バスクファンの声援に包まれたゴール地点に飛び込んだ、北京五輪金メダリスト、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)。連続する山岳を乗り越えた精鋭グループによる勝負で、早めにスパートを仕掛けたサンチェスが優勝。2年連続最難関山岳ステージで白星を飾った。

ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第4ステージ・コースプロフィールブエルタ・アル・パイスバスコ2011第4ステージ・コースプロフィール photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com2011年4月7日、ブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第4ステージがアムリオからエイバルまでの179kmで開催された。今大会最難関と呼ぶに相応しい山岳コースで、後半に7つのカテゴリー山岳が詰め込まれている。

逃げグループを形成するミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)ら逃げグループを形成するミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)ら photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comしかもゴール2.4km手前で平均勾配8.44%・登坂距離5.8kmの1級山岳ウサルツァ峠をクリアする。頂上通過後は緩やかにアップダウンを繰り返してゴールへと向かう。この最後のウサルサ峠で総合優勝争いが活発化した。

前日に引き続いてこの日も晴天で、気温は上昇。21km地点で3名がアタックを成功させた。

カチューシャがコントロールするメイン集団カチューシャがコントロールするメイン集団 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comすでに総合で大きく遅れていたミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)、マキシム・ベルコフ(ロシア、ヴァカンソレイユ・DCM)、フリアン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)の3名は、最大12分20秒のリードを得てエスケープ。メイン集団はエウスカルテルとカチューシャが牽引する。

ゴールまで31kmを残した1級山岳イシュア峠で、メイン集団からトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)やダビ・アローヨ(スペイン、モビスター)らがカウンターアタック。しかし逃げグループに追いつくことはできず、エウスカルテルが牽引するメイン集団に吸収される。

観客が詰めかけた1級山岳イシュア峠を登る選手たち観客が詰めかけた1級山岳イシュア峠を登る選手たち photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comメイン集団は最後の1級山岳ウサルツァ峠に向けて着々とペースアップ。レオパード・トレックが牽引するメイン集団は、ゴールまで8.5kmを残した麓の街エイバルで逃げを吸収。逃げ切りは失敗に終わったが、この日6つのカテゴリー山岳を先頭で通過したアルバジーニは一躍山岳賞トップに立った。

やがてメイン集団はハイスピードを維持したままゴール7km手前でウサルツァ峠に突入。この日も先陣を切ってファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス・TMC)がアタックを仕掛けたが、世界のトップステージレーサーがひしめく集団を引き離すことができない。

バスクファンが詰めかけた登りを進むバスクファンが詰めかけた登りを進む photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comするとウサルツァ峠の頂上3km手前でフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)がアタック。これにシャビエル・トンド(スペイン、モビスター)合流し、メイン集団から20秒のリードを奪う。

平均勾配8.44%の登りでハイペースを刻んだトンドは、フランクを振るい落として独走開始。一方のメイン集団では、頂上まで1.5kmを残してアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)がアタック。これに有力選手たちが反応し、メイン集団のペースが必然的に上がる。

Vサインでゴールするサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)Vサインでゴールするサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comフランクが吸収される一方で、ハンドルに食らいつき、シッティングで登る勾配のある登りを進むトンド。バスクファンに囲まれたこの登りで続いてサンチェスがアタック。11名の精鋭グループを従えたサンチェスは、先頭トンドから5秒遅れでウサルツァ峠頂上を通過する。

先頭ではトンドが諦めずに独走を続行。ラスト1kmのアーチを前にアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)がアタックし、ヴィノクロフを連れて先頭のトンドをキャッチする。しかし3名は牽制によってペースを落とし、後方から単独で飛び出したサンチェスが3名を抜きさって先頭に。

2年連続ステージ優勝を飾ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)2年連続ステージ優勝を飾ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com追撃したアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)を振り切ったサンチェスが、Vサインでゴールラインを駆け抜けた。

サンチェスは昨年ほぼ同じコースレイアウトが設定された第4ステージで勝利。2年連続の最難関山岳ステージ制覇をVサインで示した。

リーダージャージを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)リーダージャージを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comバスクファンの声援に勝利で応えたサンチェスは、今シーズン2勝目の喜びをこう語る。「今日は最初からステージ優勝を狙っていた。気温が高くて、最後の峠では本来の力を出すことができなかった。みんな暑さで苦しんでいたよ。この勝利は、いつも変わらずチームを支えてくれているバスクのファンに捧げたい」。

サンチェスはフレーシュ・ワロンヌで2006年2位、2009年4位という成績を残している。翌週に迫った「アルデンヌ・クラシック」ではエウスカルテルのエースを担うことになるだろう。

この日、1分43秒遅れて総合トップ10から脱落したダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)を除いて、上位陣の総合成績に変動はなし。ステージ4位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がリーダージャージを守った。0秒差の総合争いは最終日の個人タイムトライアルに持ち込まれることになった。

レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。

ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第4ステージ結果
1位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)         4h42'34"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
3位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
6位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
7位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
10位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)

個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)        17h12'43"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)      +01"
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)        +06"
6位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)         +09"
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)     +10"

ポイント賞
アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)

スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)

山岳賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)

チーム総合成績
モビスター

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com
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