東日本大震災のため各地のサイクルイベントが中止に追い込まれる中、震災に影響の無い地域ではチャリティーを併催してレースを開催しているイベントもある。MTBレースでは4月2・3日に兵庫県でJ2菖蒲谷と静岡県でJ3浜松が開催された。震災の義援金チャリティーも行われ、参加者達は震災に負けないよう、レースで熱く戦った。

龍野MTB協会主催のJ2菖蒲谷とイベントレース

ショートダウンヒル安達靖ショートダウンヒル安達靖 photo:Akihiro.NAKAO兵庫県たつの市を活動の中心とする龍野MTB協会、小野良太さんが代表を務め主催する菖蒲谷クロスカントリーレースはアットホームな大会だ。昨年初の公式MTB大会J3を開催し、今年はJ2に格式を上げての開催となった。開催場所の菖蒲谷公園は山の上の公園で、地元の選手や菖蒲谷キッズの練習場所となっている。

レースイベントは2日にショートダウンヒルと耐久エンデューロが行われ、ショートダウンヒルは昨シーズンをもって引退した3冠王の安達靖とワールドカッパーの末政美緒が参加。コース全体が見渡せるショートコースで、安達が現役時代を彷彿とさせる走りで2位のTeam Ikuzawa時代のメカニック、山本明(Team YRS)を2秒離して優勝。末政は4位となった。観客達はダウンヒルレースのアグレッシブな走りを堪能した。


XCOは門田基志(TEAM GIANT)の念願の公式戦での優勝

エリート男子スタート前・J2とはいえなかなかのメンバーが揃った エリート男子スタート前・J2とはいえなかなかのメンバーが揃った  photo:Akihiro.NAKAO3日のXCOは国内で活動している辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)・斉藤亮(TEAM CORRATEC)・松本駿(TREK)・門田基志(TEAM GIANT)トップ選手が参戦。肌寒い天候だったものの、J1開幕戦の八幡浜の先にポイントが付くレースとあって全国から選手が集まった。

コースは4kmと短いものの山間部はほとんどがシングルトラックで登るか下るしか無く休めないので長く感じる。特に下りは幅が狭く、逆バンク・木の根っこ・傾斜のキツさ・路面はパフパフで滑り易く、難易度はとても高い。エリートは5周で18名が出走した。

2周目から終始パックで走る斉藤亮(TEAM CORRATEC)と門田基志(TEAM GIANT)2周目から終始パックで走る斉藤亮(TEAM CORRATEC)と門田基志(TEAM GIANT) photo:Akihiro.NAKAO1周目からエリートトップ4の選手が後続選手達を置いて行く。序盤で辻浦が体調不良で脱落、門田と斉藤がパックで先行し遅れて松本、さらに数分離れてエリート初参戦の沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)・山田圭(CLUB Grow)・藤本弥之助(Fujimoto farm)が続く。

周回を重ねても門田と斉藤のパックのまま、エリート選手達で金曜まで行われた八幡浜合宿で、参加者の中では門田が一番踏めていたと言われたとおり力強い走りで先行する。

最終周回でも差が生まれず、最後のゴールの舗装路の登りで門田がリードを広げたまま斉藤に競り勝ち念願の優勝。3位に松本・4位にトップから8分開いて沢田となった。

エリート男子優勝 門田基志(TEAM GIANT)エリート男子優勝 門田基志(TEAM GIANT) photo:Akihiro.NAKAO門田のコメント
「やっと一番上に立てました。次のJ1開幕戦の八幡浜は地元愛媛なのでまた一位で立ちたいです」

エキスパートはロード選手を引退し、今年からシマノの社員としてMTBレースを走る島田真琴(シマノドリンキング)が、中学生以来のMTBレース参加で後続を大きく離して優勝。XTRの販促も兼ねて今後も参戦する。

エリート女子は山本佳苗(BMC)・スポーツ男子は西村隆幸(のぼこん)、スポーツ女子は中村千鶴(アライアンスAC)がそれぞれ優勝した。


エキスパート優勝 島田真琴(シマノドリンキング)エキスパート優勝 島田真琴(シマノドリンキング) photo:Akihiro.NAKAOエリート女子優勝 山本佳苗(BMC)エリート女子優勝 山本佳苗(BMC) photo:Akihiro.NAKAO


各選手のチャリティー

安達選手はTeam IKUZAWAの非売品Tシャツと帽子、末政選手は昨年愛用したゴーグルをそれぞれオークションへ提供。松本選手は住んでいた岩手県・東北地域の思い出を語ってもらい、義援金をしてもらった人へのジャンケン大会で用品をプレゼント。藤本選手はチャリティーTシャツの販売と松本選手同様の蓮根のプレゼントがあった。「選手はレースを走って日本を元気づけたい」という選手達の言葉通りの大会だった。

チャリティーでは末政美緒からは愛用のゴーグルチャリティーでは末政美緒からは愛用のゴーグル photo:Akihiro.NAKAO安達靖からのTシャツはサイン付き安達靖からのTシャツはサイン付き photo:Akihiro.NAKAO


