ハイパフォーマンスなカーボンパーツを展開するアメリカンブランド、ENVE(エンヴィ)から、新しいエアロホイールがデビューした。「スマート・エンヴィ・システム」と呼ばれるそれは、ホイールとしての前後の役割を明確に設計された独自の形状を持っている。

スマート・エンヴィ・システム6.7スマート・エンヴィ・システム6.7

フロントとリアそれぞれのホイールに求められる性能を追求したカーボンホイールだフロントとリアそれぞれのホイールに求められる性能を追求したカーボンホイールだ ユタ州のOgden(オグデン)を本拠地とするENVE Composites(エンヴィ・コンポジット)は、マウンテンバイクやロードバイク用カーボンホイールとコンポーネントの設計・製造を得意とするパーツブランド。熱心なサイクリストとエンジニア達によって設立され、自転車業界で最も注目された製品の開発・設計を行っていた経歴を持つスタッフもいるという。

当初“EDGE(エッジ)”というブランド名でスタートした同社は、軽量パーツで頭角を現し、ワールドカップ・ダウンヒルレースでは数々の表彰台を飾り、またシクロクロスレースでも成功を収め、強くて、軽くて、耐久性のあるホイールとして名を馳せている。

今回デビューしたスマート・エンヴィ・システムは、フロントとリアそれぞれのホイールに求められる性能を追求した、新しいカーボンエアロホイールだ。フロントホイールとリアホイールは、フレームと組み合わされる中で全く異なった働きで相互に作用する。そこでエンヴィが導き出した答えは、フロントとリアで高さや幅、形状といったプロファイルを専用設計とすること。リムハイトの違いにより、「3.4」「6.7」「8.9」と、3種類の前後セットが用意される。

3.4では、フロントホイールがリム高35mm、リアホイールがリム高45mm。
6.7では、フロントホイールがリム高60mm、リアホイールがリム高70mm。
8.9では、フロントホイールがリム高85mm、リアホイールがリム高95mm。
それぞれリム幅もフロント26mm、リア24mmという前後専用設計となる。

フロントホイールは変化しやすい横風の中でもコントールを保つよう最適化され、リアホイールは空気抵抗を最大限軽減されるよう、よりディープなプロファイルが設定される。多様なデザインのフレームでテストされた結果、このスマート・エンヴィ・システムではフロント・リアホイールに独特の形状とディープ形状を合わせたものになっている。

6.7のフロント用エアロ60は、リム高60mm リム幅26mm。変化しやすい横風の中でもコントールを保つよう最適化される6.7のフロント用エアロ60は、リム高60mm リム幅26mm。変化しやすい横風の中でもコントールを保つよう最適化される 6.7のリア用エアロ70は、リム高70mm リム幅24mmというプロファイルで空気抵抗を最大限軽減するよう設計される6.7のリア用エアロ70は、リム高70mm リム幅24mmというプロファイルで空気抵抗を最大限軽減するよう設計される


スマート・エンヴィ・システムの開発者であるサイモン・スマート氏は、モータースポーツ業界で15年のエンジニアリング経験を持つ元F1空力エンジニア。ジャイアントTrinity、スコット・プラズマ3 TTフレームのデザイナーとしてのキャリアを持ち、彼の開発したフレームを使用したチームは、プロツアーのタイムトライアルで多くの勝利を納めている。
2010年のツールドフランスでは、個人タイムトライアルで少なくとも6つのバイクが10位以内に入り、世界で最も成功したフレームデザイナーとして認知され、優れたデザインはエアロバイクに大きな影響を与えているという。

風洞実験だけでテストされたホイールは、管理された場面においてはその性能を発揮するものの、実際のレースでは風向きの変化によって急にハンドルを取られるようなこともある。対して自然の条件を含めて設計されたエンヴィのエアロホイールは、風の向きと強さに比例してホイール側面の圧力が増加するのをライダーが体験できる設計。
結果として、ハンドル操作の予測がしやすくなり、横風などの自然の風向きの変化に対応し、ステアリングの安定性能を向上させているという。

雨の中でもより安定したブレーキングを可能にするよう加工されたブレーキ面もエンヴィの特徴のひとつ雨の中でもより安定したブレーキングを可能にするよう加工されたブレーキ面もエンヴィの特徴のひとつ このスマート・エンヴィ・システムは、開発に18か月もの年月が注がれた。開発にはまず、最初の基準となるテストと、既存の全てのエアロホイールについてCFD(数値流体力学)解析を行い、続いて軸方向抵抗の測定だけでなく、10の空気力学変数を測定できる特定のテスト装置を開発。

また、何百ものリムで繰り返し風洞実験を行える高速試作技術を新たに開拓し、これによってコンピューターに依存することなく、実際のパフォーマンスの変化を効果的に正確にテストできるようになったという。これらのテスト結果については、本国ホームページにチャートが記載されているので参照してほしい。

エンヴィの国内総代理店はトライスポーツ。

3.4のフロント用エアロ35は、リム高35mm リム幅26mm3.4のフロント用エアロ35は、リム高35mm リム幅26mm スマート・エンヴィ・システム3.4
・エアロ35(フロント/チューブラー)
ホール数:20H
リム高:35mm リム幅:26mm
重量:340g(リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)

・エアロ45(リア/チューブラー)
ホール数:24H
リム高:45mm リム幅:24mm
重量:380g (リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)


3.4のリア用エアロ45は、リム高45mm リム幅24mmというプロファイル3.4のリア用エアロ45は、リム高45mm リム幅24mmというプロファイル スマート・エンヴィ・システム6.7
・エアロ60(フロント/チューブラー)
ホール数:20H
リム高:60mm リム幅:26mm
重量:440g(リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)

・エアロ70(リア/チューブラー)
ホール数:24H
リム高:70mm リム幅:24mm
重量:480g (リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)


スマート・エンヴィ・システム8.9 ※年内発売予定
・エアロ85(フロント/チューブラー)
ホール数:20H
リム高:85mm リム幅:26mm
重量:550g(リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)

・エアロ95(リア/チューブラー)
ホール数:24H
リム高:95mm リム幅:24mm
重量:580g (リムのみ)
価格:105,000円(リムのみ)

Smart Enve System 20&24H 完組ホイール前後セット参考価格
(ハブによって価格が違います):
ハブ DT190(セラミック) :341,250円(税込み)
ハブ DT240    :286,650円 (税込み) 
ハブ Chris King R45 黒  :299,250円 (税込み)
ハブ TNI Wing(セラミック) :266,700円 (税込み)
ハブ TNI Evolution    :252,210円 (税込み)

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