厳しいコースと暑さでサバイバルレースになった南信州松川ロード。2周目からチームメイトらと逃げた畑中勇介(シマノレーシング)が、終盤に合流した中島康晴(愛三工業レーシングチーム)らを抑えて優勝。チームはじつに4連勝と波に乗る。

4周目、松川町の丘陵地帯を行く第2集団4周目、松川町の丘陵地帯を行く第2集団 photo:Hideaki.TAKAGIきつい上りとトリッキーな下りや直角コーナー、そしてなだらかな起伏の直線状区間の「厳しいコース」の南信州松川ロード。8月6、7日に長野県松川町で行われたレースは、どのクラスもサバイバルなものになった。

2周目、早くも集団が分裂する2周目、早くも集団が分裂する photo:Hideaki.TAKAGI4周目、西薗良太(シマノレーシング)がペースを上げる4周目、西薗良太(シマノレーシング)がペースを上げる photo:Hideaki.TAKAGI5周目の先頭集団5周目の先頭集団 photo:Hideaki.TAKAGI5周目のメイン集団 愛三勢が引く5周目のメイン集団 愛三勢が引く photo:Hideaki.TAKAGI13周目、先頭に後続3人が迫る13周目、先頭に後続3人が迫る photo:Hideaki.TAKAGI畑中勇介(シマノレーシング)が優勝畑中勇介(シマノレーシング)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIP1クラスは7日(日)午前11時スタート。真夏の強い日差しが照りつける中、92名が出走。ここ数戦のJプロツアーは、シマノレーシング対宇都宮ブリッツェンの構図で進んできたが、この松川には愛三工業レーシングチームがフルメンバーに近い形で参戦。登坂を得意とするヴィンチェンツォ・ガロッファロ(マトリックスパワータグ)とともにその走りが注目された。

2周目から5人の逃げ
コースは1周7.5kmを14周する105km。短いが厳しいコースと真夏の暑さで、選手にとっては十分な距離。天気予報は夕方から雨であり、レース中は強い日差しが照りつけることが予想された。
1周目の上りからペースが上がり、2周目に入って上り区間で一列棒状に。集団が数箇所で分断され、ここで5人が抜け出す。畑中勇介・鈴木譲・西薗良太(シマノレーシング)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、ヴィンチェンツォ・ガロッファロ(マトリックスパワータグ)で、いきなり最強メンバーの先頭集団ができる。
後続はばらばらになるが次第に2つの集団に集約されていく。

先頭5人では、特に西薗が、そして鈴木譲が先頭を強烈に引く。まだ序盤なのにどんどんペースを上げていく。いっぽうの愛三勢は後方集団に残されてしまう。
強力な5人の逃げに、他チームはなす術無しかと思われた。がしかし、このとき愛三の別府匠監督はこの状況を静観していた。「先頭の5人は明らかにオーバーペース。この暑さなので彼らは後半が難しくなる。愛三は確かに出遅れたが、ペースを守っていけば終盤に追いつける可能性は高い」と語る。その読みはやがて的中することになる。

4周目、それまで積極的にペースを上げていた西薗が、体調不良で急に脱落、先頭は4人になる。4人になった先頭はローテーションするが、鈴木譲が先頭を引く時間が長い。そして後続の第2集団=メイン集団はおよそ20人ほど。愛三勢が固まってペースを作る。ここにブリッツェンやクラブチーム勢も加わる。しばらくはこのまま続く。

3人が追走に
9周目、メイン集団から中島康晴(愛三工業レーシングチーム)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、鈴木真理(シマノレーシング)の3人が抜け出す。前方にチームメイトがいない中島が、この3人の追走を率いる。スプリント力のある鈴木真理と中村にとって、この動きは願ったりだ。中島はとにかく合流するしかない。

11周目、先頭から鈴木譲がペースを上げた状態のまま先行、間が離れたのでそのまま引き離し、先頭を単独で走る。一時は40秒ほど差が開くが、増田らを中心に追走し、およそ1周かけて吸収、先頭はふたたび4人になる。いっぽうの追走3人は次第に差を詰めてくる。

