アスタナの主将アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)がゴール5km手前でアタック。山がちな180kmコースで行なわれたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第3ステージ。アルデンヌ・クラシックを見据えるヴィノクロフが独走勝利を飾った。

メイン集団をコントロールするレディオシャックメイン集団をコントロールするレディオシャック photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com2011年4月6日、バスク地方中部のビリャトゥエルタからムルジアまでの180kmで行なわれた第3ステージ。カテゴリー2級と3級の山岳を計4つ含む中級山岳コースが設定された。また、カテゴリーは付けられていないが、ゴール手前には小高い丘が待ち構えている。

この日もレースは序盤からアタックの応酬。昨年ジャパンカップで優勝したダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)や、スペシャルチームのメンバーとしてジャパンカップ・クリテリウムに出場したオスカル・プヨル(スペイン、オメガファーマ・ロット)らがアタックを繰り出す。

リーダージャージを着て走るアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)リーダージャージを着て走るアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comアタックが決まったのは、42km地点に位置する最初の2級山岳オパクア峠。すでに総合で順位を落としているトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)が飛び出し、そのままオパクア峠を先頭通過する。

マルティンには遅れてフアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)やアマエル・モワナール(フランス、BMCレーシングチーム)、ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)ら6名が合流。メイン集団とのタイム差は最大3分25秒まで広がった。

山岳賞ジャージを着るマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)山岳賞ジャージを着るマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com100km地点の3級山岳ザラテ峠で先頭グループは割れ、ピノーとモワナール、フランチェスコ・ベロッティ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が先行。この3名はレディオシャックやモビスターが牽引するメイン集団から懸命に逃げたが、ゴール11km手前の2級山岳アルトゥベ峠で吸収された。

このアルトゥベ峠ではメイン集団からカウンターアタックが続発。集団から飛び出したタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード)、アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)、ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)の3名は、10秒ほどのリードを得てアルトゥベ峠をクリア。

ガッツポーズでゴールするアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)ガッツポーズでゴールするアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com50名ほどに縮小したメイン集団はオスカル・フレイレ(スペイン)をスプリントに導きたいラボバンクがコントロール。しかし更なるアタックを止めることは出来ず、飛び出したライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)やファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス・TMC)が先行する。

元U23世界チャンピオンのドゥアルテが最後まで粘りを見せたが、ラスト5km地点の小さな登りでアタックしたヴィノクロフに追い抜かれてしまう。アシストを失った有力選手たちが互いに牽制する中、ヴィノクロフは独走態勢に突入。ラボバンクの追撃も届かず、ヴィノクロフが8秒差で逃げ切った。

今シーズン初勝利を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)今シーズン初勝利を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Cor Vos「この勝利は絶品だ。自分にとってシーズン初勝利。バスク地方で勝つのも初めてだ。チームの走りがこうして報われたことに満足している」。37歳のヴィノクロフは、レース後に喜びのコメントを残す。

ヴィノクロフは昨年のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで2005年に続く2度目の優勝を飾った。アムステル・ゴールドレースでは2003年に優勝。グランツールで総合優勝を狙えるオールラウンダーだが、パンチの効いた登坂力を兼ね備える。当然、翌週から始まる「アルデンヌ・クラシック」での活躍に注目が集まっている。

リーダージャージを取り返したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)リーダージャージを取り返したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com「今日はとても暑かったが、それは問題ではなかった。むしろ暑さは自分に味方した。日に日にコンディションは上がっていて、気持ちも高ぶっている。脚の調子のピークはすぐそこだ。この勝利はクラシックレースやツール・ド・フランスに向けて自信を与えてくれるよ」。

ヴィノクロフは総合トップから10秒遅れの総合11位にジャンプアップ。しかし本人は「まだまだ難易度の高いステージが残っている。クレーデンのような強い選手がいるから、総合表彰台に登るのは難しいだろう」と控えめなコメントを残している。

この日もステージの順位によってリーダージャージがスイッチ。アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)は集団内でゴールしたが、リーダージャージはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)の手に移った。依然として総合トップ3が0秒差で並ぶ接戦状態だ。

翌第4ステージはゴール1km手前に1級山岳ウサルサ峠が設定された179kmの難関山岳コースで行なわれる。実質的な頂上ゴールであり、総合の変動は必至。総合争いはこの第4ステージと最終第6ステージの個人タイムトライアルで決する。

レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。

ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第3ステージ結果
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)      4h20'38"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)              +08"
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
4位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 ストゥヴ・シェネル(フランス、アージェードゥーゼル)
6位 エゴイス・ガルシア(スペイン、カハルーラル)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
10位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)        12h30'09"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)      +01"
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)        +06"
6位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
7位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)
9位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
10位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)         +09"

ポイント賞
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)

山岳賞
アマエル・モワナール(フランス、BMCレーシングチーム)

チーム総合成績
モビスター

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com

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