3月30日、ロシア出身のデニス・ガリムジャノフ(カチューシャ)は、北海に面したベルギーのコクスアイデでプロ初勝利を飾った。昨年ジャパンカップのクリテリウムで2位に入った24歳のガリムジャノフ。大震災に見舞われた日本への思いをインタビューで語った。

集団スプリントを制したデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)集団スプリントを制したデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) photo:Cor Vosロシア出身、イタリア在住のガリムジャノフが、ロシアチームのエースとしてベルギーのKBCデパンヌ3日間レース第2ステージで勝利した。レース中、ガリムジャノフはずっと遠い日本への思いを心の中に秘めていたと言う。東日本大震災の犠牲者と被災者に捧げる勝利となった。

「日本を応援したいという気持ちから、Cyclists pray for Japanのステッカーを貼って走っているんだ。日本は自分にとって思い出深い場所。そんな日本の惨状を見て心が痛んでいる」。ガリムジャノフは胸の内を語った。

優勝者インタビューに望むデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)優勝者インタビューに望むデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) photo:Gregor Brown「日本が好きなんだ。特に昨年ジャパンカップのクリテリウムで2位に入ってから、日本好きが加速した。それに、自分にとってのドリームカーは間違いなくスバルのインプレッサWRX STI。フェラーリじゃなくてスバルが欲しい。今乗っているクルマ?今はコンパクトなフォード・フォーカスに乗ってるよ」。

このままの勢いで勝利数を重ねることができれば、インプレッサWRX STI購入も“夢”ではなくなる。今シーズン、ガリムジャノフはツアー・オブ・カタール第2ステージで3位、ツアー・オブ・オマーン第6ステージでカヴェンディッシュに次いで2位に入っている。

多くの選手がCyclists pray for Japanのステッカーを貼る多くの選手がCyclists pray for Japanのステッカーを貼る photo:Gregor Brown「カヴェンディッシュは最強だ。それは間違いない。でも『彼に勝てない』なんて思っていたら一生勝てない。チャンスはあると思う」。

ガリムジャノフは北イタリア・ガルダ湖に近いカチューシャのチーム拠点に住んでいる。パリ〜ニース開幕前、ガリムジャノフはイタリアのかつての英雄マリオ・チポッリーニを訪ねた。世界選手権やミラノ〜サンレモを始め、無数の勝利を手にしたチポッリーニは、現在カチューシャのアドバイザーを務めている。

チポッリーニの走りにインスパイアされたと語るガリムジャノフ。「ようやくプロ初勝利を手にすることができた。これからもっと勝ちたい。そう、スーパーマリオ(チポッリーニ)のように。特に4月のシュヘルデプライスで勝利を狙いたい。昨年の大会でマキュアンをアシストしたとき、自分向きのレースだと思った。将来の目標?もちろんミラノ〜サンレモだ。その他にもいろんなレースで勝ちたい。パリ〜ルーベでも勝ちたい」。

マキュアンがチームを去った今、ガリムジャノフは名実共にカチューシャのエーススプリンターだ。グランツールでもその姿を見せてくれることだろう。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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