2011年9月14日、ベルギーで第51回GPワロニー(UCI1.1)が開催され、ベルギーチャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が力の差を見せつけ優勝。世界選手権出場を10日後に控えた別府史之(レディオシャック)はアシストに徹した。

ナミュールの登りで飛び出したエドウィグ・カマーツ(ベルギー、ランドバウクレジット)ナミュールの登りで飛び出したエドウィグ・カマーツ(ベルギー、ランドバウクレジット) photo:Kei TsujiGP(グランプリ・ド・)ワロニーは、その名の通りベルギー内陸部のワロン地方を舞台にしたワンデーレース。1935年に第1回大会が開催された歴史あるレースであり、アップダウンのあるワロン特有の丘陵地帯を走る。

第51回大会はリエージュ近郊のショードフォンテーヌをスタートし、6つのGPM(カテゴリー山岳)を越えてナミュールにゴールする203km。最後はナミュールの城塞を駆け上がってゴールとなる。このゴールは2006年ジロ・デ・イタリアの第3ステージでも採用されている(当時はシューマッハーが優勝)。

ナミュールの登りで一人飛び出すフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)ナミュールの登りで一人飛び出すフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Kei Tsujiレースは序盤から11名の逃げグループが形成される。日本チャンピオンジャージを着る別府史之も集団牽引に加わり、逃げグループとの差を詰める。レース後半の登りでアタックが繰り返されたが、最終的に逃げを飲み込んだ80名ほどの集団による勝負に。

ナミュールの登りでエドウィグ・カマーツ(ベルギー、ランドバウクレジット)が勢い良く飛び出したが、ラスト1600mで飛び出したジルベールがすぐさま先頭を奪う。ジルベールは力強いダンシングで後続を引き離し、そのまま独走態勢を保ってゴールに飛び込んだ。

2度目の優勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)2度目の優勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Kei Tsuji「チームが上手く集団前方をキープしてくれたおかげで、良いポジションで最後の登りに挑めた。ラボバンクが積極的にペースを上げたけど、それが自分のアタックに好都合だった。後続が離れてから、ひたすら踏み続けたんだ」。ジルベールはレース後の会見でそう語っている。

ジルベールはフランセーズデジュー時代の2006年に初優勝を飾っており、これが2度目の優勝。今シーズン前半からアルデンヌ・クラシック3連勝など、勝ちまくっているジルベール。シーズン後半に入っても好調ぶりを持続させており、クラシカ・サンセバスティアン優勝、エネコ・ツアー総合2位、そして前週にカナダで開催されたGPケベックで優勝。移動の疲れや時差ボケの影響をはねのけての勝利だ。

期待されるのはもちろん9月25日にデンマーク・コペンハーゲンで開催されるロード世界選手権での走り。ブエルタで手首を骨折したトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がメンバーから離れた今、ジルベールがベルギーチームのエース。「世界最強のワンデーレーサー」の名を欲しいままにしているジルベールが初アルカンシェルを狙う。

アシストに徹したフミは2分12秒遅れの96位でゴール。チームメイトのミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)が6位に入っている。フミは世界選手権に日本代表メンバーとして出場予定。今週末18日にコペンハーゲン入りする。

選手コメントはベルギー・Sport.be、レース展開はストリーミング映像より。

GPワロニー2011結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 5h00'08"
2位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)        +02"
3位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
4位 バート・デワール(ベルギー、ランドバウクレジット)
5位 ダヴィ・コンメイネ(ベルギー、ランドバウクレジット)
6位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)
7位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
8位 ギヨーム・ルヴァルレ(フランス、ソール・ソジャサン)
9位 ステファン・デニフル(オーストリア、レオパード・トレック)
10位 マキシム・ファントム(ベルギー、カチューシャ)
96位 別府史之(日本、レディオシャック)             +2'12"

text:Kei Tsuji

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