過去に3回ロードレース世界チャンピオンに輝いているオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が、当初の現役引退予定を先延ばしし、2012年のロンドンオリンピックで金メダルを狙うことを表明した。

2010年ミラノ〜サンレモ 圧倒的なスプリントで優勝したオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)2010年ミラノ〜サンレモ 圧倒的なスプリントで優勝したオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:Cor VosスペインのAS紙に語ったところによると、フレイレはオリンピックを他のロードレースとは別格の大会だと捉えている。そして、選手を競技に打ち込ませる不思議な魅力があると。

「自転車競技に専念している限り、ほぼ同じ環境に身を置き続けることになる。毎年、特に代わり映えしないシーズンの繰り返しだ。でもナショナルチームの一員としてオリンピックに出場すると、他の競技の選手と交流することができる。それは素晴らしい経験だ」

2010年パリ〜トゥール スプリントで先頭に立つオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、後方に新城幸也(Bboxブイグテレコム)の姿も2010年パリ〜トゥール スプリントで先頭に立つオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、後方に新城幸也(Bboxブイグテレコム)の姿も photo:Cor Vosフレイレは過去最も成功したスペイン人ワンデーレーサーだ。1999年、2001年、2004年のロード世界選手権でアルカンシェルを獲得。昨年ミラノ〜サンレモで3度目の勝利を飾り、パリ〜トゥールで初勝利を遂げた。

「すでに2つのワンデークラシックを制したことがある。でもまだ勝ち足らない」

今年2月に35回目の誕生日を迎えるフレイレは、過去に3回オリンピックに出場している。2000年のシドニーオリンピックのロードレースでフレイレは17位。2008年の北京オリンピックでは、同じスペイン出身のサムエル・サンチェス(エウスカルテル)の金メダル獲得をサポートした。

さしあたり、今シーズンの目標はロード世界選手権で4着目のアルカンシェルを手にすること。デンマーク・コペンハーゲンの世界選コースは平坦基調のコースであり、スプリンター向きだと言われている。フレイレは2月のチャレンジ・マヨルカでシーズンをスタートさせ、ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャを走る予定だ。

「世界選手権の勝利数が増えるほど、次のアルカンシェルのハードルが高くなっている気がする」

フレイレが納得の2011年シーズンを怪我無く走り切ることができれば、ロンドンオリンピックが現役最後のレースになる。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji