2月19日、スポーツランドSUGOでAJOCC国内最終戦にもなる、TOHOKU CX Project 第4戦が開催された。朝9時、レースは-5℃の気温のなかスタート。路面は凍結して前日の試走の時にできた轍が選手を苦しめ、気温が上がりはじめると、融けはじめた路面は粘土質の泥地獄と化した。

C1スタート。出走が心配された辻浦圭一選手も出場C1スタート。出走が心配された辻浦圭一選手も出場 photo:Satoshi.Oda

バイクを担ぐ選手が多い中、辻浦圭一選手はダウンヒルセクションをバイクに乗って走るバイクを担ぐ選手が多い中、辻浦圭一選手はダウンヒルセクションをバイクに乗って走る photo:Satoshi.OdaC1には目の不調のため出走できるかが心配された辻浦圭一(ブリヂストンアンカー)もスタートラインに立ち、地元仙台在住で今年マスターズ世界選手権で11位の猪又靖(クラブシルベスト)やC2も同時出走となった。

C1のレースの頃には完全に路面が融け粘土質の泥が選手たちを苦しめ、多くの選手がリヤのエンド折れなどのトラブルに見舞われレースは周回を重ねるごとにリタイヤする選手が相次いだが、チームとしてのピットワーク、バイクのセッティング、泥路面のライン取りなどシクロクロスの高度なスキルが要求されるレースとなった。


C1優勝とシリーズチャンピオンに輝いた猪又靖(クラブシルベスト)C1優勝とシリーズチャンピオンに輝いた猪又靖(クラブシルベスト) photo:Satoshi.Odaレースは序盤、竹野洋介(ARAI MURACA)、佐復真人(Wild Boars 加波一族)、辻浦圭一が安定した走りでリードをしていたが、4周回を終えた時点で辻浦圭一が目の不調でリタイヤ。中盤から後半にかけて毎周回のようにバイク交換をしていた猪又靖が追い上げ、遂に最終周回でトップを走る竹野洋介を交した猪又靖が泥地獄のレースを制した。

CL1には桂川、お台場、ミストラルに引き続いてマスターズ世界チャンピオンの荻島美香も出場。経験の差で泥のレースを制した。

前回の第3戦の時は大雪でのレースだったが、今回は凍結路面と泥のレース。国内では他にないほどの難易度の高いレースがこのSUGOで行われた。

CL1で出場のマスターズ世界チャンピオン、荻島美香CL1で出場のマスターズ世界チャンピオン、荻島美香 photo:Satoshi.Oda前日は荻島美香選手と辻浦圭一選手のシクロクロススクールも開催された前日は荻島美香選手と辻浦圭一選手のシクロクロススクールも開催された photo:Satoshi.Oda

キッズも泥が詰まったバイクを押して見事ゴールキッズも泥が詰まったバイクを押して見事ゴール photo:Satoshi.OdaC2優勝の岩崎恭二選手(佐多塾)はバイクを担いだままゴールC2優勝の岩崎恭二選手(佐多塾)はバイクを担いだままゴール photo:Satoshi.Oda

レース前日には世界チャンピオンの荻島美香選手と全日本9連覇の辻浦圭一選手のシクロクロススクールが行われ、試走をしながらコースの攻略法やシケイン越えなどのテクニックなど内容の濃いものとなった。
また毎回、豚汁や玉こんにゃくが参加者に振る舞われアットホームな雰囲気の大会になった。

表彰式ではレースとシリーズ表彰も行われ、初代のシリーズチャンピオンにはC1 猪又靖、CL1 綿貫通穂(臼杵レーシング)、マスターズ 富田道夫(シロクマカフェレーシング)、CL2 佐復亜都奈(Wild Boars 加波一族)が輝いた。


「東北から元気を!」 実行委員長・菅田純也さんより
今シーズンから始まった東北初のシクロクロスシリーズ TOHOKU CX Projectですが、毎回 関東からも多くの選手が出場し、回を重ねるごとに地元東北の選手も増えてきており、確実に東北にもシクロクロスが広がり始めています。
来シーズンも全4戦で予定しており、東北の気象条件や会場の地形を生かした難易度の高い面白いレースを目指して「東北から元気を!」発信していきたいと思います。皆さんぜひご参加下さい。

毎回恒例の集合写真 楽しいTOHOKU CX Projectへおいで下さい!毎回恒例の集合写真 楽しいTOHOKU CX Projectへおいで下さい! photo:Satoshi.Oda最後はみんな笑顔で集合写真最後はみんな笑顔で集合写真 photo:Satoshi.Oda

リザルト
豚汁を参加者に振る舞う辻浦圭一選手と、受け取るのは荻島美香選手豚汁を参加者に振る舞う辻浦圭一選手と、受け取るのは荻島美香選手 photo:Satoshi.OdaC1
1位 猪又 靖(クラブシルベスト)
2位 竹野 洋介(ARAI MURACA)
3位 佐復 真人(Wild Boars 加波一族)
4位 伊井 賢一(臼杵レーシング)
5位 佐藤 利英(エルドラード)
C2
1位 岩崎 恭二(佐多塾)
2位 石黒 大樹(ソリーデレ・ベロクラブ福島)
3位 吉田 紀匡(ARAI MURACA)
C3
1位 荒井 乃輔(TEAM轍屋)
2位 嶋田 進(Team奥州)
3位 小見 英之(クラブ39x27)
シリーズ表彰CM優勝の富田道夫選手、2位の江川嘉宏選手、3位の伴肇選手シリーズ表彰CM優勝の富田道夫選手、2位の江川嘉宏選手、3位の伴肇選手 photo:Satoshi.OdaCM
1位 富田 道夫(シロクマカフェレーシング)
2位 江川 嘉宏(ANIMON with ぺだる小僧)
3位 伴 肇(臼杵レーシング)
CL1
1位 荻島 美香(アライレーシング)
2位 綿貫 通穂(臼杵レーシング)
CL2
1位 佐復 亜都奈(Wild Boars 加波一族)
2位 渡邊 華史(W.V.OTA)
CY
1位 後藤 啓(仙台ロードマンクラブJr)
2位 齋藤 拓真(石巻レーシングMARB&アグー)
シリーズ表彰CL2優勝の佐復亜都奈選手と2位の渡邊華史選手シリーズ表彰CL2優勝の佐復亜都奈選手と2位の渡邊華史選手 photo:Satoshi.Oda


text:菅田 純也
photo:織田 達
by TOHOKU CX Project