いよいよ1月16日に2011年シーズンが幕を明ける。真夏のオーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダーは、今年発足したUCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーの初戦にあたり、全プロチームが参戦。レオパード・トレックのデビュー戦でもある。ここではコース全体の様子を見ておこう。

アデレード市内で開催されるキャンサー・カウンシル・クラシックアデレード市内で開催されるキャンサー・カウンシル・クラシック photo:Kei Tsuji1999年に第1回大会が開催されたツアー・ダウンアンダーは、オーストラリア最大の自転車イベントに成長した。昨年の観客動員数はのべ過去最高の76万2000人を記録している。

今年で開催13回目。2008年にヨーロッパ圏外で初めてUCIプロツアーレースに指定された大会であり、ロードレースの国際化、ならびにシーズンスタート早期化の火付け役でもある。

真夏のオーストラリアを駆け抜ける真夏のオーストラリアを駆け抜ける photo:Kei Tsuji1月と言えば、ヨーロッパではシクロクロスシーズンの真っ盛り。寒さに震えるヨーロッパを抜け出した選手たちが、夏の盛りを迎えた南半球オーストラリアにやってくる。

UCIプロツアーレース化とともに知名度と出場選手の豪華さが大幅にアップ。今年からはUCIワールドツアーに組み込まれている。数年前までは「シーズン最初の調整レース」の印象が強かったが、近年は本気で勝利を狙って出場する選手が増えた。

観客が詰めかける第5ステージのウィランガ・ヒル観客が詰めかける第5ステージのウィランガ・ヒル photo:Kei Tsujiシーズン初戦だけに、レース結果以外の注目度も高い。2011年大会はレオパード・トレックのデビュー戦であり、ニューバイクやジャージなどが真夏の太陽の下で披露される。また、ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の海外最終戦としても注目されている。

レース開催場所は南オーストラリア州の州都アデレード近郊。「ダウンアンダー」とは元々イギリスから見て地球の裏側にあるオーストラリアやニュージーランドを指す言葉だ。ヨーロッパ在住の選手たちは長時間のフライトと大きな気温の変化を体感するため、時間に余裕をもって現地入りしている。なお、日本との時差は0.5時間(現在はサマータイム期間中なので日本時間+1.5時間)ある。

ツアー・ダウンアンダー2011第5ステージ・コースプロフィールツアー・ダウンアンダー2011第5ステージ・コースプロフィール image:www.tourdownunder.com.au開催期間は16日から23日までの8日間で、初日には「キャンサー・カウンシル・クラシック」と呼ばれるクリテリウムレースが開催。このクリテリウムは顔見せ的な意味合いの強く、18日から6日間に渡って開催されるワールドツアーレースの本戦には含まれず、総合成績には反映されない。

ツアー・ダウンアンダー2011第5ステージツアー・ダウンアンダー2011第5ステージ image:www.tourdownunder.com.au本戦の全6ステージはいずれも全長が150km以下。同地域には大きな山脈が無く、大会の最標高地点も標高500m程度と低い。海沿いの平野部や、ワインの産地として世界的に有名なクレア・バレーと呼ばれる丘陵地帯がコースの大部分を占めている。

TTスペシャリストがリードを広げるようなタイムトライアルも無ければ、クライマーが活躍するような山岳ステージも無い。毎年総合上位に名を連ねるはスプリンターたちだ。

唯一スプリンターの障害となるのが、最終日前日、第5ステージのゴール手前に登場するウィランガ・ヒル。計2回登場するこの上りは、7.5%ほどの勾配が3kmに渡って続く大会最大の難所であり、毎年大勢の観客が詰めかける。最後の登坂(ゴール20km手前)でアタックを成功させ、ゴールまでスプリンターたちを振り切ることが出来れば、アタッカーにも総合優勝のチャンスはある。

最終日はアデレード市内で行なわれるクリテリウム。アデレード市民の大歓声に包まれる中、スプリンターたちの最後のバトルで大会は締めくくられる。

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text&photo:Kei Tsuji

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