マヨルカでのトレーニングキャンプに参加したレオパード・トレックの主要選手に、シーズンインまでのことと、新しくなったバイクのセッティングについて訊いた。まずはツール・ド・フランス2010総合2位のアンディ・シュレクから。

陽気に質問に応えてくれたアンディ・シュレク(ルクセンブルグ、レオパード・トレック)陽気に質問に応えてくれたアンディ・シュレク(ルクセンブルグ、レオパード・トレック) (c)Makoto.AYANO-- アンディ、ここでのトレーニングはどのくらいになるの? そしてどう過ごしているの?

マヨルカにはチームプレゼンの翌日に到着したんだ。1月7日にね。
1月20日までここでトレーニング予定だよ。ルクセンブルグは今はとても寒くて、例年より雪が多いんだ。40センチも積ったんだ。16年間、そんなに降っていなかったのに! 例年ならば気温は5度~10度ぐらいあるからまったく雪はなくて問題なくトレーニング出来ていたんだけどね。

今年の冬はそんな感じだから、マウンテンバイクでもトレーニングはしたけど、やっぱりクラッシュしたくないしね。自転車以外にもスキーやクロスカントリースキーなんかもオフトレに取り入れているよ。

-- 今年最初のレースは何に出る予定?

「マヨルカ・チャレンジ」になるよ。2月6日だったかな。だからまたここに戻ってくるよ。

でもレースといっても、自分にとってはトレーニングキャンプの一部みたいなものだね。今行っているトレーニングでどれぐらい走れるようになっているのか確認もしたいね。

-- 今現在、マヨルカではどのようなトレーニングを中心にやってますか?ロングディスタンス?それともインターバル?

正直自分達は、あまりロングディスタンスはやらないかな。短めを好むね。でも6時間乗る時もあるけど。インターバルも取り入れているよ。

-- 新チームのレオパードは、どう感じる?

レオパード・トレックのチームウエアは格好いいだろう!!ランス(アームストロング)達がスペシャルで作ったレディオシャック「28」ジャージもかなりイケてると思うけど、これも負けないぐらいクラシックなスタイルでクールだと思うよ!

-- 新たに乗ることになったトレックのバイクに関してはどう感じますか?

今現在、マーケットにあるロードバイクの中でベストだと言えるね。昨年まではスペシャライズドに乗っていたわけだけど、正直いいバイクだったよ。
トレックは、リアのドライブトレイン周りの剛性がしっかりしている。だから踏めば踏むだけしっかり推進力になって進んでくれるんだ。まったく力を無駄にしていないね。それでいて乗り心地がとてもいいのが気に入っている。ハンドリングに関しては今日もトレーニング中に下りでテストしたけど、ボントレガーホイールとの相性も抜群だね。タイヤのテストも兼ねてコーナーリングでのテストも繰り返し行ったけど、何も文句はないよ。

-- 今までにシマノのコンポーネントを使用したことはあるの?

いや、これが初めてのこと。スラムがいいのは知っているけど、他のも試してみたかったんだ。でも個人的にはカンパは何故かあまり好きじゃないんだ。
シマノは今回テストして、電動変速機は使ってみて5分後には"これで行こう"って即決したよ。このDi2は革命的な開発だと思う。過去にはマビックもやってたけどね...。

アンディ・シュレク(ルクセンブルグ、レオパード・トレック)アンディ・シュレク(ルクセンブルグ、レオパード・トレック) (c)Makoto.AYANO-- シマノのコンポーネントの魅力は?

僕にとってはフィッシングタックルが魅力的だよね! 僕は海釣りも川釣りもなんでもやるんだ。釣竿とかリールとか、いい製品があるよね。シマノの人に言ってなんとかならないかな(笑)? (もちろんジョーク)

-- TTバイクのスピードコンセプトはすでにテストした?

