ジャパンカップ前日の10月23日、宇都宮市内オリオンスクエアにてジャパンカップオープニングイベントが催された。集まったファンはトークイベントやチームプレゼンテーションに大いに盛り上がった。

初の試みとなる宇都宮の目抜き通りでのクリテリウムは大盛況で大成功に終わった頃、コースからほど近い広場、オリオンスクエアではジャパンカップオープニングイベントの夕方の部が幕を開けた。

ガールズトーク

イベントを華やかにするのは、元モーニング娘。の吉澤ひとみさん、ガールズケイリンで活躍中の石井寛子選手と近藤美子選手の3人のトークショー。その名もずばり、「ガールズトーク」。

この日フリーランを走ったゲストの吉澤ひとみさんこの日フリーランを走ったゲストの吉澤ひとみさん photo:Kei Tsuji元モーニング娘。の吉澤ひとみさんとガールズケイリンの石井寛子選手元モーニング娘。の吉澤ひとみさんとガールズケイリンの石井寛子選手 photo:Yufta Omata


話は吉澤さんが自転車に乗り始めたきっかけから。なんと吉澤さん、ロードレースに出場するために自転車に乗り始めたのだそう。それも初めて乗って2週間でレースというタイトさ。それでも完走することができて、面白さに目覚めたのだとか。

一方、ガールズケイリンで活躍中の石井・近藤は自転車のプロ。トラック競技の魅力を時速60kmの疾走感(石井)、バンクを通るために観戦がしやすいこと(近藤)と、プロならではの言葉も飛び出した。ガールズトークらしく(?)どんどんと話題は移っていき、終始和やかに楽しい雰囲気のトークショーとなった。

クリテリウムスペシャルチームトークショー

つい数時間前に行われ、大勢の観客が沿道に溢れ返ったジャパンカップクリテリウム。このクリテリウムのために結成されたトップロードレーサーとケイリン選手の混成チーム、サーヴェロ・レディオシャック・ケイリンスペシャルチームの4人によるトークショー。

サーヴェロ・レディオシャック・ケイリンスペシャルチームによるトークショーサーヴェロ・レディオシャック・ケイリンスペシャルチームによるトークショー photo:Yufta Omataクリテリウムで逃げ、スプリント賞を獲得した別府史之(レディオシャック)クリテリウムで逃げ、スプリント賞を獲得した別府史之(レディオシャック) photo:Kei Tsuji


中でも序盤から逃げて会場を熱狂の渦に巻き込んだフミこと別府史之(レディオシャック)はここでも拍手喝采。ファンからの温かい声援を受けた。フミはあまりに多くの人達が沿道で応援してくれているのを見て、嬉しくてナミダが出たという。

反対に土俵違いの競輪選手にとっては厳しいレースになったようだ。トップ競輪選手である村上義弘選手は、「3周目で(隣にいる)渡邉が下ろされたと聞いて癒された(笑)」と苦しかったレースを告白。渡邉選手は「ロードレースは、するよりも見てる方がいいです」と会場の笑いを誘った。

急遽このクリテリウムの参加が決まったオスカル・プジョル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)だが、レース後半に集団を牽引するなど、積極的な走りを見せた。クライマーだから、と自重していたのが嘘のようだが、日本に来てからモチベーションが上がったのもその理由のひとつだろう。

フミがプジョルの「日本が大好きだよ!ヨーロッパではこんなにサインや写真をせがまれたことは無いよ!」という早速の日本偏愛ぶりを暴露。プジョルは「日本の人たちは温かい。来年もここに戻ってくる」とファンに約束した。

クリテリウムで観衆を魅了したフミと村上義弘(ケイリン)クリテリウムで観衆を魅了したフミと村上義弘(ケイリン) photo:Yufta Omata競輪選手の渡邉一成競輪選手の渡邉一成 photo:Yufta Omataクリテリウムレースを走ったオスカル・プジョル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)クリテリウムレースを走ったオスカル・プジョル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) photo:Kei Tsuji


渡邉選手が「ロードをぎゅっと凝縮したのが競輪」と言うと、村上選手は「競輪と比べて距離の長いロードレースは、その分考える時間も長い。いろいろ勉強になりました」。

クリテリウムの主役の一人だったフミは「今日は人がたくさんいて、シャンゼリゼ(2009年のツール・ド・フランスでフミはシャンゼリゼのクリテリウムで逃げて敢闘賞を獲得している)を思い出しました。たくさんの人の前で走れて嬉しかったです。こうやって多くの人にロードも競輪も楽しんでほしいと思います」と締めくくった。

