ゴールに横一線で現れたのは鈴木譲(シマノレーシング)、鈴木真理(cannondale spacezeropoint)、辻善光(Team UKYO)の3人。優勝候補のスプリンター2人に勝ったのは鈴木譲。女子はReady Go JAPANが表彰台を独占した。

鈴木譲(シマノレーシング)が優勝鈴木譲(シマノレーシング)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

3月11日(日)、実業団Jプロツアー第1戦JBCFしもふさクリテリウムが、千葉県成田市のフレンドリーパーク下総で行われた。
国内開幕戦とあって、参加各チームが高いモチベーションでこのレースに臨んだ、特に今シーズンからコンチネンタルチームとして活動開始したcannondale spacezeropointとTeam UKYOは、それぞれ鈴木真理と辻善光という優勝候補のスプリンターを擁し、発足時から大きな目標にしていたレースだ。
首都圏に近いこともあり多くの観客、報道陣が注目する大会は、朝の予選から高揚した雰囲気に。

そして当日3月11日は東日本大震災から1年。参加者の中にも被災者や練習環境の整わない人たち、あるいは喪章をつけて臨む選手も。
レースのスタート前に黙祷が捧げられた。
F 米田和美(Ready Go JAPAN)と赤塚友梨恵(Ready Go JAPAN)が逃げるF 米田和美(Ready Go JAPAN)と赤塚友梨恵(Ready Go JAPAN)が逃げる photo:Hideaki.TAKAGIF 表彰台独占のReady Go JAPANF 表彰台独占のReady Go JAPAN photo:Hideaki.TAKAGI
コースは1周1.5kmで全体が曲線で構成されて、直線区間がほとんど無い。ゴールへ向けてが緩い上り、直角コーナーがなくハイスピードのまま流れるもの。逃げが決まりにくく集団ゴールとなりやすいが、いったん逃げが決まれば致命傷になる怖さがある。
各クラスとも予選が行われ、約50名がそれぞれの決勝に進める。

表彰台独占のReady Go JAPAN

35分+2周で行われた女子は、地元成田市に拠点を置くReady Go JAPANが表彰台を独占する結果に。
一発決勝の女子は23人で出走。序盤から数人がペースを上げるが逃げるまでには至らない。28分経過時に赤塚友梨恵(Ready Go JAPAN)が長く伸びた列の先頭から抜け出し独走。その後にメイン集団から米田和美(Ready Go JAPAN)が単独で抜け出して赤塚に合流、2人で逃げる。同チームの2名の逃げは強力で、メイン集団は協調した追走の態勢にならない。高橋奈美(Vitesse-Serotta-Feminin)らが追い上げるものの届かず、米田先頭でゴール。メイン集団の先頭も坂口聖香(Ready Go JAPAN)で、同チームが1位から3位まで独占。

優勝の米田は北海道在住で、ロードレーサーで走るのは当日が昨秋以来という。「赤塚さんが逃げていたので、合流すれば逃げ切れると思ってメイン集団から抜け出した。チームとしてこれからもリーダーを守れたらいいですね」と語る。米田が単独での抜け出しに成功したのが勝利の大きなポイントだろう。

決勝には49人が出走決勝には49人が出走 photo:Hideaki.TAKAGI3周目へ、初山翔(宇都宮ブリッツェン)がアタック3周目へ、初山翔(宇都宮ブリッツェン)がアタック photo:Hideaki.TAKAGI積極的にリードする鈴木譲(シマノレーシング)積極的にリードする鈴木譲(シマノレーシング) photo:Makoto.AYANO逃げグループの飯島誠(GRUPPO ACQUA TAMA)と鈴木真理(cannondale spacezeropoint)逃げグループの飯島誠(GRUPPO ACQUA TAMA)と鈴木真理(cannondale spacezeropoint) photo:Hideaki.TAKAGIゴール前、鈴木譲(シマノレーシング)が伸びるゴール前、鈴木譲(シマノレーシング)が伸びる photo:Makoto.AYANO
スプリンター対決のP1クラス

新規コンチネンタルチームに加えて、今年からJPTに参戦のVAX RACING、さらにGRUPPO ACQUA TAMAから飯島誠が出場。有力選手は鈴木真理、辻善光が筆頭だ。宇都宮ブリッツェンは7人が決勝出場だがスプリンター不在のため、増田成幸の逃げや中村誠のゴール勝負に賭ける。国内チームの雄、シマノレーシングは元々5人登録だが畑中勇介がツール・ド・台湾へ日本代表チームで参加、結局決勝は鈴木譲、平塚吉光そして新人の入部正太朗の3人での出場で不利な状況。
cannondale spacezeropointは4人、Team UKYOは7人での決勝出場だ。

レースは50分+2周で最終的には26周39kmに。序盤からアタックの応酬に。1人がアタックして数人が追走する展開で、逃げは長くても2周までで決定的なものにはならない。積極的なのはシマノ平塚・入部、ブリッツェン初山翔、VAX長沼隆行ら。Team UKYOは狩野智也を中心としてアタックに対応する。

