CAS(スポーツ仲裁裁判所)がアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)の2年間の出場停止処分を決定したことを受けて、ライバル選手たちがコメントを発表している。チームサクソバンクとコンタドールは2月7日19時半から会見を開く予定だ。

2010年ツール 霧のトゥールマレー峠でバトルを繰り広げたアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、当時サクソバンク)2010年ツール 霧のトゥールマレー峠でバトルを繰り広げたアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、当時サクソバンク) photo:Cor Vos2010年ツール繰り上げ総合優勝 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)
「ハッピーな気分にはなれない。先ず最初に、アルベルト(コンタドール)の気持ちを思うと悲しくなる。彼の無実をずっと信じている。自転車競技にとって酷く悲しい一日だ。唯一の朗報は、不明瞭な566日間を経て、ようやく裁定が出たこと。4000ページにおよぶファイルに目を通したCASの裁判員たちが、全ての要素を考慮した上で、今回の裁定を出したのだと信じたい。今こうして2010年のツール・ド・フランスの総合優勝者だと讃えられたところで、何も嬉しくはない。コンタドールと闘いを繰り広げ、そして僕は敗れたんだ。僕の目標は、競技として他のライバルたちを打ち負かして、ツールで勝つこと。裁判所の判断で勝つものじゃない。今年ツールで勝つことができれば、それこそが僕にとってのツール初制覇だ」

2011年ツール覇者 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
「他のロードレースファンと同様に、この件を注意深くフォローしていた。裁定の手順についてはよく知らないが、とにかく裁定が出るまでの時間が長過ぎる。何が真実で、何が間違っていたのかが分からないまま、長い時間が過ぎていった」

2010年ツール繰り上げ2位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)
「2010年ツールの総合3位にすでに満足していた。今さら当時の成績を振り返るつもりはない。“これから”に目を向けたい。今は2012年ツールの準備に集中しているんだ」

2011年ジロ 互いの健闘を讃えるミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)とアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)2011年ジロ 互いの健闘を讃えるミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)とアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Kei Tsuji2011年ジロ繰り上げ総合優勝 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
「人間として、今回の裁定を残念に思う。プロ選手の視点から言うと、今回の決定が過去の成績を覆すことはない。そして自分のこれからの目標も変わらない」

エディ・メルクス氏
「自転車競技にとってアンフェアーな裁定だ。まるであたかも誰かが自転車競技の終焉を希望しているようだ。他の競技とは比較にならないほど、自転車競技ではドーピング検査が行なわれている。他の競技で行なわれていないことについて、専門家の意見を仰ぎたい。不合理で、残念な結末だ。被害を被るのは自転車競技界であり、どこにも勝者はいない」

チームサクソバンクのビャルヌ・リース監督
「チームにとってとてもタフな状況を経て、ようやくCASの裁定が下った。当然、裁定は我々が期待していたものとは違った。現在チームのマネージメントは裁定と資料に目を通し、判決を充分理解するよう努めている」

チームサクソバンクは、2月7日19時30分(日本時間2月8日3時30分)からスペイン・マドリードのホテルラスアルテスで記者会見を開く。そこにはリース監督とコンタドールが出席する予定だ。

コメントはレディオシャック・ニッサン、チームサクソバンク、ランプレ・ISDの公式サイト、ならびにレキップ紙より。

text:Kei Tsuji

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