2011年3月5日、西フランドル3日間レース(UCI2.1)の第1ステージが行なわれ、今年HTC・ハイロードに合流した22歳の新鋭スプリンター、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)がスプリント勝利。ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)は総合リードを守った。

先頭でゴールするジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)とロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)先頭でゴールするジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)とロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック) photo:Cor Vos第1ステージは世界遺産に指定されたブルージュをスタート。ロードレースファンにはロンド・ファン・フラーンデレンのスタート地点としてお馴染みの街だ。そこからフランドル地方を南に下り、コルトレイク近郊のベレーヘムにゴールする。

全長は174.9km。途中に登りや石畳が設定されているが、ゴール勝負に影響するような難易度ではない。

レースは序盤からダヴィ・ブーシェ(フランス、オメガファーマ・ロット)ら3名がエスケープ。しかし総合1位・2位・3位を擁するレディオシャックの集団コントロールによりタイム差の拡大は3分止まり。ブーシェら3名はゴールまで70kmを残して吸収された。

その後のカウンターアタックは全て吸収され、最後は大集団によるゴールスプリント勝負に。上り基調の最終ストレートでレンショーらにアシストされたデゲンコルブが、ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)を下して先着した。

デゲンコルブは昨年のロード世界選手権U23ロードレースで銀メダルを獲得した22歳。ヴォルタ・アン・アルガルヴェの第2ステージでは、登りスプリントでタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)らを破って優勝している。

「素晴らしくナイスな勝利だ」。HTC・ハイロードのイェンス・ゼムケ監督はデゲンコルブの勝利を讃える。「チームメンバー全員の走りに満足している。今回は5名が23歳以下という若手選手中心の布陣で挑んでいて、チームに合流したばかりの選手も4名いる。そんな彼らが力を合わせて勝利したんだ。デゲンコルブのような若手にとって素晴らしい成績。これが早くもプロ2勝目で、自信をつけている」。

カヴェンディッシュとゴスに次ぐHTC・ハイロード第3のスプリンターとして、デゲンコルブはその存在感をアピール。レンショーとのタッグで勝利を掴んだ。「今日のスプリントのプランは、マーク・レンショーが好調なら彼で勝負するというものだった。だが厳しい登りスプリントが予想されたため、終盤になってレンショーはデゲンコルブにエースを託したんだ。大人数の集団による大混乱のスプリント勝負だったけど、彼らは自分たちの仕事を完璧にこなし、レンショーがデゲンコルブを発射するという大役を果たした」。

今シーズン2勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)今シーズン2勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード) photo:Cor Vosリーダージャージをキープしたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)リーダージャージをキープしたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) photo:Cor Vos逃げたダヴィ・ブーシェ(フランス、オメガファーマ・ロット)がスプリント賞ジャージ獲得逃げたダヴィ・ブーシェ(フランス、オメガファーマ・ロット)がスプリント賞ジャージ獲得 photo:Cor Vos

リーダージャージは初日のプロローグ覇者ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)がキープ。レディオシャックは鉄壁の守りで総合上位を独占中だ。サージェントは「これで2ステージ終了!あと1ステージだ!今日はベルギーらしい典型的なレースだった。スピードが速くてアグレッシブな展開。でもチームは揺るぎないパワーで僕をケアしてくれた。彼らにはとても感謝している」とコメントしている。

新城幸也(ユーロップカー)はトップとタイム差無しの51位でフィニッシュ。総合79位につけている。チームメイトのサイード・ハドゥ(フランス)はゴールスプリントに絡んで11位に入った。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはHTC・ハイロードとレディオシャックの公式サイトより。

西フランドル3日間レース2011第1ステージ結果
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)         3h53'24"
2位 ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)
3位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)
4位 マキシム・ファントム(ベルギー、カチューシャ)
5位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ)
7位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)
8位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
9位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)
10位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)
51位 新城幸也(日本、ユーロップカー)

個人総合成績
1位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) 4h01'38"
2位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)      +10"
3位 サム・ビューリー(ニュージーランド、レディオシャック)
4位 スヴェイン・タフト(カナダ、スパイダーテック・パワードバイC10)
5位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド、レディオシャック)    +11"
6位 パトリック・グレッチュ(ドイツ、HTC・ハイロード)
7位 ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)        +14"
8位 ネルソン・オリベイラ(スペイン、レディオシャック)        +15"
9位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)         +16"
10位 イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)     +19"
79位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                +49"

ポイント賞
ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)

スプリント賞
ダヴィ・ブーシェ(フランス、オメガファーマ・ロット)

新人賞
ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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