2009年2月1日、シクロクロス世界選手権のエリート女子がオランダ・ホーヘルヘイデで開催され、2006年世界チャンピオンのマリアンヌ・フォス(オランダ)が3名でのスプリント勝負を制して優勝。二度目のタイトルを手にした。日本勢は荻島美香が22位、豊岡英子が26位でレースを終えた。

レースをリードするマリアンヌ・フォス(オランダ)とハンカ・クプファーナゲル(ドイツ)レースをリードするマリアンヌ・フォス(オランダ)とハンカ・クプファーナゲル(ドイツ) photo:CorVosシクロクロス世界選手権2日目は、午前中にエリート女子、午後にエリート男子が行なわれる。コースは各レースとも共通で、指定された競技時間に応じて周回数が異なるだけ。エリート女子には、現日本チャンピオンの豊岡英子とオランダ在住の荻島美香を含む38名がエントリーした。

低温で乾燥したコンディションの中、レースはキャサリン・コンプトン(アメリカ)の単独アタックで動き始めた。2007年大会の銀メダリスト、ならびにアメリカ国内選手権5連覇中のコンプトンが単独で逃げる展開だ。真っ先に勝負に出たコンプトンは20秒近いリードを稼ぎ出した。

3名でのスプリントに競り勝ったマリアンヌ・フォス(オランダ)3名でのスプリントに競り勝ったマリアンヌ・フォス(オランダ) photo:CorVos先行したコンプトンを追うのは、大会連覇を狙うハンカ・クプファーナゲル(ドイツ)だ。クプファーナゲルは、エリート女子カテゴリー初開催の2000年以降4度の世界チャンピオンに輝いているベテラン。この動きには、2006年チャンピオンの21歳マリアンヌ・フォス(オランダ)のみが食らいついた。

やがてクプファーナゲルとフォスの二人は先頭のコンプトンを捉え、レース先頭では3名のパックが形成される。この強力なパックは、後続を寄せ付けないペースで周回を重ねていった。

表彰台、左から2位ハンカ・クプファーナゲル(ドイツ)、優勝マリアンヌ・フォス(オランダ)、3位キャサリン・コンプトン(アメリカ)表彰台、左から2位ハンカ・クプファーナゲル(ドイツ)、優勝マリアンヌ・フォス(オランダ)、3位キャサリン・コンプトン(アメリカ) photo:CorVos一時的にコンプトンは後退したが、結局3名のまま最終周回に突入。世界王座をかけた勝負は、最終のスプリントに持ち込まれることに。

3名の中でスプリントに長けている選手、それはフォスに違いない。フォスは元シクロクロス世界チャンピオンであるのと同時に、ロードレースとトラック競技ポイントレースの元世界チャンピオンでもある。昨年の北京五輪ポイントレースでも金メダルを獲得しているほどだ。

地元オランダの声援に後押しされたフォスは、スプリントでクプファーナゲルとコンプトンを打ち破り、歓喜の表情でゴールに飛び込んだ。21歳の若さで二度目の世界一。ちなみにクプファーナゲルをスプリントで破って初の世界チャンピオンに輝いた2006年も、レース会場はオランダ(ゼッダム)だった。

日本勢は荻島美香が3分29秒遅れの22位、豊岡英子が4分05秒遅れの26位で完走している。


シクロクロス世界選手権2009
エリート女子結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ)42'39"
2位 ハンカ・クプファーナゲル(ドイツ)+01"
3位 キャサリン・コンプトン(アメリカ)+02"
4位 サンネ・ファンパーセン(オランダ)+29"
5位 カロリーヌ・マニ(フランス)
6位 サンネ・カント(ベルギー)
7位 ダフニー・ファンデンブラント(オランダ)+30"
8位 ミリアム・メルシェル(オランダ)
9位 エヴァ・レクネル(イタリア)+31"
10位 マリリン・サルヴェタ(フランス)
22位 荻島美香(日本)+3'29"
26位 豊岡英子(日本)+4'05"