2011年も実業団で個人&チーム年間総合優勝を達成したチームは、平均年齢23.7歳という若手のチームに。大学を卒業する2名が加入し、さらに育成チームとしての位置づけを強くする。

2011年JPT団体総合優勝のシマノレーシング2011年JPT団体総合優勝のシマノレーシング photo:Hideaki.TAKAGI2011年JPT個人年間総合優勝の畑中勇介(シマノレーシング)2011年JPT個人年間総合優勝の畑中勇介(シマノレーシング) photo:Hideaki.TAKAGIここ数年のシマノレーシングの特徴は、徹底した若手育成ということだ。パワーメーターを使った厳しいトレーニングで選手を鍛え、実戦で結果を出して選手を次のステージへ送り込む。
そのひとつがヨーロッパ(オランダ)派遣。そしてそこではさらに上位チームなどへ選手しだいでは進むことも可能だ。

2011年は実業団Jプロツアーで4年連続個人総合優勝を果たした。畑中勇介が安定して力を発揮していることもあるが、鈴木譲と青柳憲輝らの力もそのレベルに達しており、チームの戦い方の幅が増えたことが一番の要因だ。

そして2012年には大学を卒業する2人が加入する。
入部正太朗は奈良・榛生昇陽高校から早稲田大学へ進学し、ポイントレースや団体追抜きで結果を出してきた選手だ。
野中竜馬はトラックレースの中距離からロードレースまでこなす。ロードではアタッカーの存在だが、プロローグなどのここ一番に強い面も。

ヨーロッパ派遣については阿部嵩之が継続、平塚吉光が戻ってきて青柳憲輝が行く。
なお、2011年メンバーの鈴木真理はキャノンデール・スペースゼロポイントへ、西薗良太はブリヂストンアンカーへ、そして村上純平は引退したため全体では1名の減だ。
UCIコンチネンタル登録としてのシマノレーシングは5名のため、国内UCIレースは5名で戦うことになる。なお実業団登録はオランダの2名を加えた7名だ。

2011インカレポイントレースを走る入部正太朗(早稲田大)、使用するフレームは父の工房「イリベ」製2011インカレポイントレースを走る入部正太朗(早稲田大)、使用するフレームは父の工房「イリベ」製 photo:Hideaki.TAKAGI2010インカレロード アタックを開始した野中竜馬(鹿屋体育大)2010インカレロード アタックを開始した野中竜馬(鹿屋体育大) photo:Hideaki.TAKAGIチーム概要

登録:コンチネンタルチーム(阿部、青柳はオランダアマチュアチーム所属のため対象外)・実業団7名

監督、野寺秀徳

選手
畑中勇介  はたなかゆうすけ 26歳
鈴木譲   すずきゆずる 26歳
平塚吉光  ひらつかよしみつ 23歳
入部正太朗 いりべしょうたろう 22歳
野中竜馬  のなかりょうま 22歳

阿部嵩之 あべたかゆき ヨーロッパ派遣 25歳
青柳憲輝 あおやなぎかずき ヨーロッパ派遣 22歳

野寺秀徳監督のコメント

2011年は若手選手の飛躍を目指し成功した年になりました。
新エースとして確固たる地位を築いた畑中勇介ばかりでなく、選手全員が何らかのレースで勝利する活躍をしてくれました。ヨーロッパで走る経験も彼らの意識を引き上げる要因になったと思います。

 ・畑中勇介 JPT総合優勝、鈴鹿国際ロード優勝など
 ・村上純平 西日本チャレンジロード
 ・鈴木譲  JPT西日本クラシック修善寺
 ・青柳憲輝 台湾カップ・みとよロード

 ・阿部嵩之 JPT輪島
 ・平塚吉光 新東名サイクルチャレンジ 

2012年シマノレーシングは引き続きチームとしての孤高の強さを求めるのではなく、世界を目指す若手を受け入れ育成していく方針で活動をしていきます。もちろん、そのステップを踏むために一つ一つのレースで本気で勝利を目指す事がレベルアップへの近道だと考えています。

新たに加入した2名はスピードを武器にした選手。入部正太朗はポイントレースの全日本チャンピオン、野中竜馬はスピードと積極的な走りが目を引くアタッカーです。

彼ら2名をチームに迎え、世界を目指す活動をしていきます。昨年同様ヨーロッパ遠征も考えております。

そのヨーロッパ遠征は3月~4月半ばと6月~8月頃を検討しています。
メンバーは畑中、鈴木、平塚、入部、野中の5名です。また、阿部と青柳はサテライトとして、パークホテルルーディングチームへの派遣となります。
この遠征の目的は、若手に世界へ(プロ)へのきっかけを掴んで欲しいことです。世界へのステップには年齢の高い畑中と譲は、そこで結果を出しプロへの可能性を少しでもつかんで欲しいとの思いがあります。
この遠征を継続し結果を出すことができれば、そしてそれに賛同し目指してくれる若者が出てくれば、世界を目指す道ができると信じています。

いっぽうで国内レースではUCIレース&全日本等のタイトルが掛かったレースはもちろん勝利を目指します。若手中心となり戦力ダウンのイメージはあるかもしれませんが、だからこそやり易いとも考えています。優勝候補の筆頭たちを、勢いあるシマノの若手で打ち負かすことに意義を感じます。
畑中を中心として、鈴木譲、平塚吉光も今すぐそのレベルに成長できる可能性を秘めています。

また、スクール等のイベントに可能な範囲で参加し、選手だからこそ教えられる、ものを伝えながら、文化の発展に貢献する活動も継続的に行っていきます。

text:shimano racing、 Hideaki.TAKAGI
photo:Hideaki.TAKAGI

最新ニュース(全ジャンル)