2012年2月26日、ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)第3ステージで西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)と福島晋一(トレンガヌプロアジア)が逃げた。2人は最後まで粘りを見せたが、ゴール前で吸収。集団スプリントでアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)が連勝をマークした。

逃げグループを率いる西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)逃げグループを率いる西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) photo:Shane Gossランカウイ第3ステージは、マレー半島南部のムラカからパリスロンまでの187.6km。ゴールの11km手前に4級山岳ブキットベラが設定されているものの、コース全体の高低差は大きくない。

2年前に同じパリスロンにゴールした際に優勝したのは、当時全日本チャンピオンジャージを着ていた西谷泰治。レース序盤のアタック合戦の末、22km地点で西谷が逃げに乗った。

福島晋一(トレンガヌプロアジア)や西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)を含む逃げグループ福島晋一(トレンガヌプロアジア)や西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)を含む逃げグループ photo:Sonoko Tanaka西谷とともに逃げたのは、2006年大会で逃げ切り勝利を飾った福島晋一(トレンガヌプロアジア)と、アレックス・クーツ(イギリス、RTSレーシングチーム)、アフマドルトフィ・モハメドフザン(マレーシア、マレーシアチーム)。

遅れて集団を飛び出したミンシン・シュエ(中国、マックスサクセススポーツ)とウィジャヤ・エンドラ(インドネシア、インドネシアチーム)らが追走するも、先頭の逃げグループには届かず。ガーミン・バラクーダがコントロールするメイン集団と逃げグループのタイム差は最大5分台に。総合で3分07秒遅れの西谷がバーチャルリーダーとなる。

Vサインでゴールするアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)Vサインでゴールするアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ) photo:Sonoko Tanaka西谷と福島はスプリントポイントを1つずつ先頭通過。一方のメイン集団ではガーミンに加えてファルネーゼヴィーニやユナイテッドヘルスケアがコントロールを開始し、逃げグループとのタイム差を詰める。

やがてタイム差が1分を切ると、先頭は西谷と福島の2人に。ファルネーゼヴィーニの積極的なペースアップには敵わず、4級山岳ブキットベラを前に逃げは全て吸収。ゴール前で落車が頻発する中、チームメイトに発射されたポイント賞ジャージのグアルディーニが勝利した。

昨年ステージ5勝という圧倒的なスプリント力を見せたグアルディーニが早くも2勝目。日本勢は盛一大(愛三工業レーシングチーム)の19位が最高位だった。

総合優勝候補のトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)や、愛三工業の品川真寛、中島康晴は落車の影響で遅れてゴールしたが、ゴール手前3km以内の落車のためタイム差はついていない。

翌第4ステージはバトゥーパハトからムアルまでの169.4km。マレー半島南部の平野を駆け抜ける平坦コースだ。

レース展開はレース公式サイトより。

アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)を中央に、トップスリーが表彰台に上るアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)を中央に、トップスリーが表彰台に上る photo:Sonoko Tanakaザブリスキーら、各賞トップの選手たちが表彰台に上るザブリスキーら、各賞トップの選手たちが表彰台に上る photo:Sonoko Tanaka


ツール・ド・ランカウイ2012第3ステージ結果
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)    4h30'11"
2位 レイモンド・クレダー(オランダ、ガーミン・バラクーダ)
3位 アヌアル・マナン(マレーシア、チャンピオンシステム)
4位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
6位 ジェイコブ・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 ホセイン・ナテギ(イラン、タブリズペトロケミカル)
8位 ロマン・ヴァンユーデン(ニュージーランド、ニュージーランドチーム)
9位 ラミン・マレキミザン(イラン、タブリズペトロケミカル)
10位 ジェームス・ウィリアムソン(ニュージーランド、ニュージーランドチーム)
19位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム) 
58位 伊藤雅和(日本、愛三工業レーシングチーム) 
83位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム) 
94位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)               +27"
106位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)               +00"
115位 福島晋一(日本、トレンガヌプロアジア)                +1'36"
117位 中島康晴(日本、愛三工業レーシングチーム)               +00"

個人総合成績
1位 デーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)   8h30'04"
2位 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)      +1'00"
3位 ダレン・ラプソーン(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)     +1'10"
4位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)        +1'17"
5位 ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)        +1'26"
6位 ジョセフ・クーパー(ニュージーランド、ニュージーランドチーム)   +1'31"
7位 デミトリ・グルージェフ(カザフスタン、アスタナ)          +1'33"
8位 アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)      +1'39"
9位 ベヘナム・ハリリ(イラン、タブリズペトロケミカル)         +1'46"
10位 フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)    +1'50"
55位 伊藤雅和(日本、愛三工業レーシングチーム)            +3'21"
61位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)            +3'30"
65位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)             +3'43"
68位 中島康晴(日本、愛三工業レーシングチーム)            +3'51"
72位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)            +3'55"
80位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)            +4'01"
101位 福島晋一(日本、トレンガヌプロアジア)              +5'09"       

ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)

山岳賞
フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)

アジアンライダー賞
デミトリ・グルージェフ(カザフスタン、アスタナ)    

チーム総合成績
ガーミン・バラクーダ

アジアンチーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:Sonoko Tanaka