別府匠監督のもと、中島康晴、伊藤雅和、木守望が加入する愛三工業

2010/12/28(火) - 00:14

愛三工業レーシングが来季の体制を発表した。新加入選手は3人、そして別府匠・新監督が目指すのはUCIアジアツアー。コンチネンタル登録して6年目、チームは活動をヨーロッパにまで広げる構想を持つ。初戦は1月23日開催のツール・ド・ランカウイ（2.HC)だ。

2011年体制発表会 photo:Hideaki.TAKAGI12月27日、愛三工業レーシングチームは2011年度の新体制を本社（愛知県大府市）にて発表した。
チームの活動は昨年に引き続きUCIアジアツアーを主戦場とする。さらに参加しやすくなった実業団レースへ出場するほか、スポット参戦でヨーロッパのレースに参加する計画だ。

別府匠が監督となり、新加入の選手は3名。中堅の中島康晴（TEAM NIPPO）と、大学生から伊藤雅和（鹿屋体育大学）と木守望（京都産業大学）が卒業後に加入する。ヨーロッパで活動した中島と、強豪学生選手2名の加入で、チームはオールラウンダー系からスピード系の選手層が厚くなった。自転車レースの基本はスピード、それを実証できる体制作りが整った。

別府匠の監督就任により、田中光輝はゼネラルマネージャーに、中根賢二はスーパーバイザーになる。中根氏は自転車競技部だけでなく、陸上競技部やバレーボール部など全体のバイザーになる。

チームはUCIコンチネンタルチームとして登録、国内では全日本実業団自転車競技連盟のJ Pro Tourに登録する。

愛三工業ではヨーロッパを経験したオールラウンダーとして期待される中島康晴 photo:Hideaki.TAKAGI優先するのは「UCIポイントを獲得して世界選手権、ひいてはオリンピックの枠を増やすこと」だ。

実業団レースについては「今まで出たかったが、出られなかった。1チーム3名以上の規定のため、海外遠征が多く、出場を諦めざるを得なかった。新年度からは1名でも参加できるので、遠征以外の期間はもちろん、遠征中でも国内メンバーは参加していく」としている。

研修生については新年度も積極的に取り入れていく。2010年は伊藤雅和、木守望、早川朋宏を研修生で迎え、うち大学4年生の伊藤と木守が正選手として今回加入した。「新年度も学生かどうかは問わず、現場で適切と判断された選手は、積極的に研修生としてスカウトしたい」としている。

体制
登録：UCIコンチネンタルチーム

名称：愛三工業レーシングチーム　

2009年11月の熊本国際ロード優勝の中島康晴（EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン） photo:Hideaki.TAKAGI・UCI登録名　AISAN Racing Team

・スタッフ
　スーパーバイザー　中根賢二
　ゼネラルマネージャー　田中光輝
　監督　別府匠
　チーフメカニック　中島康仁
　マッサー　赤星太朗
　アシスタント　渡会菜々
　アドバイザー　別府始

・選手
　綾部勇成（キャプテン）　Takeaki AYABE　1980年9月5日生まれ　神奈川県出身
　西谷泰治　Taiji NISHITANI　　1981年2月1日生まれ　広島県出身
　鈴木謙一　Kenichi SUZUKI　1981年5月7日生まれ　静岡県出身
　品川真寛　Masahiro SHINAGAWA　1982年2月15日生まれ　京都府出身
　盛　一大　　Kazuhiro MORI　　1982年9月17日生まれ　千葉県出身
　福田真平　Shimpei Fukuda 　1987年11月22日生まれ　神奈川県出身
　中島康晴　Yasuharu NAKAJIMA　1984年12月27日生まれ　福井県出身　※Team NIPPOより移籍
　伊藤雅和　Masakazu ITO　　1988年6月12日生まれ　神奈川県出身　※鹿屋体育大学卒業後に加入
　木守望　　Nozomu KIMORI　 1989 年2月1日生まれ　和歌山県出身　※京都産業大学卒業後に加入

アタックが身上の伊藤雅和。2010年3月の実業団熊谷クリテで photo:Hideaki.TAKAGI・別府匠監督
監督の話をいただき光栄に思う。はじめは戸惑ったところもあったが、自分自身03年まで日本鋪道（当時）でヨーロッパを走っていたし、この自分の経験が生きるならと、監督をさせていただくことにした。
チームの戦い方はやはり西谷・盛のスピードを武器にするが、綾部や鈴木謙一も上りを強化しているので、オールラウンドに戦えると思う。監督の初仕事はランカウイだが、田中と共に参加して（第2監督車まで出る）監督業の引継ぎをする。

・経歴：中島康晴
福井県出身、2002年インターハイ　ポイントレース優勝、鹿屋体育大学卒業、梅丹本舗を経て2010年はTeam NIPPO。09年熊本国際ロード（UCI1.2）優勝、09年10年国体ロードレース優勝。

2010年10月の熊本国際ロードで、愛三工業メンバーとして参加した研修生当時の木守望 photo:Hideaki.TAKAGIコメント
　自分はアップダウンのコースが得意。チームの役割をまずこなすこと。スピード系のチームだが自分が押さえることのできる部分があると思っている。オーダーにもよるができればUCIのステージ優勝をしたい。国内では全日本選手権をチームで狙うし、チャンスがあればそれは自分自身も狙いたい。
なお、中島のチーム初戦は3月9日からのジェラジャ・マレーシアの予定。

・経歴：伊藤雅和　　神奈川県出身、鹿屋体育大学卒業予定、08年ツール・ド・インドネシア（UCI2.2）ステージ2勝、08年ツール・ド・北海道（UCI2.2）U23優勝、10年学生チームロード優勝など。スピードを武器に耐久力も持ち合わせる選手。

・経歴：木守望
　和歌山県出身、京都産業大学卒業予定、09年学生個人ロード優勝、09年学生トラック・ポイントレース優勝、09年ジャパンカップ・オープン2位など。09年、10年と2シーズンを、学連と平行してコンチネンタルチームの研修生でUCIレースに参加。スピード系のオールラウンダー。