JシリーズXCOは前戦八幡浜から箱館山が中止となって一ヶ月以上開いての第2戦の開催となった。今回は6月12日の中国でのアジア選手権のため海外遠征組が帰国となり、フルメンバーでのレースとなった。

エリート男子クロスカントリーのスタート 山本幸平(チームブリヂストン アンカー)がアタックを決めるエリート男子クロスカントリーのスタート 山本幸平(チームブリヂストン アンカー)がアタックを決める photo:Akihiro.NAKAO

スタートを切ったエリート男子 スタートを切ったエリート男子  photo:Akihiro.NAKAO全日本チャンプの山本幸平(チームブリヂストン アンカー)、八幡浜で優勝した山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)、平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)、女子チャンプの片山梨絵(SPECIALIZED)がスタートラインに立った。

エリート男子の迫力のある闘い

富士見のコースは従来までと違って大幅に変更となり、新たなシングルトラックやダウンヒルのショートコースも組み入れられスピートが速くなり、距離も短くなった。エリート男子は天候は曇りでドライ路面での6周回(4km×6=24km)で争われた。

スタート直後先頭を走る山本幸平(チームブリヂストン アンカー)スタート直後先頭を走る山本幸平(チームブリヂストン アンカー) photo:Akihiro.NAKAOスタート直後から飛び出したのはやはり山本幸平で、スタートからの登りをリードしていく。これについていけるのは平野・山本和弘・小野寺健(TEAM SPECIALIZED)・斉藤亮(チーム コラテック)。途中山本幸平が5番手まで下がるものの3周目から独走態勢に入る。

1周約12分のラップでついていけるのは山本和弘・平野・斉藤で小野寺は4周目で脱落してしまう。3人の争いは5周目に平野が抜け出し残りの二人にリードを広げ、山本和弘と斉藤は最終周回のゲレンデ登りまで争う。

優勝は大きく手を伸ばして山本幸平、次に平野、3位争いは山本和弘が斉藤を振り切って海外遠征組が表彰台独占となった。

平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と競う斉藤亮(チーム コラテック)平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と競う斉藤亮(チーム コラテック) photo:Akihiro.NAKAO山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) photo:Akihiro.NAKAO


後から3人話を聞くと一様に帰国後の体調の管理に苦労したとのことだが、レースが進むにつれ速いペースを作れるのはさすが。国内でレベルを上げている斉藤には海外遠征組との差は辛い状況と言える。

エリート女子とエキスパートは波乱の展開

エリート女子スタートエリート女子スタート photo:Akihiro.NAKAO

5周回で行われたエリート女子は単独で遠征している片山が参戦。今回は矢沢みつみは参加を見送った。スタート後は早くも2位の中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)をリードしていたものの、2周目に転倒してフレームとハンドルが引っかかってしまい諦めてリタイア。その後は中込が優勝、2位にメカトラでペースが上げれなかった田近郁美(GOD
HILL)、3位に小林可奈子(MTBクラブ安曇野KONA)が復帰後の表彰台となった。

片山梨絵(SPECIALIZED)片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAOエリート女子優勝中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)エリート女子優勝中込由香里(SY-NakSPECIALIZE) photo:Akihiro.NAKAO

エキスパートは横山航太(CLUB Grow)がチェーン切れでリタイア、島田真琴(シマノドリンキング)はメカトラブルで遅れリタイア、ここで最後尾からスタートした過去に乗鞍ヒルクライムを制した筧 五郎(イナーメ・X)がごぼう抜きでトップに立ち、優勝した。

エキスパート優勝筧 五郎(イナーメ・X)エキスパート優勝筧 五郎(イナーメ・X) photo:Akihiro.NAKAOスポーツ男子優勝西村 隆幸(のぼこん・宝塚線)スポーツ男子優勝西村 隆幸(のぼこん・宝塚線) photo:Akihiro.NAKAO


山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)山本幸平(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro.NAKAO山本幸平(チームブリヂストン アンカー)のコメント

久々の日本のレースは?
「日本のレースには日本独特のものがあるというか、ヨーロッパと違うものがある。その中でしっかりとした走りを見せたいけど、移動の疲れとか大切なレースの前後ということも重なって、ベストパフォーマンスを見せることができない。でも、今日は勝てたので良かったです」

