激しいアタックが繰り返された最長208kmの第2ステージ。終盤にできた3人がゴールまで逃げ切り、スプリントを山下貴宏(マトリックスパワータグ)が制した。総合はシマノレーシングの鉄壁の守りで西薗良太がキープ。総合上位陣に大きな変化は無い。

初めてリーダージャージを着て守る側となる西薗良太(シマノレーシング)初めてリーダージャージを着て守る側となる西薗良太(シマノレーシング) photo:Hideaki.TAKAGI津別峠を先頭で上ってきた増田成幸(宇都宮ブリッツェン)津別峠を先頭で上ってきた増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.TAKAGI136km地点、5人が逃げ続ける136km地点、5人が逃げ続ける photo:Hideaki.TAKAGI136km地点、総合上位の入った追走集団136km地点、総合上位の入った追走集団 photo:Hideaki.TAKAGI戦略の難しいコース

9月17日、ツール・ド・北海道第2ステージが弟子屈町川湯から鹿追町までの208kmで行われた。本大会の最長ステージであり、序盤に標高差650mの厳しい津別峠を配し、あとは基本平坦基調という戦略的に難しいコース。リーダーチームのシマノレーシングが、この最長ステージをどうコントロールするか、そしてNIPPO勢などがどのような攻撃を見せるかが注目された。


温泉の香りの漂う川湯園地をスタート。スタートアタックと言っていいタイミングで各チームがアタックをかけ、5人の逃げができる。福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)、増田成幸・初山翔(宇都宮ブリッツェン)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、吉田隼人(鹿屋体育大学)だ。屈斜路湖畔の平坦コースをメイン集団に差をつけながら、厳しい津別峠の上りに入る。

津別峠は北海道の峠には珍しく、8%ほどの急勾配で道は狭く曲がりくねる。ここで集団はばらばらになる。先頭から抜け出した増田が、単独でKOMをトップ通過。そしてリーダーの西薗らを含むグループが通過。その後ろは断続的に選手が通過し、スタートした全選手がばらばらで上ってくる。

福島晋一ら5人が逃げる

下りを経て直線状になる区間で、ばらばらの選手がまとまりだす。先頭の増田を14名が追走するが、ここから4名がアタック、増田に合流して先頭は5名に。西薗らは後続の集団に合流し、ここで逃げ5名と、シマノがコントロールするメイン集団に。逃げの5名は、増田、福島、吉田、狩野智也・清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)だ。

逃げとメイン集団の差は最大3分差まで広がるが、シマノレーシングがコントロールしてそれ以上差を開かせない。130km地点から2つ目のKOMへと上る。メイン集団でここからNIPPOのアタックがかかりシマノが反応する。先頭5名はそのまま下るが、メイン集団からはルビアーノがややリード、さらに西薗らを含む15名ほどが追走。メイン集団は後方に。

追走からさらに佐野ら6名がアタックして先頭の5人を捕まえ、先頭は11名に。そしてメイン集団も追い上げて150km過ぎですべての逃げは吸収されて集団はひとつに。ホットスポットではリケーゼ・マッシミリアーノ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)に導かれたルビアーノ・チャヴェス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)が1位通過で3秒獲得、鈴木譲(シマノレーシング)の上位に来る。

ラスト15kmで山下らが抜け出す

ホットスポット通過後にアタックがかかり、総合上位の佐野が入った4名が逃げる。緩い上りから下りへ入り、この4人が吸収され、ラスト15kmで3人がアタックする。山下、狩野、山本元喜(鹿屋体育大学)だ。この3人は差を20秒ほどに保ったままゴールへ向かう。山本が多めに先頭を引く。メイン集団は、シマノから宇都宮ブリッツェン勢が先頭を引く。スプリンターの辻善光でゴールを狙うことを主張する。

先頭の3人の逃げ切りが濃厚になってからNIPPO勢も牽引するが届かない。ラスト500mで山本がアタック。山下と狩野がこれを追い、ラスト200mでこれを吸収、今度は山下が先頭に立ちゴールへ。最後は狩野が差し込むが、山下が勝利を確信してガッツポーズでゴール。西薗はメイン集団の中でゴールし、総合リーダーをキープ。

山下貴宏(マトリックスパワータグ)が3人のスプリントを制する山下貴宏(マトリックスパワータグ)が3人のスプリントを制する photo:Hideaki.TAKAGI

