これまでに多くの市民レーサーたちが春先の目標として挑んできたチャレンジサイクルロードロース。シクロワイアードでは各レースの優勝者にインタビュー。春一番の大会で好成績を収めたポイントを聞いた。

日本CSCのホームストレートからスタートしていく選手たち日本CSCのホームストレートからスタートしていく選手たち

チャレンジサイクルロードロースは4月8日に日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキット開催された。小学生からJCF競技登録者まで15のクラスに分かれてレースが行われた。オフシーズン明けのレースはいつも独特の難しさがある。優勝者たちにレース展開と勝利のポイント、普段の生活で心がけていることなどを聞いた。

「諦めないで追い続けたことで、自分の好きな展開に持ち込めました」 
A-Uクラス優勝 雨宮 正樹選手 (日本大学)


諦めずに追走を続ける雨宮正樹選手(日本大学)諦めずに追走を続ける雨宮正樹選手(日本大学)

A-Uクラス優勝 雨宮正樹選手(日本大学)A-Uクラス優勝 雨宮正樹選手(日本大学) 主にJCF競技者登録した大学生が参加したA-Uクラスは、TeamNippo-中京大の中根英登選手が集団をリードしながら進むも最終周回で捕まり逃げきりならず、ゴール勝負を日本大学3年生の雨宮正樹選手が制した。

雨宮さん「レース前は、ペースが遅かったら逃げ切る作戦でした。スタート直後にアップも兼ねてアタックしましたが捕まってしまい、逆に中根選手に逃げられてしまいました。レース中盤でちょっと追いつかないかな?とも思いましたが、あきらめないで追い続けました。
他の選手たちも、追い続けてくれました。最終周回で逃げを吸収し、ゴール前200mくらいでかかったアタックに乗りました。そして先頭の選手に追いついたところで、もう一発アタックを掛けました。
ゴールスプリントは自分の一番好きな展開です。今回のレースは逃げ切るつもりが、逆に逃げを追う展開になってしまいましたが、それでも諦めないで追い続けて、最後は自分の得意な展開に持ち込めたことが勝因だと思います。
次の目標はインカレ優勝。鹿屋体育大学の山本元喜選手に勝ちたいですね」。

「日頃の練習の成果で勝てました」 
B-1クラス優勝 小野康太郎くん (スミタ・ラバネロ)


ライバルたちを引き離す小野康太郎選手(スミタ・ラバネロ)ライバルたちを引き離す小野康太郎選手(スミタ・ラバネロ)

B-1クラス優勝 小野康太郎選手(スミタ・ラバネロ)B-1クラス優勝 小野康太郎選手(スミタ・ラバネロ) 中学生男子で競われたB-1クラスは、逃げ切りでスミタ・ラバネロの小野康太郎くんが優勝。中学生でありながら実業団登録選手としてレース経験を積み、昨年秋のJBCF 美浜ステージではE3クラスで4位入賞を果たしている。

「今日のレースは優勝を狙っていました。序盤からペースを上げたら集団から抜け出せたので、そのままゴールを目指して走りました。今回は山の練習を重視しましたが、それよりも普段の練習の成果が出せたと思います。
今はスミタ・ラバネロの実業団チームの練習に加わり、大人の選手に揉まれながら走っています。今シーズンの目標は全日本(U-17)、そして将来はヨーロッパでプロ選手として活躍するのが目標です」。


「上りのインターバルトレーニングに力を入れてきました」 
B-5クラス優勝 斉藤英代さん (コミヤマレーシング)


左腕を高々と挙げてゴールする斉藤英代選手(コミヤマレーシング)左腕を高々と挙げてゴールする斉藤英代選手(コミヤマレーシング)

斉藤さんのマシンはタイム。6年ほど乗っているが、特に不満はないとのこと。ホイールのBORAもお気に入り。下りの伸びが違うし、上りも軽い!斉藤さんのマシンはタイム。6年ほど乗っているが、特に不満はないとのこと。ホイールのBORAもお気に入り。下りの伸びが違うし、上りも軽い! 40歳代で争われたB-5クラスはコミヤマレーシングの斉藤英代さんが優勝。チャレンジロードでは表彰台の常連の斉藤さんだが、優勝はなんと10年ぶりとのこと。