前半は良く無かった?
「前半というか今日は全部ダメ。普通に走ってたら勝てただけ」

海外遠征組で表彰台を独占しましたが?
「それは当たり前で、海外に行かないとダメですね。そうじゃないと全く走れない」

週末のアジア選は優勝を狙いますか?
「ダントツで勝ちにいかないとダメなんで、本気でしっかりと気持ちを集中させていきたいと思います」

一回目のオリンピックポイントは確保しましたが?
「世界選ランキングで五輪には行けると思いますが、もしも、ということもあるので、そういう場合はアジアで上位二カ国に入っておかないとダメなので、アジア選は凄く重要なレースになります。応援よろしくお願いします!」


片山梨絵(SPECIALIZED)片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO片山梨絵(SPECIALIZED)のコメント

オリンピックポイント第一次締め切りで35ポイント足りずに20位でしたが?
「WC南アフリカが終わった時点でギリギリ行ける計算と、自分の負担を考えてレースを休んだ方がいいという判断がありました。他国はナショナルチーム単位で動いているので、一人の力ではベストを尽くしましたが足りなかった、ということですね」

海外でのレベルアップは次に繋がりますが?
「今回ベストは尽くしたので、また強くなれば16位以内にいけると思います。前半の締め切りで感じた事は、いくらがんばっても一人の力ではどうにもならない。国単位で考えてくれたらと思います。中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)さんは今日の走りを見ていても良かったので、アジア選に向けて一緒になってがんばってくれている」

アジアでのレースは重要になってくる?
「アジアでUCIレースが行われるみたいなので、3人で行けたらベストなのでプランとして考えています。ポイントを獲っているのは一人だけど、応援してくれているのは皆様なので、これからも応援よろしくお願いします」


エリート女子表彰エリート女子表彰 photo:Akihiro.NAKAO結果
XCOエリート男子

1位 山本 幸平(チームブリヂストン・アンカー)1:19:44.08
2位 平野 星矢(チームブリヂストン・アンカー)+0:55.15
3位 山本 和弘(キャノンデールレーシングチーム)+1:21.52
4位 斉藤 亮(TEAM CORRATEC)+1:35.40
5位 小野寺 健(TEAM SPECIALIZED)+2:18.98
6位 松本 駿(TREK)+5:28.60
7位 沢田 時(HARO/ENDLESS/ProRide)+5:58.72
8位 武井 亨介(チーム・フォルツァ!)+6:51.23
9位 門田 基志(GIANT)+7:20.94
10位 大江 良憲(TEAM轍屋)+7:41.13

エキスパート表彰エキスパート表彰 photo:Akihiro.NAKAOXCOエリート女子
1位 中込 由香里(SY-Nak SPECIALIZED)1:25:40.63
2位 田近 郁美(GOD HILL)+6:24.23
3位 小林 可奈子(MTBクラブ安曇野 KONA)+7:38.94
4位 ケリー 美枝子            +11:32.78
5位 埜真 賢美(Team クルーズ )+14:02.13

XCOエキスパート男子
1位 筧 五郎(イナーメ・X) 1:14:57.58
2位 平井 啓資(UNS八王子)+1:16.00
3位 大渕 宏紀(Team-NR)+1:37.02
4位 水谷 祐太(シマノドリンキング)+2:30.63
スポーツ女子優勝中村 千鶴(アライアンス AC)スポーツ女子優勝中村 千鶴(アライアンス AC) photo:Akihiro.NAKAO5位 西田 尚平(Team BG8)+3:01.42

XCOスポーツ男子
1位 西村 隆幸(のぼこん・宝塚線)0:34:30.69
2位 萬谷 和也(fujimoto farm)+0:58.49
3位 澤木 紀雄(T-serv)+2:15.83

XCOスポーツ女子
1位 中村 千鶴(アライアンス AC) 0:27:24.65
2位 川崎 路子(CLUBviento)+1:48.14
3位 三宅 理子(岩井商会レーシング)+4:38.44

text&photo:Akihiro.NAKAO

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