スペインのマルカ紙が伝えたところによると、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合2位に入ったエセキエル・モスケラ(スペイン)が、シャコベオ・ガリシアからヴァカンソレイユに移籍する。契約は2年間。リカルド・リッコ(イタリア)らとともに、チームリーダーとしてオランダチームを率いる。

霧の立ちこめるラゴス・デ・コバドンガでニーバリらを突き放すエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)霧の立ちこめるラゴス・デ・コバドンガでニーバリらを突き放すエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) photo:Unipublicブエルタで最後までヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)を苦しめ、歴史的な闘いが繰り広げられたボラ・デル・ムンドでステージ初優勝を飾ったモスケラ。抜群の登坂力を見せたベテランが、4年間所属したシャコベオ・ガリシアを離れ、オランダのヴァカンソレイユに移籍することを決めた。

モスケラは1999年にプロデビュー。その才能が開花したのは地元ガリシア州のカルピン・ガリシア(現シャコベオ・ガリシア)に移籍した2007年のことだ。

ボラ・デル・ムンドでの壮絶なバトルを制したエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)ボラ・デル・ムンドでの壮絶なバトルを制したエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) photo:Cor Vos同年初出場のブエルタで総合5位に入ると、2008年総合4位、2009年総合5位とコンスタントに上位入賞。今年はブエルタ・ア・ブルゴス総合2位、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン総合3位という好成績を残し、苦節4年、自身初めてグランツールの総合表彰台に上った。現在34歳。遅咲きのオールラウンダーだ。

2008年に発足したプロコンチネンタルチームのヴァカンソレイユは、オランダスタートの2009年ブエルタ・ア・エスパーニャに初出場。今年はフェイユ兄弟(フランス)らを獲得して戦力を強化したが、グランツール出場を果たせなかった。

来シーズンに向けてヴァカンソレイユはプロツアー入りを目指しており、すでにプロツアーライセンスを申請済み。トップチームへの仲間入りを目指すチームにとって、ブエルタ総合2位モスケラの加入の意味は大きい。

チームのダン・ルイクス代表はマルカ紙の中で「モスケラは素晴らしい選手だ。グランツールで上位に絡む走りを見せ、年々順位を上げている。タイムトライアル能力を改善し、野望をもって進化している」と語っている。

「誰にでもチャンスがあるビッグチームに移籍したかった。2009年のブエルタや他のスペインレースで走るヴァカンソレイユの姿を見て即決した。忍耐強く闘って行きたい」。モスケラはマルカ紙の中でそう語る。すでにチームはドーピングによる2年間の出場停止処分を受けたリッコをシーズン半ばにチェラミカ・フラミニアから獲得。モスケラはリッコとともにチームを率いる存在になる。クラシックスペシャリストとしてステイン・デヴォルデル(ベルギー)も加入。目標はグランツール出場、そして2年連続総合表彰台だ。

text:Kei Tsuji

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