2011年2月19日、第31回アジア自転車競技選手権の最後を飾るエリート男子ロードレースが行なわれ、逃げ切った2人でのスプリントを制した新城幸也(ユーロップカー)が優勝。アシストとして好走した宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)が6位に入った。新城の勝利により、日本はロンドンオリンピック出場枠を獲得した。

エリート男子 逃げる新城幸也(ユーロップカー)とムラチジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン)エリート男子 逃げる新城幸也(ユーロップカー)とムラチジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン) photo:Kenji Nakamuraアジア選手権最終日のエリート男子ロードレースには17ヵ国(日本、韓国、チャイニーズタイペイ、香港、マカオ、イラン、バーレーン、カザフスタン、シリア、ウズベキスタン、キルギス、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、シンガポール、ブルネイ)59名の選手たちが出場。日本からは新城幸也と宮澤崇史、福島晋一(トレンガヌ・プロアジア)、畑中勇介(シマノレーシング)の4名がスタートラインに並んだ。

エリート男子 2人でのゴールスプリントを制した新城幸也(ユーロップカー)が両手を広げるエリート男子 2人でのゴールスプリントを制した新城幸也(ユーロップカー)が両手を広げる photo:Kenji Nakamuraレースは1周11.2kmの平坦な周回コースを14周する計158km。4周目に新城と宮澤を含む9名の先頭グループが形成され、6周目を終えた時点でメイン集団とのタイム差は2分40秒にまで広がった。

やがてレースが進むにつれてタイム差は縮小に転じる。タイム差が1分まで縮まると、9周目に逃げグループから新城がアタック。これにウズベキスタンのハルムラトフが反応し、新城と2人で逃げ続けた。

表彰台、左から2位ムラチジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン)、優勝新城幸也(ユーロップカー)、3位ホセイン・アスカリ(イラン)表彰台、左から2位ムラチジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン)、優勝新城幸也(ユーロップカー)、3位ホセイン・アスカリ(イラン) photo:Kenji Nakamuraゴールまで3周回を残した段階で、宮澤と福島が控える追走集団と先頭2人のタイム差は1分20秒。4分後方に畑中を含む第2追走集団という展開に。追走集団からホセイン・アスカリ(イラン)がカウンターアタックを仕掛けたが、宮澤と福島がチェックに入って抑え込む。

最終周回に差し掛かると、宮澤を含む5名が追走グループを形成して先頭の2人を追う。しかし新城とハルムラトフは最後まで追走グループを寄せ付けず、最終的に33秒差でゴールへ。2人でのゴールスプリント勝負を制した新城幸也が優勝した。平均スピードは43.09km/h。

アジア選手権は2012年にイギリスで開催されるロンドンオリンピックの出場枠が懸かった大会。今回の新城の勝利により、日本は出場1枠獲得に成功している。

日本人によるアジア選手権エリート男子ロードレース制覇は、別府史之(現レディオシャック)が優勝した2008年大会(奈良県山添村)以来3年ぶり。過去には2007年大会(タイ)で宮澤が、2004年大会(三重県四日市)と2003年大会(韓国)で鈴木真理(現シマノレーシング)が優勝している。

新城のコメント「「いゃ~、ホッとした。ホント久々の優勝ですよ。調子が良かったから、行けるっ! という自信があったし、後ろには兄ちゃん(福島選手)も宮澤さんもいるから安心していました。最後はさすがにきつかったけど、楽しかったです! オリンピックの枠は日本チームみんなのものなので、これから代表に選ばれるように頑張ります。」

新城は21日に帰国し、24日には渡仏。27日にはフランスのレースに出場する予定だ。

レース展開は日本自転車競技連盟ウェブサイトより。

アジア選手権2011エリート男子ロードレース結果
1位 新城幸也(ユーロップカー)          3h40'01"
2位 ムラチジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン)   +01"
3位 ホセイン・アスカリ(イラン)           +33"
4位 ジャン・ギョング(韓国)             +35"
5位 ディミトリ・グルージェフ(カザフスタン)     +42"
6位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)     +49"
7位 アリレザ・ハギ(イラン)             +52"
8位 ワォン・カンポー(香港)            +1'24"
9位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア)       +1'25"
10位 レイ・ヴァンドゥアン(ベトナム)
36位 畑中勇介(シマノレーシング)         +9'14"

text:Kei Tsuji
photo:Kenji Nakamura
関連ファイル