最後の上りにはいったところで集団に捕まり、15分30秒遅れの111位でゴールした。

逃げグループを率いる別府史之(オリカ・グリーンエッジ)逃げグループを率いる別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferla

逃げを見送ったメイン集団はスローダウン逃げを見送ったメイン集団はスローダウン photo:Riccardo Scanferlaレカナーティ〜ロッカ・ディ・カンビオの205kmで争われた第7ステージは、いよいよ最初の山頂フィニッシュ山岳ステージを迎えた。
丘の上の都市レカナーティを発ち、イタリア半島の背骨を形成するアペニン山脈へ。ゴールは今大会最初の頂上フィニッシュ、標高1392mの2級山岳ロッカ・ディ・カンビオへ。レース前半から登りと下りを繰り返すアップダウンが激しいコースは獲得標高差で3000mを越える。

逃げグループを率いる別府史之(オリカ・グリーンエッジ)逃げグループを率いる別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferlaスタート40kmで逃げに出たのは別府史之(グリーンエッジ)含む4人。マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)、レト・ホーレンシュタイン(スイス、チームネットアップ)、ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)らが、集団に8分の差を逃げる。
メイン集団は最大9分の差を許すものの、中盤以降は8分の差に落ち着いた。4人先頭交代を繰り返して順調に逃げ続ける。

メイン集団をコントロールするランプレ・ISDメイン集団をコントロールするランプレ・ISD photo:Kei Tsuji別府は101km地点の3級山岳ガッルッチョ峠でダッシュして先頭通過し、山岳ポイント5点を獲得。勢いを見せる。ゴールまで残りは100kmへ。

ゴール付近はファルネーゼヴィーニ・セッレイタリアのチーム本拠地であるキエティに近い。逃げに乗った同チームのラボッティーニは上りに強い選手だ。
集団はリーダージャージのアドリアーノ・マローリ擁するランプレがコントロールするが、今日のコースプロフィールが完璧にフィットするホアキン・ロドリゲスの勝利を狙いたいカチューシャと、総合上位につけるライダー・ヘジダルのマリアローザが狙えるガーミン・バラクーダもペースアップに協力する。レースが残り70kmを切った時点からペースが上がり、8分あった差が着実に縮まり出す。

マリアローザを着て走るアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)マリアローザを着て走るアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:Riccardo Scanferla最後の上りに入る前に通過する、2009年の地震でダメージを受けたラクイラの街のスプリントポイントでは通過直前に別府がアタック。先頭通過してポイントを獲得。そのままセルヴァッジ(ヴァカンソレイユ・DCM)とふたり抜け出すかたちに。一時ヴァーチャルマリアローザを保持したホーレンシュタイン(ネットアップ)が遅れるが、再び合流。4人の協調は崩れだす。

残り25kmでメイン集団とは2分差。勝負はゴールの待つ山頂へと向かい登り始める。頂上フィニッシュのロッカ・ディ・カンビオは標高1392m、登坂距離19.1km、平均勾配3.9%。最大勾配は10%。短い下りを経て登り返し、ゴールする。
2級山岳ロッカ・ディ・カンビオで動くステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)2級山岳ロッカ・ディ・カンビオで動くステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) photo:Riccardo Scanferla逃げグループからはラボッティーニ(ファルネーゼヴィーニ)がアタックして独走をはじめる。メイン集団はガーミンがペースを上げると、マリアローザのマローリが早くも脱落。先頭付近ではアタックが続き、ペースが上がり続ける。逃げていた別府らはやがて集団に捕まってしまう。

代わって先頭に出たのはステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)とホセ・エラーダロペス(スペイン、モビスター)のふたり。集団はアスタナが引くが、残り4kmで16秒の差に。

ゴールに向かって突進するミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)ゴールに向かって突進するミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:Kei Tsuji残り1.5㎞までいったん下り、再び登り始めるコースで2人の下りのスピードに追い詰められたオートバイとピラッツィが交錯。接触は免れたが、ピラッツィがスローダウンを強いられ、その隙にエラーダロペスがアタックし、独走。しかしその逃げもゴール1kmで捕まってしまう。

後方からのアタックはランプレの二人。アシストに率いられたミケーレ・スカルポーニ(イタリア)がステージ勝利を目指して突き進む。スカルポーニが解き放たれると、これに喰らいついたのはパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)だけ。スカルポーニの上りのハイペースに、ティラロンゴも時々離れる気配を見せるが、なんとか喰らいつく。そしてゴール手前15mで並び、ゴール前で追い抜いた。ティラロンゴは拳を振り上げてフィニッシュすると、追い込んだあまり路上に倒れこんだ。

スカルポーニを振り切ってゴールするパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)スカルポーニを振り切ってゴールするパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferlaティラロンゴのこの勝利は2011年ジロ第19ステージの3級山岳マクニャーガで、かつて仕えたアルベルト・コンタドールに譲られて挙げたプロ初勝利に続くジロ2勝目だ。ツール・ド・ロマンディでもステージ3位が2回と続き、好調を維持していた。
2位スカルポーニは同タイムフィニッシュでステージ勝利こそ逃したが、総合争いの力を証明してみせた。

マリアローザの行方は5秒差でフィニッシュしたライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)の手に。ジロの歴史上、カナダ人初のマリアローザだ。

150km以上の逃げを披露した別府史之(グリーンエッジ)は15分遅れの111位でゴール。ステージ優勝は果たせなかったが再び存在感を見せた。山岳賞争いでは5位に。

2年連続ステージ優勝を飾ったパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)2年連続ステージ優勝を飾ったパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsujiマリアローザに袖を通すライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)マリアローザに袖を通すライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) photo:Kei Tsuji



第7ステージ結果
1位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)5h51'03"
2位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
3位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)+03"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)+05"
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)+09"
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
8位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
111位 別府史之(グリーンエッジ)+15’30”


個人総合成績
1位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)26h16’53”
2位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15’
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +17’
4位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +21’
5位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)+26’
6位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +35’
8位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+40’
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)+45’
10位 ダリオ・カタルド(イタリア) +46’

ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 

山岳賞 マリアアッズーラ 
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)

新人賞 マリアビアンカ
ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

チーム総合成績
ガーミン・バラクーダ

text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
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