アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)の復帰戦として注目が集まるヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.1)が2011年2月16日、ポルトガルで開幕した。初日の第1ステージは、ラスト1kmでアタックを仕掛けたフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が勝利。総合首位に立った。

スタート前に質問攻めにあうアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)スタート前に質問攻めにあうアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Cor Vosアルガルヴェ一周レース初日は、ポルトガル南部アルガルヴェ地方のファーロからアルブフェイラまでの157.5km。中盤にかけて内陸部の山岳地帯を通過し、2つの3級山岳を含むアップダウンを繰り返す。ゴール20km手前は比較的平坦なコースレイアウトだ。

レースには21チーム(12プロチーム)168名が参戦。中でも最も注目されるのは、他でもないディフェンディングチャンピオンのコンタドール。スペイン自転車競技連盟によって出場停止処分を解かれたコンタドールは実に半年ぶりにレースに戻って来た。

集団内で走るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)集団内で走るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vosレースは序盤からリカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)、セサル・フォンテ(ポルトガル、バルボット・エファペル)、クリスティアン・メイヤー(カナダ、ユナイテッドヘルスケア)、アルトゥーロ・モーラオルティス(スペイン、カハルーラル)の4名が逃げる展開。タイム差は最大7分をマークした。

2つの3級山岳はいずれもメストレが先頭通過。やがてチームスカイ、ガーミン・サーヴェロ、オメガファーマ・ロットがコントロールするメイン集団はタイム差を詰め、最後まで抵抗したメストレをラスト16km地点で吸収する。集団は一つのままゴール前に差し掛かった。

オメガファーマ・ロットがコントロールするメイン集団オメガファーマ・ロットがコントロールするメイン集団 photo:Cor Vosラスト1kmを切ると、短い上りを利用してジルベールがアタック。ジ得意のスパートでスプリンターひしめく集団を引き離したジルベールは、5秒のリードを維持したままゴールに飛び込んだ。ステージ2位にはゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)、ステージ3位にはジルベールのチームメイトであるアンドレ・グライペル(ドイツ)が入った。

スプリンターを振り切ってゴールしたフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)スプリンターを振り切ってゴールしたフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vosジルベールは今シーズン初勝利。オメガファーマ・ロットのヘルマン・フリソン監督は「レース前のミーティングで話していた通り、フィル(ジルベール)はラスト800mの登りでアタックした。ユルゲン・ルーランズが巧く集団のペースを落としたので差が広がったんだ。他のチームは驚いたと思う。チームには素晴らしいメンバーが揃っている。みんな助け合いながら集団前方で走り続けていた」と、チームのシーズン1勝目を満足げに語った。

注目のコンタドールは集団内の28位でゴール。大会連覇に向けて上々のスタートを切った。「5〜6ヶ月の長い月日を経て、今こうしてレースに戻ってきたことが何よりも大切なんだ。何度も何度も眠れない夜を経験した。レースに出場していることが勝利に等しいよ。」この日のスタート前、コンタドールはレキップ紙のインタビューでそう語っている。

レース展開ならびに選手コメントはオメガファーマ・ロット公式サイトより。

ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2011第1ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)   4h36'36"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)           +05"
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
6位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
7位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
9位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)

個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)   4h36'26"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)           +09"
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)        +11"
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)         +15"
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
6位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
7位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
9位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)

ポイント賞
フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

山岳賞
リカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)

チーム総合成績
オメガファーマ・ロット

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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