ウインドトンネルで試したよ。タイムトライアルは未だ自分の一番苦手なパートだから、これを克服することは非常に重要なんだ。
ウインドトンネルでは朝8時から昼12時まで4時間ずっと、乗っては降りての繰り返しで、オフシーズンの身体にはちょっと辛かった。テストで正確な数字を算出するためには、それなりに追い込まないといけないしね。ウインドトンネルの中は実は意外に寒いんだよ。

サンディエゴの風洞実験室でポジションを煮詰めるアンディ・シュレクサンディエゴの風洞実験室でポジションを煮詰めるアンディ・シュレク (c)Makoto.AYANO-- ポジショニング中のビデオを観たけど、何か変わった? たとえばポジションは?

ああ、大きく変わったよ。正確な数字は覚えてないからトレックのチーム担当のベン(コーティス)に聞いて欲しいんだけど、ポジションは全くと言っていいほど大きく変わったよ。

-- それは数ミリ? それとももっと大きな単位で?

たぶんセンチメートルだね。

-- 今年最も重要なレースは?

もちろんツール・ド・フランスだよ。驚いたかい?(笑)

-- ではクラシックはどうするの?

リエージュ(~バストーニュ~リエージュ)とアムステル(ゴールドレース)かな。2年前にリエージュでは勝ってるからね。調子が良く、フレッシュな状態でレースに挑めたら勝ちを狙いに行く自信はあるよ。
もし僕が98%の調子でそれらのレースに臨めれば勝てるんだ。

-- 今年はカンチェラーラがそれらのアルデンヌクラシックに勝ちに行くことを表明しているけど、どう思う? 優勝候補同士かち合うんじゃない?

さあ、どうだろう? それは彼に聞いてね(笑)。

アンディ・シュレクのバイク

アンディ・シュレクのトレック・マドンSSLアンディ・シュレクのトレック・マドンSSL (c)Makoto.AYANO

アンディの乗るトレック・マドン6.9SSLは、一目見てそのステムの長さに驚かされる。その長さ140mm。フレームサイズを1つ大きくしてやっと適正になるのではないかと思えるほどだが、サドルとハンドルとの落差を確保することを優先するとこのサイズに落ち着くのだという。

アンディのハンドルポジション アナトミックハンドルを使用するアンディのハンドルポジション アナトミックハンドルを使用する (c)Makoto.AYANO実に140mmある長さのステム実に140mmある長さのステム (c)Makoto.AYANO


ハンドルのシェイプはアナトミック形状で、サクソバンク時代とは違う形状を試しているようだ。サドルもボントレガーのサドルから比較的クッションの厚みがあるサドルを試用中。乗り始めて間もないため、これはシーズンインまでに変わるのではないかと思われる。

ボントレガーの新型カーボンディープリムホイールボントレガーの新型カーボンディープリムホイール (c)Makoto.AYANOトップチューブのカラーリングはあくまで爽やかだトップチューブのカラーリングはあくまで爽やかだ (c)Makoto.AYANOシートチューブにLEOPARDの文字が入るシートチューブにLEOPARDの文字が入る (c)Makoto.AYANO

ホイールはボントレガーのプロトタイプ。ニップルが露出したタイプで、高いリムながら空気抵抗を小さく抑えることができる、リム中央部に厚みがあるタイプのようだ。現在レディオシャックの選手たちもテスト中だということ以外の詳細は明らかにされなかった。

新型ホイールにセットされるタイヤはシュワルベのULTREMO HT 25Cチューブラー新型ホイールにセットされるタイヤはシュワルベのULTREMO HT 25Cチューブラー (c)Makoto.AYANOペダルはスピードプレイを継続使用するペダルはスピードプレイを継続使用する (c)Makoto.AYANO

タイヤにはシュワルベ製チューブラータイヤ ULTREMO HT25Cが使用されていた。ダイヤ目のトレッドは非常に頑丈そうな印象だ。


photo&text Makoto.AYANO
Special Thanks to: LEOPARD TREK, TREK USA, TREK Japan

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