チームスカイのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)はKBCデパンヌ3日間レースで総合優勝を狙っている。昨年デーヴィット・ミラー(イギリス)がそうしたように、最終日の個人タイムトライアルでの逆転総合優勝が狙い。初日のタフコースをメイン集団内で乗り切ったウィギンズに、グレゴー・ブラウンが訊く。

ブラドレー・ウィギンス(イギリス、チームスカイ)ブラドレー・ウィギンス(イギリス、チームスカイ) photo:Cor VosGB(グレゴー・ブラウン) : フランドルでのレースには苦労している?
BW(ブラドレー・ウィギンズ) : ベルギーレースに順応するまでに少し時間がかかった。でも今は問題ない。正直言うと、フランドルのクレイジーさを忘れていたんだ。特にこのデパンヌには多くの格下チームが出場しているから、彼らの無鉄砲な動きに困惑してしまう。トップチームの中には、そんな彼らの走りに圧倒されてしまう選手もいると思う。今日は最終的に集団でゴールしたので、総合狙いの自分としては悪くない結果だった。集団が割れてしまうと、貴重なタイムを失いかねないから。

2009年大会最終個人TTでトップタイムを叩き出したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、当時ガーミン)2009年大会最終個人TTでトップタイムを叩き出したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、当時ガーミン) photo:Cor VosGB : 2009年大会の個人TTで優勝しているけど、今年は総合優勝が目標?
BW : そう、総合優勝がゴールだ。昨年はデーヴ(ミラー)が最終日の個人TTで優勝して、総合優勝を果たした。それの再現をしたい。昨年は悪天候に見舞われたので、集団はもっとバラバラの状態だった。だからデーヴは大変苦労したようだ。

GB : 無線を使わずにレースをしているけど、グライペルのグループが逃げていることは知っていた?
BW : いや、誰かが逃げているとは知らなかった。ラスト20kmの時点でチームメイトのラッセル(ダウニング)に聞いたんだ。「一体何が起こっているんだ?今レースはどんな状況?」ってね。レース展開は知る由もなかった。「15名が逃げている」という選手もいたし、ある選手は「いや、5名だ」という具合に。逃げグループとのタイム差もさっぱり分からなかった。(無線が使えないのは)本当にクレイジーだ。クレイジー極まりない。無線を使わずにこんな複雑なレースを走るのは始めての経験。物事を把握しながら走るのは困難を極める。

GB : 明日のステージは?コースプロフィールを見る限り今日より難易度は低そうだけど?
BW : 過去の大会を見ると、初日が一番厳しくて、2日目は少しだけイージー。明日はスタンダードな集団スプリントに持ち込まれると思う。でもベルギーでは何が起こるか分からない。今日のコースだって、もっと大きなタイム差が付くと思っていた。明日のゴール前はトリッキーなコースレイアウトなので、集団後方では千切れる選手も出てくるはず。集団前方に位置していれば問題ない。

GB : 総合争いにおけるライバルを挙げるならば?
BW : 現時点では誰が総合争いのライバルになるのかは分からない。特に日曜日のロンド・ファン・フラーンデレンを狙っている選手、例えばポッツァートやデヴォルデルは、最後の個人TTを走らない可能性だってある。2年前、ポッツァートはリーダージャージを着ながらも、個人TTを走らなかった。彼らにとってこのデパンヌは準備レースでしかない。

GB : 今日逃げたリエーベ・ヴェストラが最大のライバルになりそう?
BW : 確かに、彼は危険な存在だ。彼は過去2年連続最終TTで2位に入っている。昨年総合2位のアンドレー・グリブコも要チェック。最後は10名ほどの選手による総合争いに持ち込まれると思う。しっかり総合成績をチェックして、明日からは彼らの動きに警戒するよ。

text:Gregor Brown in Zottegem
translation:Kei Tsuji

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