「チャレンジロードでは毎年入賞はしていたのですが、優勝は2位や3位とは違いますね。嬉しいです。今回私はクラスでは最年少の40歳なのですが、実力のある方たちが多いので、例年以上に練習を積みました。特に今年はホームストレートのゴールから、秀峰亭での上りゴールに変わりました。ゴール勝負をイメージして、上り坂でのインターバルトレーニングに力を入れてきました。
ロードレース歴はずいぶんと長くなりましたが、いろんな年代やいろんな人との出会いがあり、それが様々な面で励みにもなります。これからも生涯スポーツとして、できる限り長く続けていきたいですね」。

「粘り強くマイペースで追走しました」 
B-7クラス優勝 市東章代さん (UGOレーシング)


QUARKのオーダーフレームに乗る市東選手。1年待って仕上がりました!QUARKのオーダーフレームに乗る市東選手。1年待って仕上がりました!

B-7クラス優勝市東章代さん(UGOレーシング)今日は粘り勝ちでした。最後まで諦めてはダメですね。B-7クラス優勝市東章代さん(UGOレーシング)今日は粘り勝ちでした。最後まで諦めてはダメですね。 JCF競技者未登録の女子選手が参加したB-7クラスの優勝はUGOレーシングの市東章代さん。序盤からレースの先頭を独走したTEAM光の小笠原選手を粘り強く追い続け、逆転勝利となった。

「みなさん速いのに、私が優勝できて嬉しいです。今日のレースはスタート直後から、TEAM光の小笠原選手に大きく遅れてしまいましたが、実はいつも通りのことなんです。(笑)私はスタートが苦手。ビンディングペダルが上手く入らなかったり、多くの選手の間をすり抜けて前に出ていくのが苦手なんです。
小笠原選手はスタート直後から、私の視界から消えてしまいましたが、粘り強くマイペースで追い続けるしかありませんでした。最後まで諦めなかったのが勝因だと思います。この大会はチームの仲間も春の目標にしているレース。私の仕事の時間は不規則なので一人の練習が多いのですが、できる限りの時間を見つけて練習してきました。
自転車歴は3年くらい。マウンテンバイクで自転車通勤を始めた頃に、奥多摩湖あたりをサイクリングしていたらロードレーサーに抜かれて、私もロードレーサーに興味を持ちました。小柄な体型なので市販車が合わず、QUARK・細山製作所のビルダー細山正一さんに、私の身体と走り方に合わせて作って頂きました。市販のカーボンフレームとか分からないのですが、私にとってはこのマシンがベストです。今年はヒルクライムレースでの優勝を目指して頑張ります」。

「今日の勝因はチームメイトがいる安心感でした」 
A-Eクラス優勝 菅野正明選手 (VAX RACING)


今大会の最上位クラスとなるA-Eクラス(エリート登録選手)を制したのは、VAX RACINGの菅野正明選手。レース序盤に形成された逃げ集団の中から最終周にアタック。そのまま逃げ切って勝利を収めた。

小さなガッツポーズでゴール A-Eクラス優勝・菅野正明選手(VAX RACING)小さなガッツポーズでゴール A-Eクラス優勝・菅野正明選手(VAX RACING)

A-Eクラス優勝の菅野正明選手(VAX RACING)次の目標はJプロツアーでの優勝A-Eクラス優勝の菅野正明選手(VAX RACING)次の目標はJプロツアーでの優勝 「チャレンジロードは4年前にBクラス(JCF競技者未登録クラス)での優勝経験がありますが、今回はエリートクラスでの優勝なので、嬉しいですね。今日は長沼隆行さんがエース、私はアシストとして走りました。ですから勝てるとは全く思っていなかったです。

チームの作戦もあったのですが、スタート直後からペースが速くて、思うようには進みませんでした。中盤は6名の逃げ集団になりましたが、長沼さんが一緒だったので、安心して走れました。最終周でのアタックも、捨て身で思いっきり行けました。もし私が集団に捕まっても、長沼さんが勝てると思っていましたので。まさかそのまま自分がトップでゴールできるとは思っていませんでしたが、思い切ってアタックできたのが良かったと思います。
とにかく今日の勝因は、チームメイトがいるという安心感。これが大きかったですね。今シーズンはプロツアーでの優勝を目指して頑張ります」。


入賞された選手の皆さん、おめでとうございます。また次の目標に向けて頑張って下さい。

text&photo:Haruo.FUKUSHIMA