ツール・ド・フランス2011第15ステージは、スプリンターの活躍が期待された平坦ステージ。強風をものともしない盤石のHTCトレインに牽引して、カヴェンディッシュがゴール。本大会4勝目、通算19勝目をあげた。

ステージ優勝のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)

片手でガッツポーズを作るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)片手でガッツポーズを作るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) photo:Cor Vos正直にいって、今日は調子がよくなかったんだ。でも、他のみんなも同じだろうと思っていた。とてもナーバスな日だった。一日中、先頭争いの小競り合いが起きているのが見えた。ぼくの場合は、幸運なことにチームメイトが集団前方でトラブルから遠ざけてくれたし、位置取りのプレッシャーはなかったんだけど、それでも厳しかった。アップダウンが激しくて、一日中横風があった。だから難しいステージだった。でも、スプリントではチームメイトたちが主導権を持っていた。彼らが僕を残り200mまで完璧に運んでくれた。

笑顔でステージに上がるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)笑顔でステージに上がるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) photo:Cor Vosチームのアシストは多いに感謝している。彼らは僕のために、とても熱心に働いてくれて、僕が山岳ステージを乗り越えるのを助けてくれた。だから、ここに着くのも簡単なことじゃなかった。もう一度勝てたことに、大きく敬意を表したい。

終盤では、総合優勝争いをしているチームとも争っていた。しまいには、チームスカイの攻撃も少し受けた。でも、マシュー・ゴスが残り700mのところまでマーク・レンショーを連れてきて、そこからレンショーが僕をずっと牽いてくれた——登り坂の600mのうちの残り200mまでかな。そこから僕が飛び出した。もう少し後で出たかったんだ。向かい風があったからね。でも、行かなきゃならなかった。誰にも文句を言わせたくなかったんだ。厳しかったけど、勝つことができた。とても満足しているよ。

マイヨヴェールが保証されたかはわからない。2年前の結果を見てほしい。あのときは僕がマイヨヴェールを手にしたと思われた。でも、トル(フースホフト)が取り戻したんだ。だから、なにも保証できない。だから、できるだけ多くのポイントを貯めるように努力してみて、シャンゼリゼでどうなるかを期待するよ。

ジルベールがアタックしたとき、チームメイトが集団の主導権を持っていた。こんな風にアタックされたら、普通はパニックになりやすい状況なんだけど、彼らは落ち着いていた……彼らはジルベールをゆっくりと集団に戻し、僕が勝負できる状況を維持してくれた。僕はスプリントができたから勝てたんだ。今日のチームメイトのアシストを、本当に誇りに思うよ。

マイヨジョーヌをキープしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

マイヨジョーヌを着るトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)に選手が挨拶にやってくるマイヨジョーヌを着るトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)に選手が挨拶にやってくる photo:Cor Vos僕たちにとってはいい一日だった。スプリンターのチームが仕事をしたから、僕たちに有利な状況になったとは考えない。彼らは、しっかりと仕事をすることに興味を持つべきだし、それが当然だからね。僕らにとっては、いい一日だった。昨日のステージがとても過酷だったから、平坦コースは大歓迎だ。

昨日の夜、ホテルに戻ったときに、チームの全員が僕を祝ってくれた。でも僕はこう言ったんだ。「君たちのおかげだよ」と。

みんなが満足している。チームメイトはマイヨジョーヌのために走ることを本当に誇らしく感じているようだ。だから僕もそれに応えたい……挑戦する義務があるんだ。このジャージをキープすることは強制されていない。でも、僕は自分の全力を尽くして、このジャージを持ち続けなければならないんだ。

今回でツール・ド・フランスの出場は9回目になる。2003年以来、このレースに出場してきたけど勝てなかった。全力を尽くす——このマイヨジョーヌを手にしてから、ずっと言ってきた——。だけど、総合上位勢が背後に迫るのがわかったときや、この先に控える超級山岳のステージを目にしたとき、そのリードを保てるかはわからないんだ。

逃げ続けて敢闘賞を獲得したニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップ)

積極的に逃げグループを率いるニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップ)積極的に逃げグループを率いるニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップ) photo:Cor Vos逃げ集団のなかでは、協調体制がうまくとれていた。レース序盤は追い風だったから、少し楽だった。イグナチエフがアタックしたとき、誰も反応しないのに気がついた。だからアタックして彼についていったんだ。

その後、独走できるだけの力があることに気づいたんだ。でも、最後の最後まではもたなかった。とにかく敢闘賞を手にすることができて、満足している。いい結果だよ。僕やチームにとっても大きなご褒美だ。ツール期間中の僕たちの過酷な仕事が報われたね。僕たちはいつもアクティブに走っている。1週目にはいくつも落車があったけれど、その後にもガッツと気力を失わずに走り続けたことに対する賞が、この敢闘賞なんだ。

ステージ2位のタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)

スプリントを繰り広げるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)やタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)スプリントを繰り広げるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)やタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) photo:Cor Vos今日は本当に勝ちたかったけど、残念なことにうまくいかなかった。風が強くて、ストレスの多い一日だった。でも、チームはしっかり走って、最後に僕をいい位置に付けてくれた。みんな明日の休養日のことを楽しみにしていると思うよ。僕たちは来週を楽しみにしている。シャンゼリゼでもう1勝したいしね。

ステージ3位のアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

勝つチャンスを逸してしまった。何人かの選手にカヴェンディッシュの後に割り込まれてしまったんだ。戻りたかったからそうしたんだけど、今度は風を正面から受けてしまった。でも、脚の調子はよかったので、割り込んできた選手たちを追い抜けたけど、そこまでだった。チームメイトには感謝している。ホンドはいつものように完璧だった。他のチームメイトも僕をしっかりサポートしてくれた。

アルプスへの意気込みを語るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

横風ステージを無事に走り終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)横風ステージを無事に走り終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Cor Vos集団にいても厳しい一日だった。たぶんテレビで見ていると、とても静かな日に見えたかも知れないけど。

誰もが緊張しており、風速19m(時速70km相当)の突風が吹き荒れていて、それが追い風になったり、つねに風向きが変わっていた。緊張感とストレスに満ちた一日だった。でも、僕は満足しているし、楽観的なんだ。チームの状態もよいままだし、僕もずっと守られていた。両脚の反応もかなりいい。

すべてが順調だと思っている。昨日はアタックするのに最適だと思う状況が2〜3回あった。でも、あまりにも平坦すぎるので待機することにしたんだ。両脚ともにアルプスでよく動いてくれることを願っている。僕に言えるのは、あのときにアタックしておけばと思いながらパリに着きたくないということなんだ。

(アルプスの山岳ステージは)すべてが重要だ。これから総合争いが始まるので、どのステージも無駄にはできない。(ヴォクレールの好調さに)とても驚いている。彼のチームメイトについても同様だ。(どちらがエースか不明なシュレク兄弟は)まだ使える切り札を2枚用意している状態だ。

アルプスに備えるヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック)

シュレク兄弟は山岳ステージ後にとてもいい順位についている。昨日(第14ステージで)、アンディは2秒稼いだ。おそらく彼は予想してなかったし、望んでもいなかったと思う。でも、誰よりも2秒稼いだのは事実。アルプスは僕らのエースたちが得意とする山岳だ。僕たちは総合成績のことを考えているし、最終週にかなり期待しているんだ。

慎重に走ったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)

今日は「位置取り」に気をつけた一日だった。狭い道、村の小さな広場、そしてずっと吹いていた風。今晩は、みんなよく眠れるはずだ。みんなよくやった!



ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation&text:Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI

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