3月31日から4月5日まで6日間に渡って開催された第39回セッティマーナ・ロンバルダ(UCI2.1)。初日のチームTTを制した強力なLPRブレークスが最後までその優位を崩さず、ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア)が総合優勝を飾った。レース後半戦のレポート。

第4ステージ ヴェルトヴァ〜ヴェルトヴァ 183.6km
スプリント2勝目を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)、後方でディルーカも手を挙げるスプリント2勝目を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)、後方でディルーカも手を挙げる photo:Cor Vosセッティマーナ・ロンバルダも後半戦に突入した。第4ステージは2級山岳ラ・フォルチェッラ(標高632m)を3回通過する183kmの山岳コース。

序盤からダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、ISD)ら3名が逃げたが、LPRブレークスの集団コントロールによりタイム差は2分38秒以上に広がらない。集団からは山岳ポイントでダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)らが飛び出したが、リードを広げる前に吸収された。

山岳コースにもかかわらず最後は80名ほどの集団スプリントに持ち込まれ、ダニーロ・ディルーカ(イタリア)に発射されたペタッキが、ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)やフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオロAスタイル)を下して勝利を飾った。

今大会2勝目で総合トップをキープしたペタッキは「上りは苦戦を強いられたけど、何とか乗り切った。下りでディルーカに調子の良さを伝えると、彼は僕の発射台を進んで引き受けてくれた。そのチャンスを逃さなかった」と語る。ジロではステージ優勝の量産と、マリアチクラミーノ獲得を狙う。

第4ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)4h23'44"
2位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
3位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオロAスタイル)
4位 サイモン・クラーク(オーストラリア、アミーカチップス)
5位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
総合首位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)



第5ステージ フレロ〜フレロ 159km
早めに仕掛けたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)が両手を挙げてゴール早めに仕掛けたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)が両手を挙げてゴール photo:Cor Vos2級山岳カヴァッロ峠と、1級山岳マッダレーナ峠を超える本格的な山岳ステージ。アタック合戦の末、トーマス・デヘント(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)が単独逃げを成功させ、カヴァッロ峠を先頭で通過。しかしこの日の最大の難所マッダレーナ峠の麓で吸収された。

集団はLPRブレークスが牽引して1級山岳マッダレーナ峠を進み、頂上まで3kmを残してマウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)がアタック。ジロとツールに出場できないバルロワールドのソレールは奮起し、後続を37秒引き離して頂上を通過。

バリアーニに祝福されるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)バリアーニに祝福されるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ) photo:Cor Vos後続はドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)やダヴィデ・レベッリン(イタリア、ゲロルシュタイナー)が集団から飛び出して追走した。

長いマッダレーナ峠の下りを終え、ゴールまで5kmを残してソレールにレベッリンやポッツォヴィーヴォ、そして総合2位のダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)が合流し、先頭は6名に。

最後はこの6名によるスプリント勝負に持ち込まれ、軽量クライマーのポッツォヴィーヴォがレベッリンらを下して勝利。これまで山岳で強さを見せていたポッツォヴィーヴォが、プロ5年目で初勝利を飾った。「アマ時代の勝利を最後に、ここ5年間は勝利に見放されていた。脚も痙攣していたし、まさかスプリントで勝てるとは思っていなかったので驚きだ。まだ信じられない気分。この勝利で波に乗りたい」と喜びのコメントを残している。

また、山岳で大きく遅れたペタッキに代わって、ステージ3位に入ったチームメイトのピエトロポッリがリーダージャージを獲得。「(昨年大会覇者の)ディルーカで総合成績を狙っていたから、まさか自分がリーダージャージを着るとは思っていなかった(ディルーカは1分16秒遅れのステージ31位)。ただ総合トップ10に入ればいいなと思っていただけ。明日のステージも厳しいから喜んでばかりはいられない」。

第5ステージ結果
1位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)3h47'46"
2位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+02"
3位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)
4位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
5位 マッシモ・ジュンティ(イタリア、ミケ)
総合首位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)



第6ステージ モンテッロ〜ベルガモ 131km
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)を僅差で破ったルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)を僅差で破ったルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) photo:Cor Vos距離は131kmと短いが、中盤にカテゴリー2級と1級の山岳、そしてラスト4kmで3級山岳アペルト峠を越える。最後の最後まで油断禁物の山岳ステージだ。昨年の総合優勝者ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)は風邪によりスタートせず。アルデンヌ・クラシックへの影響が心配される。

レースは序盤の平坦区間でアタック合戦が繰り広げられ、50km/h近いスピードで進行したのち、13名の逃げが決まる。この13名は最大2分19秒のリードを得たが、最初の2級山岳ガッロ峠の上りで吸収された。

表彰台、左から2位マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)、優勝ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)、3位ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)表彰台、左から2位マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)、優勝ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)、3位ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ) photo:settimanaciclisticalombarda.it続く1級山岳セルヴィーノ峠では再びアタックが繰り返され、山岳賞ジャージを着るマウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)が先頭で通過。この上りで集団はバラけ、ゴールまで30kmを残した地点で先頭はリーダージャージのピエトロポッリや総合3位のレベッリンを含む18名に。

やがてゴールが近づくと、18名の先頭グループからルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)やジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)ら4名が抜け出し、これが決定的な逃げに。3級山岳を先頭で越えたこの4名はスプリントを繰り広げ、パオリーニが勝利を掴んだ。

「2日前にペタッキの後ろでゴールしていたから自信はあった。今日は上りでの攻撃が功を奏したよ。これからは少し休養をとって、万全の体制でジロに挑みたい」。パオリーニは昨年出場できなかったジロにモチヴェーション高く挑む。

総合上位陣を含む集団は24秒遅れでゴールし、ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)の総合優勝が決定。LPRブレークスは初日のチームタイムトライアルでトップに立ち、ペタッキがステージ2勝を飾り、そして山岳でピエトロポッリがリードを守った。

ピエトロポッリは「(1級山岳)セルヴィーノ峠では少しピンチだった。上りで余力が無くて、集団から千切れたんだ。でもボジージオが手を差し伸べてくれて、何とか集団に復帰できた。今回はチームメイトに助けられたよ。ジロではディルーカやペタッキのアシストとして働きたい」とコメントしている。

レース展開、選手コメントはレース公式サイトより。

第6ステージ結果
1位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)2h58'12"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)
3位 ミゲルアンヘル・ルビアーノシャベス(コロンビア、チェントリデッラカルツァトゥーラ)
4位 アメリコ・ノヴェンブリーニ(イタリア、ナツィオナーレエレットロニカ)
5位 アンドレアス・ダイツィカー(スイス、フォアアールベルク・コラテック)+24"

個人総合成績
1位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)18h52'11"
2位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)+29"
3位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+36"
4位 マッシモ・ジュンティ(イタリア、ミケ)+1'00"
5位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)+1'01"

山岳賞
マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)

新人賞
ベン・ヘルマンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)

チーム総合成績
バルロワールド

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