ファビアン・カンチェラーラ(スイス)は木曜日にオーストラリア・ジーロングで開催される世界選手権個人タイムトライアルで、4勝目という歴史をつくりたいと考えている。

ジーロングでもたれた記者会見でカンチェラーラは次のように語る。
「4つ目のタイトルを獲得して歴史に名を残したいんだ。ミック(マイケル)・ロジャースに次いで僕は3勝した選手として並んできた。彼に勝ることが出来ればすごいね」。

前人未到の世界選手権TT4勝目を目指すファビアン・カンチェラーラ(スイス)前人未到の世界選手権TT4勝目を目指すファビアン・カンチェラーラ(スイス) photo:Makoto Ayano2003年から2005年まで、ロジャースは個人TTに3連覇してきた。最初のカナダ・ハミルトン世界選手権の勝利は、デーヴィッド・ミラー(イギリス)がドーピングによってタイトルを剥奪されたことによる勝利だ。
カンチェラーラは2006年のオーストリア・ザルツブルクでまず勝利。そして2009年は彼の地元であるスイス・メンドリシオで勝利した。


今年カンチェラーラはツール・ド・フランス2010のプロローグと第19ステージの個人TTで勝利した。そして2週間前にはブエルタ・ア・エスパーニャの距離が長い46kmの個人TTでは3位に入り、いまだにタイムトライアルで優勝する力があることを見せつけた。

ツール・ド・フランス2010では区間2勝を飾ったファビアン・カンチェラーラ(スイス)ツール・ド・フランス2010では区間2勝を飾ったファビアン・カンチェラーラ(スイス) photo:Cor Vos世界選手権のコースは22.9kmのコースを2周する周回コースの45.8km。それぞれ眺望の良い道路を走り、アフラシアストリートへと駆け上がる。

「ただ強いだけじゃ十分じゃない。それぞれのラップで2つ、合計4つの登りのおかげで非常に難しいレースだ。レースには戦略的なアプローチで臨む必要がある。力を出し尽くすことになるだろう」。

スロバキア人のピーター・ベリトスはブエルタのタイムトライアルでカンチェラーラを下して勝利したが、ドイツのトニ・マルティンと地元オージー(タスマニア出身)のリッチー・ポルトのふたりをカンチェラーラは優勝候補として恐れている。

昨年は地元開催の世界選手権で優勝。今年は4勝目を目指す昨年は地元開催の世界選手権で優勝。今年は4勝目を目指す photo:Cor Vosマルティンはツール・ド・スイスでカンチェラーラを破り、ツール・ド・フランスでは2度のタイムトライルでともカンチェラーラに次いで2位になっている。

「マルティンはどんどん僕に近づいてきている。しかし彼がツアー・オブ・ブリテンを完走しなかったのか理解出来ない。もしタイムトライアルで勝利したいと思うのなら、まさにブリテンのような厳しいレースを走っておく必要がある」。

そして、カンチェラーラは彼のチームメイトでもあるポルトのことを特別気にしている様子だ。

昨年の世界選手権ロードでも目覚ましい走りを見せたカンチェラーラ昨年の世界選手権ロードでも目覚ましい走りを見せたカンチェラーラ photo:Cor Vos「ポルトはジロ・デ・イタリアで見せたスーパー・パフォーマンスによってチームとプロサイクリング界を驚かせてくれた。彼はシーズン後半に来てますます調子がいい。

僕のプロ入り最初の1年のことを考えると、ポルトの成功はすごいことだと思う。彼には大きな未来が待っているはずだ」。

カンチェラーラはポルトと違い、日曜のロードレースにも出場する。昨年の世界選メンドリシオ大会ではカンチェラーラは優勝したカデル・エヴァンス(オーストラリア)らに次いで5位でフィニッシュしている。


text:Gregor Brown in Geelong
translation:Makoto.AYANO
photo:Makoto.AYANO,Cor Vos

最新ニュース(全ジャンル)