TEAM NIPPOは来季、大きく変わる。内間と小森を獲得し日本人は若手中心に5人だけ、活動はヨーロッパ中心だ。国内はUCIレースに参戦する。来季体制を大門宏監督に聞いた。

小森が優勝した2008年全日本選手権U23。終盤逃げる小森と内間小森が優勝した2008年全日本選手権U23。終盤逃げる小森と内間 photo:Hideaki.TAKAGI
今季国内のUCIレースや全日本選手権で、最強軍団としてその力を見せたTEAM NIPPO。来季はイタリアのボローニャに拠点を移し、日本人選手は5名だけでイタリア中心に活動する。チームの初戦はアルゼンチンで1月17日から始まるTour de San Luisだ。

インカレロード2010優勝の内間康平。2位は西薗良太(東京大学)インカレロード2010優勝の内間康平。2位は西薗良太(東京大学) photo:Hideaki.TAKAGI国内レースはUCIレースや全日本選手権に出場。日本を含めたアジア地域ではUCIポイント獲得が最低条件で戦う。
今までよりも圧倒的に海外で走る期間が長くなり、日本人選手も大幅に変わる。若手中心の起用だ。さらに大門宏監督と並んで橋川健氏も監督となる。フレームは8年間使用してきたCOLNAGOから、ディルーカが出資した新ブランドのKYKLOSになる。

なお、育成チームのチーム・ユーラシアも引き続き活動する。詳細はおってレポートします。

内間康平 1988年11月8日生まれ
沖縄県出身の現在鹿屋体育大学4年生。来春卒業後に正式加入となる。大学入学後にチームの環境と、当時日本ナショナルチーム監督の三浦恭資氏の指導で頭角を現し、ツアー・オブ・タイランド2010第5ステージ優勝、学生個人ロード優勝、インカレロード優勝、ツール・ド・北海道2009・2010 U23総合優勝など、今や大学生を代表する選手。今年の世界戦ロードとジャパンカップは、同じく新加入になる小森とともに日本代表として出場している。


ジャパンカップ2010でジャパンナショナルチームで連続出場の小森亮平ジャパンカップ2010でジャパンナショナルチームで連続出場の小森亮平 photo:Hideaki.TAKAGI小森亮平 1988年9月26日生まれ
広島県出身の選手で、今年はBboxブイグテレコムのサテライトチームであるフランスのヴァンデUに所属。昨年はランス・アームストロングが立ち上げたトレック・リブストロングU23に所属。それ以前はボンシャンスに2年間所属してフランスで活動。ボンシャンス時代の2008年に、地元広島で行われた全日本選手権ロードU23で優勝している。その時ともに逃げた内間は2位。2009・2010年世界選手権ロードU23出場。



大門宏監督が語るチームの来季体制

チームの方針
チームはヨーロッパのUCIレースを中心に戦い、そこでUCIポイントなどの結果を残すことを目的とする。そのため日本人選手は5人(うち4人が決定)のみ。もちろん日本を含めたアジアツアーにも参戦する。日本人選手はそこでUCIポイントを獲得して、ロンドンオリンピックに備えることが最低限の目標になる。

日本人選手の活動
チーム自体がヨーロッパでのUCIレースが中心なので、日本人選手もそこで可能な限り出場する。国内レースにはあまり出られないが、そこで自信をつけさせることが目標ではない。内間と小森にとって来年は大変厳しい我慢の年になる。最低2年間は極力UCIレースを走らせて、厳しい世界を経験させる。
早速、内間は12月17日から20日までのイタリアでの最初のチームミーティング&トレーニングキャンブに参加する。

