ポルトガル・アナディアで開催されたトラック競技のマスターズ世界選手権において男子40-44歳スクラッチで山口忠行(サイクルプラス)が優勝し、青地のアルカンシェルに袖を通した。女子45-49歳500mTTで和地恵美(たかだフレンド)が2位、濱田真子(湘南愛輪会)が3種目に入賞するなどの活躍を見せた。

スクラッチ(40-44歳の部)で優勝した山口忠行(チームサイクルプラス)スクラッチ(40-44歳の部)で優勝した山口忠行(チームサイクルプラス) 主な日本選手の成績
(日本からの参加者は4名=男2、女2)

山口忠行(チームサイクルプラス)
スクラッチ(40-44歳の部)優勝

濱田真子(湘南愛輪会)
スプリント(45-49歳の部)2位
スクラッチ(45-49歳の部)2位
インディビジュアルパーシュート3位

和地恵美(たかだフレンドレーシング)
500mタイムトライアル(45-49歳の部)2位





選手に帯同した橋本賢也さんのレポートにより紹介する(橋本さんも過去大会に出場した経験を持つ選手だ)。


ポルトガル・アナディアにある完成したばかりのサンガーリョス・ヴェロドロームポルトガル・アナディアにある完成したばかりのサンガーリョス・ヴェロドローム 10月23日から31日までの間、ポルトガル・アナディアにあるサンガーリョス・ヴェロドロームにて、大会が開かれました。
今年は30-34歳のクラスが無く、私は出場することができなかったため、同じクラブチームの和地恵美選手のサポートという形で参加しました。
ここではレース全体の雰囲気や遠征の模様、会場等のことを紹介いたします。

当地までは日本からの直行便は無く、我々はフランクフルト経由でポルトガル第二の都市ポルトに到着しました。
会場であるアナディア地区はポルトから車で約1時間半。交通の便や会場~ホテルの移動を考えてレンタカーで移動しました。空港でレンタカー会社が分からないトラブルがありましたが…。

完成したばかりの板張りトラックを走る選手たち完成したばかりの板張りトラックを走る選手たち 会場であるサンガーリョス・ヴェロドロームは最近できたばかりの国立の競技場で、非常にきれいな作りの室内バンクでした。

一般的な板バンクがフローリング状に板が並んでいるものが多いのに対し、集成材を細かく配したような走路面でした。実際に走行した選手の感想では、波打ちもなく、非常に抵抗が軽いバンクのようです。

大会3日目までは競技は行われず、各クラス・性別ごとに練習時間が設定されていました。
私たちが到着した時には練習時間が終了していたため、どうにか試走に入れないかと役員に確認したところ、見事に断られました。ラテンな気質の中でも厳格な一面もあるようです。やむを得ず翌日の公式練習まで待つことになりました。

参加国の国旗がずらりと並ぶ参加国の国旗がずらりと並ぶ 会場では世界各国28カ国から選手がエントリーし、日本からは4名の参加でした。いくつかの結果を残すことができ、選手たちも非常にレースを楽しめたようです。

マスターズの大会は真剣に競技に打ち込むだけではなく、海外の選手やその家族たちと触れ合うことができます。
結果だけが全てではなく、いつまでも自転車に乗れるという人生の楽しみでもあり、来年もまた友達に会いに行こうと思えるのかもしれません。

今回、JAPANブースはニュージーランドの選手たちと共同で使用しました。そこで仲良くなったオーウェンさんという男性は、なんと78歳。500mTTとパーシュートに出場していました。

彼が楽しそうに言った「Riding bicycle is reason of my living!(自転車に乗ることは私の生きがいです)」という言葉が、マスターズ世界選手権のスピリッツをよく言い表していると思います。

残念ながら、私は和地選手のサポートで先に帰ってきてしまったため、山口忠行さんの優勝の場面には立ち会う事ができませんでした。今回の世界選の詳細はオフィシャルサイトで確認してください。


report:橋本賢也