ジロ3勝目を上げたカヴェンディッシュは、ヨーロッパで拠点にしている彼のトスカーナ、クアラタ村の住居から20km離れていない地での「第2の地元」での優勝だ。フィアンセのメリッサさんもゴールに駆けつけ、ゴールシーンに歓喜し、ボーイフレンドを祝福した。

片手を挙げてゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)片手を挙げてゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) photo:Kei Tsuji

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)



スーパー、スーパーハッピーだよ! 確かに今までで一番難しいスプリントステージだった。今や破れかぶれのチームがたくさんある。皆がひとつの「小さな箱」に足を突っ込もうとするんだ。両サイドを見張らなきゃならなかった。でも僕にはスーパーなチームメイトがいる。全力で力を捧げてくれる仲間がね。僕はただフィニッシュするだけだった。

彼らには「僕にとってはスペシャルなステージだから」と話していたんだ。そして彼らは僕をベストポジションに導いてくれた。マーク・レンショー(チームメイト)は世界最高のリードアウト(牽引)マンだね。いつか彼が自分で勝つべき日が来るよ。

彼が前を引いているとき、僕は今までのステージよりもまったく違う余裕で後ろに控えていられたよ。

ジロを続けるかどうかは今夜考えるよ。僕自身は続けたいよ。チームと話をする。できるだけ長くプロトンにとどまりたい。でも僕にはまた別の目標もある。僕はこのスポーツが好き。サイクリングを愛している。レースが僕の全てだよ。

--カヴェンディッシュの別の目標とは7月のツール・ド・フランスだ。その夜、チームからはカヴェンディッシュのジロ離脱がプレスリリースとして伝えられた。


デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) photo:CorVos

デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)



LPRとアスタナはこのジロに特別なモチベーションがあるし、特化したチームだと思う。でも僕のチーム(ラボバンク)は毎日進化しているし、僕にも自信がある。
昨年もいい調子で来たけど、絶好調というわけじゃなかった。もっと走れることを分かっていたし、そうしたかった。
これからのステージ、特別に頼りにしているのはチャリンギ、アルディラ、テンダム、コズンチュクだ。

幸運を味方につけることも大事。頭と脚も大事。でもグランツールでは運も大事なんだ。

翌日はディルーカ向きであることは皆が分かっている。ジャージを守りたいなら、ディルーカを逃がさないこと。彼に離されないようにしてみせる。ゴールまで重要なステージはそんなにない。だからマリアローザを守ること、ディルーカのそばにいて彼にタイム差を返されないようにするのが大事だ。

text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos