前日の山岳コースで勝利したペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)が、今度は集団スプリントで勝った。2011年2月25日に行なわれたジロ・ディ・サルデーニャ(UCI2.1)でリーダージャージのサガンが勝利。別府史之(レディオシャック)が15位に入った。

赤と青のナショナルジャージを着るイギリスナショナルチーム赤と青のナショナルジャージを着るイギリスナショナルチーム photo:www.ilgirodisardegna.it最終日前日の第4ステージは、ラヌゼーイからオリスターノまでの174km。サルデーニャ島を東から西に横断するコースだ。

レース前半には2級山岳ガイロ・タクイサーラ峠と1級山岳モンテ・アルクエーリ峠が設定されているが、レース後半は平坦基調に。ラスト40kmはフラットなコースレイアウト。最終日は山岳ステージが設定されているため、スプリンターにとってはこれがラストチャンスだ。

大盛況のラヌゼーイのスタート地点大盛況のラヌゼーイのスタート地点 photo:www.ilgirodisardegna.itこの日はアルキメデス・アルグエリエス(ロシア、カチューシャ)とジョナサン・マッカーティー(アメリカ、スパイダーテック・パワードバイC10)の二人逃げが早々に決まり、序盤の平均スピードが35km/hを下回るスローな展開。タイム差は最大7分まで広がった。

2級山岳ガイロ・タクイサーラ峠と1級山岳モンテ・アルクエーリ峠は、いずれもマッカーティーが先頭通過。メイン集団の先頭で頂上を通過(3番手通過)したチームメイトのデーヴィッド・ボイリー(カナダ、スパイダーテック・パワードバイC10)が山岳賞トップに立つ。一方、スプリント賞ジャージを着るアルグエリエスは中間スプリントを連取した。

サルデーニャ島を東から西に横断するサルデーニャ島を東から西に横断する photo:Cor Vosメイン集団をコントロールしたのは、リーダージャージ擁するリクイガス・キャノンデールの他、スプリントに興味を見せるアックア・エ・サポーネやファルネーゼヴィーニ・ネーリ。アルグエリエスとマッカーティーは踏ん張りを見せたが、ラスト10kmで吸収された。

ここからスプリンターチームがもう一段ペースを上げてオリスターノの街中へ。ラスト3kmからオスカル・ガット(イタリア)を率いるファルネーゼヴィーニ・ネーリがトレインを組んで集団先頭に立つが、赤と青のナショナルジャージを着たイギリスナショナルチームに主導権を奪われる。

両手を広げてゴールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)両手を広げてゴールするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) photo:www.ilgirodisardegna.itトラック競技の実力者を集めたイギリスナショナルチームは、ベン・スウィフト(イギリス)のためにハイスピードで集団を牽引。その後ろにはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)らの姿。

ラスト1kmを切るとイギリスチャンピオンジャージを着るジェレイント・トーマス(イギリス、イギリスナショナルチーム)が先頭に立ち、スウィフトのために長めのリードアウト。ラスト150mを切ってトーマスの後ろから飛び出したのは、スウィフトでもペタッキでもなく、リーダージャージのサガンだった。

第4ステージ・フォトフィニッシュ第4ステージ・フォトフィニッシュ photo:www.ilgirodisardegna.it抜群の加速力で先頭に立ったサガンは、マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)とロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)を振り切ってゴール。大きく両手を広げてゴールラインを駆け抜けた。

サガンはここまでのステージで4戦3勝。圧倒的な力で総合首位に君臨する。山岳ステージでクライマーたちを負かしたサガンが、平坦ステージでビッグスプリンターたちを打ち破った。サガンはボーナスタイム10秒を獲得し、総合2位ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)とのタイム差を14秒に広げている。

レース後の勝利者インタビューでサガンは「今日は自分で動かずに、ジャコポ・グアルニエーリで勝利を狙う予定だった。でもレース後半に入ると、マリオ・シレーア監督から『ボーナスタイムを狙ってみよう』という指示が出たんだ。スプリントでは運が必要。今日僕はついていた」とサラリと言ってのける。

いよいよ翌日は最終日、2級山岳ジェストゥーリの頂上ゴールが設定された第5ステージだ。ジェストゥーリは登坂距離4kmで平均勾配6.25%。カテゴリー2級だが、第2ステージと第3ステージの頂上ゴールよりも厳しいとも言われ、ラスト1kmで勾配13%のセクションも登場する。

この最後の登りで、逆転を狙うクネゴやホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)が攻撃を仕掛けてくるのは間違いない。サガンは「今日の勝利の最も歓迎すべき点は、総合ライバルたちとのタイム差を広げたこと。明日のステージはトリッキーで、ジェストゥーリはクライマー向きの登り。数秒の総合リードでは太刀打ちできなかったと思う」とコメント。ライバルたちを迎え撃つ姿勢だ。

これまでの山岳ステージでも上位に入っている別府史之は、集団スプリントに絡んで15位でフィニッシュ。総合では2分08秒遅れの23位。来るクラシックシーズンに向けて良い仕上がりを見せている。

レース展開はレース公式テキストライブならびにレース映像、選手コメントはガゼッタ紙より。

ジロ・ディ・サルデーニャ2011第4ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)   4h47'07"
2位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、イギリスナショナルチーム)
5位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
6位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
7位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 ルーカ・フィオレッティ(イタリア、オーラホテルズ・カラーラ)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
10位 ジェレイント・トーマス(イギリス、イギリスナショナルチーム)
15位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)  18h03'33"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)           +14"
3位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)        +17"
4位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)     +29"
5位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック)           +33"
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)         +39"
7位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)             +43"
9位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ)          +44"
10位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム)     +49"
23位 別府史之(日本、レディオシャック)               +2'08"

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

スプリント賞
アルキメデス・アルグエリエス(ロシア、カチューシャ)

山岳賞
デーヴィッド・ボイリー(カナダ、スパイダーテック・パワードバイC10)

チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトリ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.ilgirodisardegna.it

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