ファルネーゼヴィーニ・ネーリとのチームの関係は
今回のチームの第3スポンサーである、フェウデイ ディ サンマルツァーノとファルネーゼヴィーニは社長が同じ。宮澤崇史はファルネーゼビニに行くが、株式会社NIPPOは彼個人へのサポートを来季も続ける。今までもISD(ファルネーゼヴィーニの今年の名称)とNIPPOは現地で協調体制だったので近い関係だ。
宮澤は、チーム内で教わる立場でないといけない。だからNIPPOより上のチームで走らなければならない。2012年以降、たとえばこの2チームがひとつになることもありうるし、そのときは再びともに戦うことができる。


来季も続いて所属の24歳菊池誠晃来季も続いて所属の24歳菊池誠晃 photo:Hideaki.TAKAGI【2011年度、チーム体制と概況】

チーム概要及び体制

■登録チーム名称■
D'Angelo Antenucci-NIPPO corporation

日本語表記(注意)
ダンジェロ アンティヌッチィ 株式会社NIPPO

*D'Angelo Antenucciは、2010年にプロコンチネンタルチームのアックア・エ・サポーネのセカンドスポンサーだった

■カテゴリー■
UCIコンチネンタルチーム

■登録国籍■
イタリア

■登録連盟■
FCI(イタリア)

来季も続いて所属の佐野淳哉。圧倒的なパワーが魅力だ来季も続いて所属の佐野淳哉。圧倒的なパワーが魅力だ photo:Hideaki.TAKAGINIPPO以外の主要民間協賛スポンサー

○ダンジェロ&アンティヌウッチ=イタリアの建設業者(企画、設計、施工)
http://www.dangeloeantenucci.it/index.asp
〇フェウデイ ディ サンマルッア-ノ =イタリア、プーリア州のワイン製造 販売メーカー
http://www.feudisanmarzano.it/eng/home.html

その他、協賛民間企業(イタリア)
RHUTTEN http://www.rhutten.it/marchi.php
BIORISTORO http://www.bioristoro.it/aziende.htm


宮澤崇史の来季チームとはスポンサーのつながりがある宮澤崇史の来季チームとはスポンサーのつながりがある photo:Hideaki.TAKAGI■チーム拠点(チームハウス(基地)=BOLOGNA(ボローニャ)■

【所属選手16名構成】

●日本国籍選手:5名(うち、決定は4名)

〇佐野淳哉 JPN09011982
〇菊地誠晃 JPN09041986
〇内間康平 JPN08111988(来春鹿屋体育大学卒業後正式加入)
〇小森亮平 JPN26091988

●イタリア国籍選手:9名(内定選手)

外国籍 内定メンバー(11月1日現在)明記以外の選手はイタリア人選手。

FORTUNATO BALIANI
RUBIANO CHAVER MIGUEL ANGEL(コロンビア)
FRUSTO HENRY
RICCIO BERNARDO
CAMPAGNARO SIMONE
MURAGLIA GIUSEPPE
TOROSANTUCCI DAVIDE
RICHEZE MAXIMILIANO(アルゼンチン)
ASCANI LUCA
ANDRENACCI DANILO

■日本人スタッフ■
監督:大門宏(日本 ヨーロッパ兼任)
監督:橋川健(ベルギー滞在)
メカニック:西勉(イタリア滞在)

ディルーカが出資するショップの新ブランド「KYKLOS」を使う ディルーカが出資するショップの新ブランド「KYKLOS」を使う  image:kyklosbike
〇フレームメーカー
KYKLOS(イタリア、中部、ペスカーラ市に本拠地を構える大手サイクルショップの新ブランド、地元の選手である ダニーロ・ディルーカが出資したショップメーカーとしても知名度は高まりつつある。
http://www.kyklosbike.it/

アッセンブル
〇メインコンポーネント:カンパニョーロ レコード11V
〇ホイール:カンパニョーロ
〇タイヤ:パナレーサー
〇ハンドル&ステム:デダ
〇サドル:セッラサンマルコ
〇ペダル:ルック
〇スピード&ハートレート&パワーモニター : ポラール
〇ヘルメット:ラス

text、photo&interview:高木秀彰

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