ピンクリボンキャンペーン インフォメーション

乳がんは女性だけの問題と思っていませんか?男性の割合が多い自転車の世界だからこそ必要な乳がんの啓発。腫れ物ではなく、実際に起こりうる事態として、パートナーの協力による早期発見が乳がん治療の生命線。

ピンクリボンキャンペーンのインフォメーションピンクリボンキャンペーンのインフォメーション photo:Yufta Omata

JALのキャビンアテンダントの2人と、大会PRキャラクターの美崎悠さんがピンクリボンキャンペーンを紹介した。

片山右京スペシャルトークショー

47才にしてクリテリウムに参戦し、トッププロレーサーに混じって戦った男、片山右京。結果は残念ながらDNFに終わったが、集団から離れても最後まであきらめないその闘志と走りに、宇都宮の街が右京コールに包まれた。

すべてを出し尽くしたと語る片山右京さんと、今中大介さん、この日チャレンジレースを完走した安田大サーカス団長、美崎悠さんの4人で送るトークショー。

片山右京スペシャルトークショー片山右京スペシャルトークショー photo:Yufta Omata

団長はこのチャレンジレースに出るために1ヶ月半で10kgのダイエットに成功したエピソードを披露。その甲斐あってか、目標を達成する66位でゴールすることができて幸せそうな表情を浮かべる。自転車の本も出版し、団長の自転車熱はいよいよ留まるところを知らなさそうだ。

苦しいが大歓声を受けた片山右京さん。「つききれずに集団の後ろに下がっていったら、ガーミンの選手がお尻を押してくれた。そこでメーターを見たら時速56km!彼らは片手で走っているのに。そんな時に『F1見てたよ』なんて言われてもね(笑)」とプロレースの凄さを語る。

大会イメージキャラクターの美崎悠さんと安田大サーカス団長さん大会イメージキャラクターの美崎悠さんと安田大サーカス団長さん photo:Yufta Omataクリテリウムを走り終えた片山右京さんと今中大介さんクリテリウムを走り終えた片山右京さんと今中大介さん photo:Yufta Omata


クリテリウム中、宇都宮にこだました右京コールには、「これで自転車を降りるワケにはいかないな、と。結果すごく苦しんだけど(笑)」と苦々しくも、笑顔で感謝の表情を浮かべる。

レースの見どころとして、美崎さんが、「路面のペイントで名前が書いてあってすごかった。応援したい!」と言うと「ブリッツェンの気合いが入り方が違う」と右京さん。そして今中さんが「日本勢の意気込み、連覇を狙うサクソバンク、いい若手のいるガーミン、カチューシャ。そしてジロの区間3位から調子を上げ続けている新城の優勝に期待したい」と語った。

クリテリウム表彰式

熱戦が繰り広げられたクリテリウムの表彰式。3つある中間ポイント賞の表彰に諸事情で出席できない別府史之(サーヴェロ・レディオシャック・ケイリンスペシャルチーム)の代わりにMCのサッシャさんがジャージを着用する場面も。軽快なトークと英語のインタビューで盛り上がりを見せた表彰式となった。

MCのサッシャさんがフミに代わって中間ポイント賞ジャージを着る場面もMCのサッシャさんがフミに代わって中間ポイント賞ジャージを着る場面も photo:Yufta Omata

チームプレゼンテーション

プロツアー、プロコンチネンタルチームを含むジャパンカップに選ばれし13チームが集結。駆けつけたファンの前に姿を現すとともに、各選手明日の大会への意気込みを語った。

大いに盛り上がったのは新城幸也率いるBboxブイグテレコム。「ひょうきん係」担当(?)のダミアン・ゴダン(フランス)のパフォーマンスに会場が沸いた。とりわけ、会場にプレゼントを投げるユキヤその人を投げようとした時にはあちこちで爆笑の声。さすがのユキヤも苦笑い。

新城幸也を投げようとするダミアン・ゴダン(フランス、Bboxブイグテレコム)新城幸也を投げようとするダミアン・ゴダン(フランス、Bboxブイグテレコム) photo:Kei Tsuji

その他にもロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)らスター選手への声援が大きいのはもちろん、日本チームの選手の素顔の受け答えが会場を盛り上げた。

冷え込む夜の時間帯だったが、ファンの明日への期待で熱気高まるオリオンスクエアであった。


text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji,Yufta Omata

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