2012年3月19日に開幕するボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)を前に、日本から出場する別府史之(グリーンエッジ)と土井雪広(プロジェクト1t4i)の2人にインタビューを行なった。

別府史之(グリーンエッジ)

別府史之(グリーンエッジ)別府史之(グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji2012年シーズンにおけるカタルーニャの位置づけは?
このカタルーニャは今シーズン最初の大きなレースであり、ジロ・デ・イタリアに向けてコンディションを上げていくためのレース。予定としては、シルキュイ・ド・ラ・サルト(もしくはパイスバスコ)、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ツール・ド・ロマンディ、そしてジロ・デ・イタリアが続きます。でも(全日本選手権が4月に移行したことで)全日本チャンピオンジャージを着て走れるレースが残り少ないので、このカタルーニャを含め、残りのレースでもいい成績を残したい。

このカタルーニャの前はトレーニングキャンプ?
シンガポールのクリテリウムが終わってからスペインで合宿を行なったので、レース出場は久しぶり。スペインのシエラネバダの標高2300m地点を拠点にして、毎日30〜40kmを登り、2週間ほど高地トレーニングを行ないました。

高地トレーニングの効果は感じますか?
シエラネバダでしっかりとトレーニングは積んで、その後フランスに帰ってからも毎日休まず乗ったけど、少し疲れている感じがあった。ちょうど高地トレーニングの1週間後のこの時期にいい結果が出ると言われているけど、自分の中ではまだ少しだけ疲れが残っている感じ。身体は軽いけど、第1ステージで様子を見てみないと分からない。

グリーンエッジの戦略は?
もともと総合狙いのピーター(ウェーニング)がメンバーに入っていたけど、膝の調子が良くないので欠場。登りのレースだからスプリンターはいないし、特にリーダーもいない。登りでどれだけ走れるかが問われるレースです。第3ステージが終わってからは逃げるチャンスも出てくると思うので、走るからには何かを残して帰りたい。

首に付けているビーズは?
「シャイン・オン!ビーズ・オブ・カレッジ」という、小児がんの子ども達をサポートするプログラムの一環として、毎日ビーズを付けて走ります。ビーズを2つ付けて走り、そのうちの1つを後日小児がんの子ども達に届けるというもの。使命感をもって走ります。


土井雪広(プロジェクト1t4i)

土井雪広(プロジェクト1t4i)土井雪広(プロジェクト1t4i) photo:Kei Tsujiここまでのシーズン序盤を振り返ってコンディションは?
今シーズンは序盤からスペインで合宿を行ない、良い気候の中でトレーニングを積んできました。(自宅のある)オランダよりもスペインで過ごす時間のほうが長く、出場するレースもアンダルシアやムルシアなど、スペインレース続き。冬の間から厳しいトレーニングメニューをこなしたので、この時期にここまでコンディションが良いのは初めて。パワーもメンバーの中で一番良いデータが出ています。トレーナーや監督からも、結果を出すようプレッシャーがかかっています。

プロジェクト1t4iの戦略は?
今回はコースが厳し過ぎるからマルセル(キッテル)が出場をキャンセル。スプリンターのロジェ(クルーゲ)がいるけど、スプリント勝負だけに集中するのではなく、比較的自由に動けると思います。総合成績は、厳しい第3ステージの走り次第。そのステージが終わってから考えたい。

2012年シーズンにおけるカタルーニャの位置づけは?
チームにとってこのカタルーニャはアルデンヌ・クラシックに向けての調整レースという位置づけ。自分としては、アルデンヌと全日本選手権に向けての1200kmの乗り込みになるけど、同時に結果を出したい。2週間前のムルシアが最後のレースだったので脚はフレッシュ。とにかく早くレースがしたい。

今回のステージリストを見た感想は?
あくまでもコースブックの表記が正しければ、急勾配の登りが少なく、4〜5%の登りが多いのでチャンス。(ゴール前に1級や2級の山岳がある)第2ステージや第4ステージは自分向き。雨が降らなければいいけど。一発、結果を出したい。

text&photo:Kei Tsuji in Calella, Spain

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