昨年に表彰台を独占した梅丹勢。今年はそれぞれのチームで優勝を目指す。そして中・高校生のステージレースも併催されるのが今年の熊本国際ロードだ。そのスタートリストが発表された。各チーム監督のコメントもあわせて紹介しよう。

2009年は中島康晴(当時梅丹本舗)が優勝2009年は中島康晴(当時梅丹本舗)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI昨年優勝の中島康晴はTEAM NIPPO、2位福島晋一はクムサン・ジンセン・アジア、3位清水都貴はチームブリヂストン・アンカーで参戦。昨年の熊本国際の翌日に、衝撃的なチームの一時解散のニュースが流れたことは記憶に新しい。
今年の熊本国際は、やはりその元・梅丹勢とそのチームの活躍が鍵だ。そして昨年4位に甘んじた鈴木真理擁するシマノレーシングは、世界戦帰りの平塚吉光を加えて勝利を狙う。

大会は10月10日(日)、午前10時スタート。熊本県山鹿市菊鹿地区公道の1周12.9kmを12周する154.8kmだ。
昨年とほぼ同じで、のぼりが2箇所ある厳しいコース。集団が分断されるサバイバルレースになるだろう。

前日のライセンスコントロールを経たスタートリストからレースを展望しよう。

TEAM NIPPO 中島、佐野、井上、中田、宮澤、菊池
メンバーに等しく勝利のチャンスのある最強チーム。佐野と井上は昨年の5位6位だ。佐野は北海道総合2位、中島と井上は国体で最強タッグを見せて中島が優勝。あらゆる戦い方に対応する。なお、直前に負傷の増田に代わり中田が参戦。
2009年は梅丹本舗が表彰台を独占2009年は梅丹本舗が表彰台を独占 photo:Hideaki.TAKAGI昨年優勝の中島は「もちろんチームとして勝ちを狙っていく。チームの誰もが勝てる選手、どんな展開になっても勝てるメンバーなので全力を尽くしたい」と語る。

クムサン・ジンセン・アジア 福島、五十嵐、熊坂、海藤
昨年2位の福島晋一を擁する。福島はエースとしてマークされる一方で、先頭集団では自由に動けるメリットがある。
その福島は「去年のチームメイトが最大のライバルなのでうまくやりたい。手の内がばれすぎてやりにくい(笑)。他チームはボクをマークすればいいけれども、それを逆手にポイントを絞ってうまく勝てればと」


あんずの丘がスタート/フィニッシュあんずの丘がスタート/フィニッシュ photo:Hideaki.TAKAGIブリヂストン・アンカー 伊丹、普久原、清水都貴、山本、狩野
ツール・ド・北海道で総合優勝の清水、それを強力にアシストした狩野が、このコースではやはり中心になる。
昨年3位の清水は「去年の記者会見では、ナカジの2連覇を阻止する、と言いました。それを有限実行としたい。もちろんチームとして、誰かが勝てるように」
藤野監督は「海外チームには警戒したい。北海道のダメージが大きいが、アタックは絞って、行ける選手が勝てればと考えている」

シマノレーシング 鈴木真理、平塚、畑中、飯野、鈴木譲、村上
全日本大学選抜チーム全日本大学選抜チーム photo:Hideaki.TAKAGI坂がやや緩いコースだった第1回大会をスプリントで優勝した鈴木真理だが、昨年は4位に甘んじた。厳しいコースから畑中、鈴木譲ら若手にチャンスがある。
野寺監督は「昨年は梅丹本舗に表彰台を取られたのはものすごく悔しかった。今年は自分たちが頑張りたい。今年は若手が成果を出しているが、秋のUCI3連戦は過去にあまりいい成績は出していないので今年は頑張りたい。エースは決めていない、若手がここで勝ちを決めてくれたら嬉しい」

宇都宮ブリッツェン 柿沼、長沼、斉藤、小坂、若杉
いわきでは柿沼と斉藤が大活躍だったが、厳しいコースから長沼と柿沼に期待したい。
栗村監督「中村が欠場なのが正直戦力として不安はある。すばらしい大会なのでできる限りで上位を目指す。各選手が今後につながるレースをして欲しい」

チャレンジサイクルロードレース 高校生 スタートチャレンジサイクルロードレース 高校生 スタート photo:Hideaki.TAKAGI愛三工業レーシングチーム 品川、別府、木守、松村
チームとしてはハイナンと二手に分かれての参戦だ。厳しいコースから別府に期待したい。また、研修生として京都産業大学の木守が参戦。プロ選手の中での走りに期待。
中根総監督は「チームとしては熊本もハイナンも等しい力で臨んでいる。愛三工業が熊本に工場を出した。その人たちの応援を追い風にして頑張りたい」

全日本大学選抜チーム 西薗、越海、笠原、中尾、榎本、高橋将輝
厳しいコースだったインカレでの上位者多数で構成される。西薗はもちろん、他の選手ももはや完走などではなく、内容と結果で期待に応える走りができる選手たちだ。
三宅監督は「積極的に行くように、まだシーズン最中なので頑張るようにと言っている。そしてU23はこのチームで取らなければいけないと考えている」

チャレンジサイクルロードレース 中学生 スタートチャレンジサイクルロードレース 中学生 スタート photo:Hideaki.TAKAGIマトリックスパワータグ・コラテック 真鍋、澤田、向川、永良、山下、涌本
ベテランの真鍋、永良と若手の構成で臨む。厳しいコースから、真鍋と山下に期待したい。さらに澤田、涌本の気持ちのいいアタックも見逃せない。

パールイズミ・スミタ・ラバネロ 鎌田、栂尾、小段、辻本、肥後
強いチーム員が増えてチーム内競争も激しくなってきたのがラバネロ。厳しいコースから、鎌田、栂尾に期待したい。

湘南ベルマーレ 山根、平林、小室、武田、原川、佐藤
ツール・ド・北海道にも出場したチーム。ベテランの小室、アップダウンに強い山根、全日本U23で2位の原川らに期待。このチームも強力な若手が多く在籍し、チーム内競争も激しい。ここから選ばれた精鋭6名で臨む。

鹿屋体育大学 内間、吉田、野中、野口、元砂、山本
大学からは唯一単独で出場。もちろんコンチネンタルチームと同等以上の走りを期待したい。インカレ優勝で世界戦出場の内間、北海道第3ステージ優勝の山本はもちろんだが、ロードに久しぶりに出場の元砂にも注目したい。

海外チーム
マックスサクセスチーム
ル トゥーア サイクリングチーム
アクションサイクリングチーム
ジャイアントアジアレーシングチーム
チャイニーズ・タイペイ

以上16チーム 86名


チャレンジサイクルロードレース
国際レースに先立ち、10月9日(土)にチャレンジサイクルロードレース2010九州大会第1ステージが行われた。
山鹿市カルチャースポーツセンター内を周回するクリテリウムで、高校生のクラスA、中学生のクラスBで行われた。
翌10日のロードレースと合わせてのステージレースであり、中・高校生にとっては貴重なものだ。

結果
クラスA 50km
1位 小林和希(福岡・祐誠高校)1時間21分35秒
2位 鳥越敬太(福岡・祐誠高校)
3位 内田拓巳(大分・日出暘谷高校)


クラスB 30km
1位 久保田康弘(山口県ジュニアサイクルスポーツクラブ)53分02秒
2位 原井博斗(福岡県自転車競技連盟)
3位 伊東泰輝(大分県自転車競技連盟)+46秒

photo&text:高木秀彰

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