今年2月に自己輸血の疑いで病院へ担ぎ込まれ、腎臓機能低下により生死の境をさまよったリカルド・リッコ(イタリア)。血液ドーピングを行なったと告白したリッコに対し、CONI(イタリア五輪委員会)は12年間の出場停止を要求した。

2008年のツール・ド・フランスでステージ2勝の活躍を見せたリカルド・リッコ(イタリア)2008年のツール・ド・フランスでステージ2勝の活躍を見せたリカルド・リッコ(イタリア) photo:Cor Vosイタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙が伝えたところによると、リッコは2月の入院の原因が血液ドーピングであったと自白した。当初は保存状態の悪い血液を自己輸血したとされたが、実際は処方された鉄含有溶液の成分輸血だったとリッコの弁護団は主張している。

リッコは2008年のツール・ド・フランス期間中にCERA(第3世代EPO)の陽性が発覚し、出場停止処分を受けている。CONIへの捜査協力により、2年間の出場停止処分期間が20か月に短縮。2010年3月に処分が明けた。

2010年にチェラミカ・フラミニアで復帰したリカルド・リッコ(イタリア)2010年にチェラミカ・フラミニアで復帰したリカルド・リッコ(イタリア) photo:Cor Vos今シーズンはヴァカンソレイユ・DCMで再起をかけたが、その矢先の血液ドーピング発覚でチームを解雇。無罪を主張するリッコは、6月にクロアチアのコンチネンタルチーム、メリディアナ・カメンと契約して世間を驚かせた。しかし結果的には、FCI(イタリア自転車競技連盟)が健康上の問題を理由にリッコのレース復帰にストップをかけている。

そして今回、リッコの地元モデナの地方検察庁が提出した捜査レポートを分析したCONIは、WADA(世界アンチドーピング機構)の規約第2条2項「競技者が禁止物質若しくは禁止方法を使用すること又はその使用を企てること」に違反したリッコに対して、12年間の出場停止処分を要求した。2度目のドーピング違反であるため、通常よりも処分期間が長い。

現在リッコは28歳であり、仮に処分が決定すれば、処分が明けるときリッコは40歳。実質的にリッコのレース復帰の道が断たれることになる。

text:Kei Tsuji