松本駿(TREK)は被災地の岩手の思いでを語る松本駿(TREK)は被災地の岩手の思いでを語る photo:Akihiro.NAKAO藤本弥之助(Fujimoto farm)夫妻はTシャツでのチャリティー販売藤本弥之助(Fujimoto farm)夫妻はTシャツでのチャリティー販売 photo:Akihiro.NAKAO


「こんな時だから開催しよう」J3浜松

サイクルイベントから日本を応援サイクルイベントから日本を応援 photo:Hirofumi.SUZUKI同日開催のJ2 菖蒲谷と並び2011年度最初のMTB公認レースとなったが、エリートライダーでは小笠原 崇裕(OGA-STYLE.COM)、千田 尚孝(KHS japan)、小林 聖(スワコレーシングチーム)、小田島 貴弘(Club SY-Nak)、江下 健太郎(Team over-do)ら実力者が揃った。また、エキスパートクラスでは乗鞍ヒルクライム優勝経験をもつ筧 五郎(イナーメ・X)が参戦し注目を集めた。

80チーム以上が参加した午後のエンデューロレース80チーム以上が参加した午後のエンデューロレース photo:Hirofumi.SUZUKI昨年と同じく静岡県浜松市の浜松遠州灘海浜公園にて開催され、 午前中に公認レース、午後から4時間耐久レースと盛りだくさんな1日となり多くの参加者で賑わった。
「こんな今だからこそ、イベントを通じて気持ちを被災地へ送ることができれば」と運営の白谷店長(カントリーモーニング)が言う通り、 本大会は参加費の一部を義援金として被災地へ送付することに加え、各種チャリティーイベントも併設して開催されることとなった。

J3公認レースは、スポーツクラスの後、エリートクラス男女、エキスパートクラスが混走で同時スタートとなった。 エリートクラスの面々を横目に集団前方に躍り出た筧が小笠原と激しい先頭争いを繰り広げる。第2パックには小田島、小林、後呂(岩井商会レーシング)、江下らが続いたが、江下がパンクで離脱。徐々に順位をあげてきた千田がこれに加わり、2位争いも熾烈を極めた。

アイデア募金/飛騨市から運ばれてきた雪だるまアイデア募金/飛騨市から運ばれてきた雪だるま photo:Hirofumi.SUZUKI規定周回7周のエキスパートクラスは筧がトップを独走したままチェッカーを受ける。「今年は全日本選手権でマスター優勝を狙いたい」との言葉どおり、XCにも本腰を入れて参戦するようで今後の動向に注目だ。 エリートクラスは調子を戻した感のある小笠原が1位を譲る事なくゴールした。

公認レース終了後、午後の耐久レースに参加するために会場にも人が増え受付周辺のチャリティースペースにも人影が多くみえるようになり、 エリートクラス女子の田近 郁美(GOD HILL)も自ら募金箱をもって支援の呼びかけを行っていた。

次戦は開催も危ぶまれた4月24日の愛媛県でのJ1八幡浜。海外遠征中の選手も帰国して出場するのでぜひ観戦に行ってみよう。


エリート男子表彰左から斉藤亮(TEAM CORRATEC)・門田基志(TEAM GIANT)・松本駿(TREK)エリート男子表彰左から斉藤亮(TEAM CORRATEC)・門田基志(TEAM GIANT)・松本駿(TREK) photo:Akihiro.NAKAOJ2菖蒲谷エリート男子

1位 門田基志(TEAM GIANT)1:30:26.222
2位 斉藤亮(TEAM CORRATEC)+0:00:08.248
3位 松本駿(TREK)+0:01:43.411
4位 沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)+0:08:02.742
5位 山田主(CLUB Grow)+0:09:20.049
6位 藤本弥之助(FUJIMOTO FARM)+0:09:20.859
7位 久保伸次(岩井商会レーシング)+0:12:51.447
8位 鏑木裕(TEAM 轍屋)+0:13:29.871
9位 細井陽介(マウンテン☆ポテト)+0:13:54.224
10位 前田公平(HARO/ENDLESS/ProRide)+0:16:23.722

素晴らしい大会だったJ2菖蒲谷大会素晴らしい大会だったJ2菖蒲谷大会 photo:Akihiro.NAKAOJ3浜松エリート男子

1位 小笠原 崇裕(OGA-STYLE.COM )1:07:09.25
2 位 千田 尚孝(KHS japan)+0:46.07
3位 後呂 有哉(岩井商会レーシング)+1:05.33
4位 小林 聖(スワコレーシングチーム1:08:18.63 1:09.38
5位 小田島 貴弘(Club SY-Nak)+1:40.04
6位 井本 京吾(BIKE RANCH )+4:42.68
7 位 新美 憲弘(サッサーズ)+6:12.14
8 位 佐藤 あきら(人力車Racing)+7:04.96
9 位 鈴木 禄徳( VolcaオードビーUVEX )-2 Laps
10位 江下 健太郎(Team over-do) -5 Laps


J2菖蒲谷  photo&text:Akihiro.NAKAO
J3浜松 photo&text:Hirofumi.SUZUKI