この日はマトリックス勢が要所で動いていた。向川、ガロッファロ、そして真鍋はラスト20kmまでの逃げをつくり、その後の山下のアタックを成功させた。山下はエリートクラスでの全国優勝は初めて。しかもUCIレースだ。「2年前は自転車そのものを続けるかどうか考えたときもあった。そのときにマトリックスに入れてもらったが、その後に勝ち星が無かった。ようやく勝つことができた。今までお世話になったたくさんの人に感謝したい」と嬉しさを語る。ゴール後に他チームの選手や監督、関係者らが山下を祝福する光景はそれを裏付けるものだ。

メイン集団はリケーゼ・マッシミリアーノ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)先頭でゴールメイン集団はリケーゼ・マッシミリアーノ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)先頭でゴール photo:Hideaki.TAKAGI第2ステージ表彰第2ステージ表彰 photo:Hideaki.TAKAGI個人総合山岳賞、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がリーダー個人総合山岳賞、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がリーダー photo:Hideaki.TAKAGI2位の狩野は、途中の清水都貴らとの逃げなどで脚を使っていたため伸びなかったが、途中のポイントも稼いでポイントリーダーになった。3位の山本は機関車のごとく逃げグループを引っ張り、得意のロングスパートに持ち込んだ。昨年はステージ優勝しているが、3位でも素晴らしい結果だ。さらにU23リーダーの黒枝は、集団ゴールの3着で、スプリントに非凡な力を見せた。

シマノは、津別峠でできた上位者集団から、あえてメイン集団へ戻った。「その時点でシマノは3名。NIPPOに対抗するにはやはり5名でなければ。そのために西薗らはメイン集団に戻り、集団コントロールした。最後は総合に関係の無い逃げ3人で、シマノにとってはいい展開になった」と野寺監督は語る。第1ステージ圧勝のシマノでさえ、やはりNIPPOの力は脅威の存在だ。

チームとして一番積極的に動いたのはもちろんNIPPO。だが結果が伴わず、この日も他チームの後塵を拝することに。だがリケーゼがルビアーノをサポートして3秒稼ぎ、ルビアーノは山岳で西薗らに差をつけ、そして集団ゴールは頭を取っている。その力がかみ合わず結果が出せていない。

コントロールの難しい第2ステージを守りきったシマノ。要所で強さを見せるNIPPO。第3ステージは10秒以上の差をつける最後のチャンス。どの場面でもNIPPOが攻撃を仕掛けるだろう。

結果
第2ステージ 208km
1位 山下貴宏(マトリックスパワータグ)5時間20分38秒
2位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)
3位 山本元喜(鹿屋体育大学)
4位 リケーゼ・マッシミリアーノ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+14秒
5位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
6位 黒枝士揮(鹿屋体育大学)
7位 ヴィンチェンツォ・ガロッファロ(マトリックスパワータグ)
8位 畑中勇介(シマノレーシング)
9位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)
10位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)

個人総合時間賞 
1位 西薗良太(シマノレーシング)9時間56分30秒
2位 畑中勇介(シマノレーシング)+04秒
3位 ジャン・キュング(大韓民国自転車競技連盟)+09秒
4位 ルビアーノ・チャヴェス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+19秒
5位 鈴木譲(シマノレーシング)+21秒
6位 カンパニャーロ・シモーネ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+22秒
7位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+49秒
8位 普久原奨(チームブリヂストン・アンカー)+1分08秒
9位 黒枝士揮(鹿屋体育大学)+1分24秒
10位 井上和郎(チームブリヂストン・アンカー)


個人総合ポイント賞
1位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)30点
2位 畑中勇介(シマノレーシング)28点
3位 西薗良太(シマノレーシング)25点

個人総合山岳賞
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)17点
2位 ルビアーノ・チャヴェス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)15点
3位 ジャン・キュング(大韓民国自転車競技連盟)11点


個人総合U23賞
1位 黒枝士揮(鹿屋体育大学)9時間57分54秒
2位 山本元喜(鹿屋体育大学)+1分12秒
3位 中尾佳祐(順天堂大学)+1分39秒

団体総合時間賞
1位 シマノレーシング 29時間50分11秒
2位 ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO +58秒
3位 チームブリヂストン・アンカー +4分25秒

photo&text:高木秀彰
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