13周目、上り区間で先頭4人に追走3人がついに合流、7人の先頭集団になる。鈴木譲が下がって6人で最終周回へ。ここでは決定的なアタックはされず、いずれも吸収されてゴールへ。鈴木真理が先頭を引く時間が長く、シマノは畑中で勝負だ。小集団のスプリントを得意とする畑中が圧倒的な差でゴールに飛び込む。これで7月の群馬、石川、修善寺に続いてシマノレーシングで4連勝だ。

2周目から逃げ続けたメンバーの畑中がスプリントを制し、完璧な形で勝利を手中にしたシマノ。下がってはいったが、西薗と鈴木譲の強烈なペースアップで、チームの枠を越えて強者だけの集団にしたことが効いた。またスプリンターの鈴木真理が終盤に合流したことも大きい。最後は畑中に勝利を託した、鈴木真理の風格も感じられた。
ロードレースは1位以外は全員負けと言われるが、このレースに限っては上位それぞれに価値あるものだ。積極的な展開とそれにふさわしい結果と言えよう。

優勝した畑中勇介(シマノレーシング)のコメント
「最初から逃げて、良い展開だったと思う。今日は西薗、譲と自分の3人で強力に逃げた。先頭集団では力を出すことを優先し、少なくとも終盤にいたるまではチームプレーはしないようにしていた」
「最後追いつかれて7人になったときに、中村さんが調子良かったし、中島さんは脚を使ってはいたけれど、ボクは追いつかれた意識があったので怖かった。その集団の中でボクが一番それまでに脚を使っていたと思ったので。そこで真理さんがまとめてくれたので助かった。脚は使っていたけれども、小集団のスプリントは得意なのでいけると思った」

畑中は8月11日(木)から、イギリスで行われるロンドンサリーサイクルクラシック (UCIヨーロッパツアー1.2)へ出発する。プレ・オリンピック大会で、福島晋一(トレンガヌ プロアジア サイクリングチーム)、宮澤崇史(ファルネーゼビニ・ネーリソットーリ)、新城幸也(チームユーロップカー)、土井雪広(スキル・シマノ)とともに出場する。こちらにも期待だ。
女子 西加南子(LUMINARIA)が優勝女子 西加南子(LUMINARIA)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIE1 前園浩平(立命館大学自転車競技部)が優勝E1 前園浩平(立命館大学自転車競技部)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI
E2 小西遥久(立教大学自転車競技部)が優勝E2 小西遥久(立教大学自転車競技部)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIE3 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)が優勝E3 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

結果
P1 105km
1位 畑中勇介(シマノレーシング)3時間08分21秒
2位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
3位 ヴィンチェンツォ・ガロッファロ(マトリックスパワータグ) 
4位 中村誠(宇都宮ブリッツェン) 
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+02秒
6位 鈴木真理(シマノレーシング)+03秒
7位 鈴木譲(シマノレーシング)+4分52秒
8位 五十嵐丈士(Fuji-Cyclingtime.com Japon)+5分03秒
9位 青柳憲輝(シマノレーシング)+5分16秒
10位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)+7分30秒

F1/2 40km
1位 西加南子(LUMINARIA)1時間33分26秒
2位 豊岡英子(パナソニックレディース)+1分45秒
3位 橋本みどり(なるしまフレンド)+3分54秒

E1 60km
1位 前園浩平(立命館大学自転車競技部)2時間00分38秒
2位 岡泰誠(spacebikes.com)
3位 若杉圭祐(BREZZAカミハギRT)
4位 永山貴浩(チーム・アヴェル)
5位 高橋聡一(シマノドリンキング)+01秒
6位 細木郁生(foxhole.)+47秒

E2 52km
1位 小西遥久(立教大学自転車競技部)1時間43分24秒
2位 福永景行(OYAMA STARPLEX)
3位 米内蒼馬(明星大学自転車競技部)+42秒
4位 茂木一輝(ラヴニールあづみの)+1分19秒
5位 山崎嘉貴(VeloClub MinamiShinshu)+2分04秒
6位 坂井裕紀(BREZZAカミハギRT)+3分02秒

E3 48km
1位 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)1時間34分14秒
2位 金子大介(なるしまフレンド)+09秒
3位 星野秀太(Team FITTE)
4位 岡篤志(spacebikes.com)
5位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
6位 高田翔太(明星大学自転車競技部)


photo&text:高木秀彰
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