ドーピングによる出場停止処分を受けていたダニーロ・ディルーカ(イタリア)が、ロシアのカチューシャと契約を結んだとイタリアのガゼッタ紙が伝えた。契約は1年間で、給与は発生しない。ジロ・デ・イタリアではホアキン・ロドリゲス(スペイン)をサポートし、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を狙う。

カチューシャジャージに袖を通したダニーロ・ディルーカ(イタリア)と、同チーム代表のアンドレイ・チミル氏カチューシャジャージに袖を通したダニーロ・ディルーカ(イタリア)と、同チーム代表のアンドレイ・チミル氏 photo:Cor Vos2009年のジロ・デ・イタリアでステージ2勝&総合2位という好成績を残しながら、大会期間中のドーピング検査で2度CERA(第3世代EPO)の陽性反応が検出されたディルーカ。当初は2年間の出場停止処分が決定されたが、ドーピング捜査への協力が評価され、処分期間が短縮された。

2010年10月15日にレース復帰が可能となり、所属チームを探していたディルーカが2011年のパートナーとして選択したのは、アンドレイ・チミル氏が代表を務めるロシアのカチューシャだった。契約は1年間で、特例としてチームからの給与は発生しない。

3年目を迎えるロシアのカチューシャ3年目を迎えるロシアのカチューシャ photo:Kei Tsuji「私は生まれ変わった。チミル氏と特別な契約を結び、無償で走ることが決まった。有り難いことにアスタナも興味を示してくれていたが、カチューシャの関係者と会ってみて、このプロジェクトが正しい選択だと判断した」ディルーカはガゼッタ紙のインタビューでそう語っている。

「ディルーカはロードレースを愛している。お金が目的ではなく、本当にロードレースに復帰したいと願っていた」ガゼッタ紙の中でチミル氏はそう語っている。チミル氏はディルーカが500人の学生たちの前で過去の過ちを認めたというエピソードに心を打たれ、獲得に乗り出した。

チミル氏によると、ディルーカはジロ・デ・イタリアでロドリゲスをサポートする。ディルーカにチャンスが回ってくるのはブエルタ。ディルーカは過去に5回ブエルタに出場し、ステージ通算2勝を飾っている。完走は2002年の1回だけ(総合20位)だ。

ディルーカは2月6日にスペイン・マヨルカ島で開幕するチャレンジ・マヨルカでシーズンインする。その後、GPライグエリア、ジロ・ディ・サルデーニャ、ティレーノ〜アドリアティコ、ミラノ〜サンレモ、パイスバスコ、アムステル・ゴールドレース、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ジロ・デ・イタリアを走る予定だ。

text&photo:Kei Tsuji