終盤に有力9人の逃げができるが

32分経過時、入部のアタックをきっかけに9人の逃げが形成され差を広げていく。メンバーは入部、飯島、鈴木真理、長沼、中村、廣瀬佳正、斉藤祥太、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)。だが協調体制がとれず、いっぽうでメイン集団はTeam UKYO勢を中心に追い上げ、10分後には吸収にかかる。カウンターで長沼がアタックするが1周で吸収。

残り4周で入部がアタック、これに若杉厚仁(宇都宮ブリッツェン)が対応、Team UKYO勢が追走し集団は一つに。残り3周で平塚がアタック、逃げ続ける平塚を追い増田がアタック、残り2周で追いつき増田と平塚の2人が逃げる。岡泰誠(cannondale spacezeropoint)も集団から抜け出す。しかしTeam UKYO勢が追走して最終周回にすべて吸収して集団でのゴールスプリントへ。

集団でゴールへ、三つ巴の争い

辻がスプリントを開始、進路が詰まってタイミングが遅れるが前に出る。鈴木真理も詰まってタイミングが遅れるも追い上げる。いっぽう鈴木譲は入部の好リードでスピードに乗ったままスプリント。鈴木譲が伸びて優勝。2位には追い込んだ鈴木真理が入った。

優勝した鈴木譲は「ここのところ好調だった。自分はスプリンターではないが、チームメイトと連携がうまく出来た。このまま全日本選手権やUCIレースでいい結果を出したい」と語る。
2位の鈴木真理は「負けたことは悔しいが、チームとしてはいい結果だったと思う」と語り、新チームの開幕戦を評価する。
3位の辻は「チームメイトがすべて自分のために動いてくれたのに、最終カーブでミスをした。もっと強気に行けば」と悔しがる。だが片山右京監督は「みんなが頑張った結果。よかったと思う。自転車レースはやはりいいですね」と評価。またE1クラスで走った自身のレースは「落車の影響で遅れたが、cannondale spacezeropointの佐藤監督と協力して追走、復帰できた」とライバルチームの監督同士だが自分達のレースでは協調したという話も。

シマノレーシングは3人での参戦という数的不利を跳ね除けての勝利。特に入って間もない入部の活躍が大きい。強烈で長く続くアタックを繰り出し、ゴール前のさばきも長けている。平坦のスピードレースではトップレベルにある。
宇都宮ブリッツェンはもっとも動いたチームだったが、決定打を出せずに入賞を逃した。だが若い初山の動きが良く、増田も昨秋の大怪我からの復帰が順調なことを確認できたことは成果だろう。

鈴木譲(シマノレーシング)が優勝鈴木譲(シマノレーシング)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIP1 表彰P1 表彰 photo:Hideaki.TAKAGI


結果
E1 西川昌宏(EsperanceStage我逢人)が優勝E1 西川昌宏(EsperanceStage我逢人)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIE2 須佐浩二(TEAM MILANO)が優勝E2 須佐浩二(TEAM MILANO)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIE3 市川貴大(EQADS)が優勝E3 市川貴大(EQADS)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI
P1クラス 50分+2周 39km
1位 鈴木譲(シマノレーシング) 53分40秒
2位 鈴木真理(cannondale spacezeropoint)
3位 辻善光(TeamUKYO)
4位 小室雅成(cannondale spacezeropoint)
5位 入部正太朗(シマノレーシング)
6位 大久保陣(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
7位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)
8位 飯島誠(GRUPPO ACQUA TAMA)
9位 太田貴明(TeamUKYO)
10位 鈴木近成(ボンシャンス飯田JPT)

Fクラス 35分+2周 24km
1位 米田和美(Ready Go JAPAN) 40分53秒
2位 赤塚友梨恵(Ready Go JAPAN)
3位 坂口聖香(Ready Go JAPAN) +11秒
4位 高山真由子(竹芝サイクルレーシング)+12秒
5位 智野真央(MUUR zero Velofutur)
6位 高橋瑞恵(イナーメ・アイランド信濃山形)

E1クラス 40分+2周 30.0km
1位 西川昌宏(EsperanceStage我逢人)43分50秒

2位 丸山英将(SQUADRA CORSE cicli HIDE)
3位 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)
4位 御器谷信之(Racing CUBE)+1秒
5位 合田正之(サイクルクラブ3UP)+3秒
6位 金子大介(なるしまフレンド)+9秒

E2クラス 40分+2周 30.0km
1位 須佐浩二(TEAM MILANO)45分00秒
2位 中鶴友樹(竹芝サイクルレーシング)
3位 小野康太郎(スミタ・ラバネロ)
4位 阿部耕一(OYAMA STARPLEX)+01秒
5位 竜田健太郎(なるしまフレンド)
6位 上村立一(チバポンズかわぐち農園)

E3クラス 40分+2周 30.0km
1位 市川貴大(EQADS)43分25秒
2位 味戸義輝(SPACE ZEROPOINT)
3位 稲垣智仁(法政大学)
4位 尾崎岳(SPACE ZEROPOINT)+01秒
5位 後藤哲朗(エルドラード・エスペランサ)
6位 林航平(HAMMER!BROS)

text:Hideaki.TAKAGI
photo:Makoto.AYANO Hideaki.TAKAGI

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