カテゴリー1級の頂上ゴールでフィナーレを迎えるジロ・デル・トレンティーノ第4ステージは、終盤に抜け出したダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス)が優勝。ステージ3位に入ったドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CFSイノックス)が総合優勝を果たした。

出走サインをするイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)出走サインをするイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Giro del Trentino4月20日に行われたジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.1)最終日は、ブレンゾーネを出発し1級山岳パッソ・ポルドイでゴールを迎える177.5kmのコース。スタートから上り基調のコースプロフィールが設定され、ラスト13kmから始まるパッソ・ポルドイは平均勾配5.7%。ゴールが設けられた標高2239m地点まで、標高差783mを駆け上がる。

雪のため、当初はコース変更が懸念された雪のため、当初はコース変更が懸念された photo:CorVos総合首位のポッツォヴィーヴォと、2位ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)のタイム差はわずか25秒。当初ポルドイ山頂付近の降雪のためコース変更が懸念されたものの、最終的に17チーム、111名の選手たちが予定通り、ポルドイに向けてスタートを切った。

メイン集団をコントールするイヴァン・バッソ(いたりあ、リクイガス・キャノンデール)メイン集団をコントールするイヴァン・バッソ(いたりあ、リクイガス・キャノンデール) photo:Giro del Trentinoこの日はスタートから激しいアタック合戦が展開され、レースは速いペースで進行。最終的にエスケープを成功させたのはブリアン・ヴァンドヴォルグ(デンマーク、スパイダーテック)とレート・ホレンシュタイン(スイス、チームネットアップ)の2名。メイン集団に対して3分程度の差を持って先を急ぐ。

精鋭集団による激しいバトルが繰り広げられた精鋭集団による激しいバトルが繰り広げられた photo:Giro del Trentino対するメイン集団はリーダージャージ擁するコルナゴ・CFSイノックスがフルメンバーを出してコントロール。ここにランプレ・ISD、アスタナなど総合上位選手を抱えるチームが加わっていく。

メイン集団をリードするホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)メイン集団をリードするホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ) photo:CorVosやがて残り13kmから始まるパッソ・ポルドイへ突入すると、メイン集団はリクイガス・キャノンデールがペースアップを開始。ここで今大会最終となる山岳決戦の火蓋が切って落とされた。このペースアップによって集団の人数は激減し、この動きの中で先頭を逃げ続けた2名は吸収された。

雪のゴールへと飛び込むダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス)雪のゴールへと飛び込むダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス) photo:Giro del Trentino普段はアシストを務めるシルヴェスタ・シュミット(ポーランド)のためのリクイガス・キャノンデールの動き。イヴァン・バッソ(イタリア)もコントロールに加わり、シュミットのアシストを担う。

人数が20名ほどまでに絞られたメイン集団内で最初に動きを見せたのは、今年のツール・ド・ランカウイで総合2位に入ったホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)。総合で4位につけるルハノがタイムを稼ぐべく踏み続けるが、勾配が緩くなったところ地点でエロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が牽く集団に吸収される。この時点で集団の人数は12名だ。

山頂に近づくにつれ、雪が吹きつける非常に厳しいコンディションにとなり、選手たちの吐く息が白く霞んでいく。標高2000mを超える地点では、コース以外全て雪景色に包まれる。

残り約1km、粘っていたロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)が脱落すると、6人となったメイン集団から飛び出したのはダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデスポルテ)。勢い良く後続との差を開くと、追い上げるカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アックア・エ・サポーネ)を3秒引き離してパッソ・ポルドイを上り切った。

リーダージャージのポッツォヴィーヴォは6秒遅れのステージ3位。クネゴが17秒差のステージ5位に入ったため、最終的に40秒のタイム差をつけて総合優勝に輝いた。

「今日はとても寒くて厳しいコンディションだったよ。だけど調子が非常に良く、総合優勝のチャンスを逃したくなかった。このトレンティーノには若いメンバー中心で臨んだけれど、チーム全体で良い動きができたと思うよ。ボクにとって、チームにとって素晴らしい勝利だ。」

と語るポッツォヴィーヴォ。目前に迫ったジロ・デ・イタリアでは山岳でのエースとして大きく動いてくるだろう。総合2位に入ったクネゴも、ジロや日曜日に行われるリエージュ~バストーニュ~リエージュに向けて仕上りの良さを見せる結果となった。

ステージ優勝を果たしたダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス)ステージ優勝を果たしたダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス) photo:CorVosジロ・デル・トレンティーノ2012個人総合表彰台ジロ・デル・トレンティーノ2012個人総合表彰台 photo:CorVos


ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・ISD)が大きく遅れをとる一方、クロイツィゲルは連日上位に食い込む走りし、序盤大きく遅れたバッソも日に日に調子を取り戻して最終日は山岳で光る走りを見せた。

第95回ジロ・デ・イタリアは、デンマークのヘアニングにて開幕する。


ジロ・デル・トレンティーノ2012第4ステージ結果
1位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス) 4h37′03″
2位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アックア・エ・サポーネ) +03″
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CSFイノックス) +06″
4位 シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス・キャノンデール) +17″
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
6位 ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ) +21″
7位 ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +30″ 
8位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ) +01′06″
9位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +1′20″
10位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー) +01′27″

ジロ・デル・トレンティーノ2012個人総合成績
1位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CSFイノックス) 12h57′47″
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +40″
3位 シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス・キャノンデール) +01′04″
4位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アックア・エ・サポーネ) +01′42″
5位 ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ) +02′07″
6位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +02′33″
7位 ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +02′34″ 
8位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス) +03′55″
9位 マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) +04′01秒
10位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +04′05″

ポイント賞
マルコ・フラッポルティ(イタリア、チームイデア)

山岳賞
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CSFイノックス)

新人賞
カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アックア・エ・サポーネ)

チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトーリ


text:So.Isobe
photo:CorVos,Giro del Trentino
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