2011年2月7日、チャレンジ・マヨルカ第2戦トロフェオ・カラミヨール(UCI1.1)が開催され、若手ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)との接戦を制したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)が2連勝。土井雪広(日本、スキル・シマノ)は177位でレースを終えた。

少しずつ春めくマヨルカ島を駆け抜ける少しずつ春めくマヨルカ島を駆け抜ける photo:Cor Vosトロフェオ・カラミヨールはソンセルベラからカラミヨールまでの172.4km。途中標高200mに満たない4級山岳が3つ設定されているが、スプリンターを苦しめるような難易度ではない。

この日は無線使用禁止に対する抗議行動は無し。前日のような抗議が続いた場合、UCI(国際自転車競技連合)がレースを中止するという強い意志を示した影響だ。UCIはワールドツアー以外のレースでの無線機使用を全面的に禁止している。

兄弟揃って走るアンディ・シュレクとフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)兄弟揃って走るアンディ・シュレクとフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) photo:Cor Vos最初の4級山岳通過後、メイン集団から飛び出したのはルイス・パサモンテス(スペイン、モビスター)、スティーヴン・コッザ(アメリカ、チームネットアップ)、アドリアン・サエス(スペイン、オルベア)の3名。タイム差は瞬く間に9分まで広がった。

メイン集団のコントロールを担ったのはガーミン・サーヴェロ、レディオシャック、そしてレオパード・トレック。集団スプリント狙いのこれらのチームは、レース後半に入ると容赦なくタイム差を削り取る。

メイン集団をコントロールするレディオシャック、ラボバンク、レオパード・トレックメイン集団をコントロールするレディオシャック、ラボバンク、レオパード・トレック photo:Cor Vosツアー・ダウンアンダーでも数回逃げを試みたパサモンテスが終盤に逃げグループからアタック。しかしメイン集団を振り切れずにラスト15kmで吸収される。フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が得意のアタックで揺さぶったが、最終的に集団は一つのままゴールスプリント勝負に突入した。

ガーミン・サーヴェロとHTC・ハイロードの熾烈なポジション争いの末に、ファラーとデゲンコルプが先頭でスプリント。バイクを投げ込んでの僅差のスプリントバトルを制したのは、経験で勝るファラーだった。

デゲンコルブとの接戦を制したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)デゲンコルブとの接戦を制したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) photo:Cor Vos昨年ツアー・オブ・カタールに出場し、2度ステージ2位に入ったファラー。今年はスケジュールを変更し、ツアー・ダウンアンダーに初出場。そこでコンディションを上げ、このマヨルカで成績を残している。この好調ぶりを春のクラシックシーズンに繋ぎたいところだ。

2位に入ったデゲンコルブは、昨年ロード世界選U23ロードレースで2位に入ったジャーマンスプリンター。HTC・ハイロードのスピードを支える新鋭であり、これから何度もその名前を聞くことになるだろう。2009年のツアー・オブ・ジャパンでステージ3勝を飾り、デゲンコルブと一緒に今年HTC・ハイロードに加入したリー・ハワード(オーストラリア)も3位に食い込んでいる。

土井雪広は46秒遅れの177位でフィニッシュ。土井の見せ場は山岳コースが設定された第3戦トロフェオ・インカと第4戦トロフェオ・デラ、第5戦トロフェオ・マガルフ・パルマノバだ。

レース展開はレース公式サイトより。

トロフェオ・カラミヨール結果
1位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)   4h04'11"
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)
4位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
5位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
6位 マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)
7位 ダニエル・ショルン(オーストリア、チームネットアップ)
8位 ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)
9位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レオパード・トレック)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
177位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)              +46"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos