5月3日パリ郊外のアルジャントゥイユで行われたトロフェ・デ・グランプール(UCI1.1)は、トマ・ヴォクレール(フランス、BBOXブイグテレコム)が独走勝利を果たした。EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインは、グレゴール・ガズヴォダが完走。新城幸也(BBOXブイグテレコム)は、トップから52秒遅れの10位で終えた。

出走サインをするEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインの選手たち出走サインをするEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインの選手たち photo:Cyclisme Japon/Chiho以下はCyclisme Japon/Chihoのレースレポート。

7.5kmのサーキットを17周する127.5kmのコースで行われた『トロフェ・デ・グランプール』。今年からコースが変わり、住宅地の細い道を抜け前半に上り坂がある。コース全体としては、カーブが多く道も狭いため、上り始めのポジションが重要だと前日のミーティングで作戦を練った。

大健闘のパク・ソンベク(韓国、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)大健闘のパク・ソンベク(韓国、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Cyclisme Japon/Chihoレースが始まると、『ツール・ド・ブルターニュ』を走ってきた選手たちは、やはり疲れが溜まっており、このスピードにはついて行けず。2周目で遅れる選手たちが出てきた。

そんな中、6月上旬開催の『ツアー・オブ・コリア』出場に向け、コンディションをあげて来ているパク・ソンベクが、スプリンターにもかかわらず、この厳しい上り坂を集団のいいポジションをキープしつつ上る。福島晋一も集団に残る。

坂を上る増田成幸とギヨーム・ポン(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)坂を上る増田成幸とギヨーム・ポン(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Cyclisme Japon/Chiho『ツール・ド・ブルターニュ』で落車し、肩を痛めたグレゴール・ガズヴォダは、1週間ほどの休養を経てこのレースに挑み、序盤は下りの位置取りやカーブを失敗し、一旦は遅れてしまった。しかし、上りでパワーを発揮し集団に復帰。その後、徐々に集団は小さくなって行くもガズヴォダだけは集団に残った。

13周目でガズヴォダは、集団からアタックをかけ前を走る25人ほどの選手たちに追い付こうと試みたが、追いつけず。その後、集団に戻ってしまった。レースは終盤更にペースアップし、ガズヴォダは集団からも遅れてしまったが、58位で完走を遂げた。カズヴォダも調子は上がってきており、「夏以降のヨーロッパのレースで勝てる確信が持てた」と自信をつけた。

後半まで粘っていた福島晋一(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)後半まで粘っていた福島晋一(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Cyclisme Japon/Chiho優勝したのはラスト4周から独走でトップに立ち、追走4人の選手を20秒離したヴォクレール。新城幸也はトップから52秒遅れの10位でレースを終えている。

これで、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインのヨーロッパ遠征前半戦は終了。日本へ戻り、『ツアー・オブ・ジャパン』、『ツール・ド・熊野』、『全日本選手権』などに出場し、その後ヨーロッパには夏に戻ってくる予定となっている。

後半集団からアタックしたグレゴール・ガズヴォダ(スロベニア、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)後半集団からアタックしたグレゴール・ガズヴォダ(スロベニア、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Cyclisme Japon/Chiho水谷監督のコメント
今日のレースは、コースレイアウトと展開が激しく、全く対応できなかった。『ツール・ド・ブルターニュ』でケガをし途中リタイアしたグレゴール(・ガズヴォダ)が、このレースはケガ明けだったにもかかわらずいい走りをしてくれた。あとパクがスプリンターの割には、いい位置取りができていた。スプリンターなのに、あそこまで残れたことは凄く評価している。

レース後のミーティングでグレゴールが、パクはちぎれる前にきちんと僕のアシストをし、集団のいいポジションにまで連れて行ってくれ、本当に助かったと感謝していた。こうしてお互い助け合う走りができ、チームがまとまって走れているのはいいことだと思う。次は、日本の目標にしているレースなので、選手たちのコンディションも上がって来ているし、力を発揮してもらいたい。
トロフェ・デ・グランプール2009結果
1位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)3h03'41"
2位 アントニー・ジェラン(フランス、フランセーズデジュー)+20"
3位 ニコラ・ジャラベール(フランス、アグリチュベル)
4位 ディミトリ・シャンピオン(フランス、ブルターニュ・シュレー)
5位 ルイス ラベルデ(コロンビア、パシオン・コルデポルテス)
6位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)+52"
7位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、カルミオオロAスタイル)
9位 ピエール・キャゾウ(フランス、ルーベリール)
10位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
58位 グレゴール・ガズヴォダ(スロベニア、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+6'53"